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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

彼女ができたら、わしに咬ませろ。 2 ―日常風景―

2015年05月19日(Tue) 07:42:05

はじめに
前作のつづきです。
しょーもない前段がやたら長くなりました。
面白くなかったら、読み飛ばしてくださいませ。 笑



お早よっ!よく続くね・・・
後ろから追いついてきた同級生の半井が、ボクの肩を派手にどーん!と叩いてきた。
ボクの制服は、濃紺のブレザーと同じ色の半ズボンに、ハイソックス。
今年になったから選択制で採用された、新しいタイプのやつだった。
「なんか女みたい」だとか、
「男が太ももさらすなんて、ヘン」だとか、
そんな陰口をたたくやつもいたけれど。
4組の田中が新調第一号の生徒として新しい制服をしゃなりしゃなりと着こなしてくると、
クラスでも1~2名ずつ、ぞろぞろと追随するやつが出てきた。
いまではどの学年のどこのクラスでも、数人はこのスタイルだった。

お前ぇ、脚きれいだからいいよな。もしかして、女子の制服でも似合うんじゃないの?
冷やかすように言う半井は、案外本気でそう思っているようだった。
なぜかどす黒い矢が心臓に突き刺さるような衝動をおぼえて、内心どきりとする。
ンなこと、すっかよ・・・
ボクは内心のドキドキを押し隠しながらそう言ったが、幸い半井はそれ以上追及してこなかった。

教室から小父さんに呼び出されたのは、午後の授業中だった。
びっくりしたことに、担任経由での呼び出しだった。
教室を出るボクに、先生は言った。「きょうの授業はもういいから」――
失くしてしまう血の量を想像して、ボクは思わず――ウットリとしてしまっていた・・・

太ももにはくっきりと、きのう咬まれた痕がまだ赤黒く滲んでいる。
だれも気づかないのか、故意に触れないのか・・・教室にいるあいだ、だれもそのことを気にする様子をみせなかった。
半ズボンのすそから覗く咬み痕もあらわな太ももに、小父さんはククク・・・と下品な声色で嗤った。
クヒヒヒ。たっぷりと味わってやるぞい。
小父さんはわざと下品にそういうと、ボクの背後にまわった。
首すじにつけられた傷は、長めの髪に隠れていた。
髪の毛を掻き退けて、、小父さんはむぞうさにボクのことを咬んでいた――

ひざから力が抜けてその場にクタリと尻もちをつくと。
おひざを突いたら、負って言ったよな・・・
嬉しそうに息をハァハァさせながら、ボクの足許にかがみ込んでくる。
真新しいハイソックスが陽射しを照り返して、太めのリブをツヤツヤとさせている。
そのうえから、クチュ・・・ッと音を立てて小父さんの唇が吸いつけられてくる。
唾液のはぜるいやらしい音に、ボクはさっきから、ドキドキしつづけていた・・・

整然と流れるリブ編みが、そこだけちょっといびつに歪んでいた。
濃紺の生地にふたつ開けられた穴ぼこから、血の滲んだ素肌が覗いている。
吸血はまだつづいていた。
仰向けに組み敷かれたボクの視界に入るのは、立て膝をしたふくらはぎだけ。
首すじに這わされた唇は、キュウキュウ、キュウキュウ・・・と、さっきからおいしそうに、ボクの血を吸いあげつづけていた。
ボクはおそるおそる、呟いていた。
もう片っぽの靴下も、咬み破ってくれない・・・?

身を起こした小父さんは、やけにスッキリとした顔をしていた。
ボクの身体から吸い取った血をむぞうさに手の甲で拭うと、こんどは血のついた手の甲を、ボクのポケットからさぐり出したハンカチでギュッと拭った。
さっき、きみの母さんを犯してきた。
人妻を強姦するのは愉しいな・・・
小父さんの言い草は毒を含んだ針のようにボクの鼓膜をつついたけれど。
血の気の失せたボクの脳裏は理性さえもぼやけてしまっていて・・・
母さん、案外まだ吹っ切れてないのかな・・・
なんて、思っちゃっている。
ボクも父さんや母さんみたいに、小父さんに血を吸われてみたい。
おずおずと言い出したボクに「あなたが協力的だと母さん助かるわ」なんて、言っていたくせに――


ただいま。
なかの様子を予感しながら、おずおずとドアを開けて家に入ると。
室内は薄暗く、無人のようにひっそりとしていた。
廊下に鞄を置いてリビングに入ると、ふだん両親の寝室とを隔てているふすまが半開きになっていて、
仰向けに大の字になっている両脚がみえた。
思わず寝室を覗き込むと、そこに母さんがいた。
肌色のストッキングはところどころ、むざんな裂け目を拡げていて。
花柄のスカートのすそに光っている粘液は、なるべく見ないようにしたけれど。
気絶している母さんの口許に散った唾液だけは、いつまでも網膜に残って――ボクを苦しめた。


ただいま。
無表情な声色に、無表情な白い頬。
スッと伸びたロングの黒髪を、こ揺るぎもさせないで。
少女はリビングへと脚を踏み入れた。
青系のチェック柄スカートのすそだけが、意思を持ったように表情を帯びて、少女の足取りに合わせてゆらゆらとそよいでいる。

来客があったらしいのは、なんとなしの気配でわかる。
そしてその来客がまだ立ち去っていないのも、少女の敏感な五感が感じ取っている。

壁ぎわにしつらえられたソファの向こうは、夫婦の寝室だった。
来客はきっと、そこにいる。
ママもきっと、いっしょにいる。
少女は壁越しの情景を見通すように黒い瞳をこらしていた。

ああ・・・っ。
かすかな呻きにわれに返ったように、少女はふっと頬をふくらませる。
やっぱり。
母さんは犯されている。あのひとに――
腰を下ろしたソファの柔らかさが、ひどくいとわしく感じられた。
目を落とした足許は、黒のストッキングを履いた脚。
大人の輪郭を帯びはじめたふくらはぎが、なまめかしい薄墨色に染められていた。

さいしょのころは、ふつうのナチュラルな色のストッキングだった。
けれども、1ダースも破かれたころからだろうか。
ママはあのひとと逢う時は、黒のストッキングを脚に通すようになっていた。
あたしが学校に履いていくのと同じ色の、黒――
いまはふしだらによだれまみれにされ、むざんに咬み剥がれているはず。
いつかあたしも、そんなふうに――

きのう見せられたお見合いビデオが、まだテレビのうえに置かれていた。
知性と品性のあふれるノーブルな顔立ちの少年は、画面のなかで紺のハイソックスの脚を放恣にばたつかせながら、ママの愛人と戯れていた。
ビデオのうえには、少年の写真が見開きになったアルバムも添えられていた。
少女はアルバムをじっと見つめていたが、とうとう手に取ろうとはしなかった。
父ではない男が母の身体から起きあがる気配を背中で感じると、
少女はスッと起ちあがり、二階の勉強部屋に通じる階段にスリッパの音を重ねていった――
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