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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

彼女ができたら、わしに咬ませろ。 12 ――見返り。――

2015年06月05日(Fri) 07:19:11

――人はなにかを喪うと、かわりになにかを得るものらしい――

さっきから小父さんは、紺のハイソックスを履いたボクのふくらはぎに、
夢中になってむしゃぶりついている。
なすりつけられる唇とべろとが、よだれをたっぷりとなすりつけて、ボクの制服の一部を汚してゆく。
やがてガマンしきれなくなったように、這わされる唇のすき間から、尖った牙がむき出しにされて・・・
グググッ・・・と、皮膚を突き破ってくる。
ハイソックスのしなやかな生地にしみ込まされたよだれに、ボクの血潮が交わってゆく――

咬まれた痕は、ものの2~3日で消えてしまう。(もっとも週3くらい咬まれているボクの身体には、咬み傷が絶えないけれど)
さいしょにつけられた首すじの痕だけは、いまだに残っているけれど・・・
伸ばし始めた髪の毛が、とっくに覆い隠していて、わざわざ見せびらかしデモしなければ、だれも気がつかない。

さいしょに咬まれた時。
しばらくのあいだ痛みをガマンしていると・・・
そのうち全身がほてって来て、咬まれたところがジンジンと、激しく疼いてきて・・・
喪われた血潮の見返りに、ボクはえもいわれない快感を小父さんからもらっていた。
それ以来。
真新しいハイソックスを愉しませてあげるたび。
小父さんはボクを、キモチよくしてくれるようになっていた。

あー、すごい貧血。
頭がくらくらする。眩暈がいつもより、ディープな感じ。
小父さん、きょうはどうしたの?ボクにこれ以上の快感をくれるというの?
そうすると小父さんは、くぐもった声で囁いた。
きょうはきみから、もっとだいじなものをおねだりしよう――
ボクの血よりも、たいせつなもの・・・?
訝しげにたたみに落とした視線が、ぴたりと止まる。

此処に、翠を呼んでおる。

小父さんのひと言で、すべてがわかった。
ああ・・・
きょうなんだね。
きょう、ボクは自分の婚約者の純潔を、仲良しの吸血鬼の小父さんにプレゼントすると・・・いうんだね・・・?

見返りに、歓びをあげよう。
昏(くら)くて深い、居心地の良い歓びを・・・・・・


お邸に向かう道すがら。
翠はいつものように感情を消したしかめ面を俯けて。
重たそうな鞄を両手に抱えて、歩いていた。
ザクザクという砂利道の足音が、いやに耳につく。
きょうの行く先になにが待ち受けているのか――
少女の敏感な本能は、自らにその行く末をすでに囁きかけていた。
それでも翠は――踵を返そうとも、歩みを止めようともしなかった。
少女としては朴訥すぎるほど、まっすぐに。
淫らな誘惑の待ち受ける密室へと、制服姿を歩ませつづけていた。
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コメント

おねだり♪
アンサーストーリーをおねだりしたら、素敵なシリーズになってしまって。ありがとうございます。
握手をお願いしたのに、そのまま首筋を貪られた位の衝撃でした。
さすが、柏木様
by 加納 祥子
URL
2015-06-18 木 07:33:54
編集
>祥子さま
ご返事遅れて、ゴメンナサイ。
久々のリクエストに、つい夢中になって腕を揮ってしまいました。
(^^ゞ
ヒロインの処女喪失のシーン。
婚約者の前でほのかなうろたえを見せながら堕ちてゆく・・・きっとそんな情景なのでしょうけれど、
どういうわけか”魔”がささやいてまいりません。
よって、ここでいちおうの大団円(未完の完?)ということにしておこうかと存じます。

> 握手をお願いしたのに、そのまま首筋を貪られた位の衝撃でした。
なんとも言い得て妙。
柏木ワールドならではのコメント、ありがとうございました。
(^_-)-☆

by 柏木
URL
2015-06-27 土 09:37:07
編集

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