淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・
彼女ができたら、わしに咬ませろ。
2015年05月12日(Tue) 07:37:04
小父さんは血走った目をしてボクの首すじに舌を這わせ、そして言った――
彼女ができたら、わしに咬ませろ。
いやだ。いやだ。そんな・・・・・・っ――
声にならない叫びをあげるボクに、否応なく食い込んでくる尖った牙。
紺のハイソックスの脚をばたつかせながら、ボクはいつも以上に声をあげ、昂ぶっていた・・・
画面に写っているのは、狭い密室のベッドのうえの光景だった。
その画面いっぱいに、濃紺の半ズボンからにょっきり覗いた太ももが、大胆にくねりつづけていた。
濃紺のハイソックスに包まれた脚は、女子のようにしなやかだった。
脚の綺麗なひとなんですね。
控えめな声色を発する少女の唇は、小さくて朱い。
白皙の頬になんの感情もよぎらせず、人形のように無表情。
切れ長の目が、ビデオ録画の画面狭しと乱れる少年の昂ぶりを、じいっと観察していた――
このひとのお嫁さんになるのですよ。あなた。
それでもいいかしら――?
いたわるような母の目線に応えずに、少女は冷たく取り澄ました顔だちを崩そうともせずに。
ゆっくり、深々と、頷いている・・・・・・
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