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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

行ってまいりますね。

2015年07月06日(Mon) 07:54:44

この街に転入してきて、初めての週末。
「行ってまいりますわね」
黒一色のスーツに身を包んだ妻は、わたしにそう声をかけてきた。
その日妻は、ご近所の法事の手伝いに、招ばれていた。
玄関を後にする後ろ姿――黒のストッキングに透けるふくらはぎを、わたしは惜しげに見送った。
ムザムザと、村の衆の淫らな指で弄ばれて、辱められるとわかっている華奢な身体は、あっという間に曲がり角に消えた。
わたしもいそいそと、身支度を始めていた。妻のあとを追うために。

この街に赴任してきた夫たちは、こうして無条件に、妻の貞操を譲り渡す。
それがこの土地のものとして生きていくための、通過儀礼。
法事の手伝いに招(よ)ばれたと告げた彼女に真実を告げず、そのまま行かせたわたしは、明らかに共犯だった。

落花狼藉の有様だった。
招ばれた女たちは、軽く20人を超えていた。
ほとんどが経験済みの女たち――初体験だったのは、妻ともうひとり、わたしと同時に赴任してきた若い社員の奥さんだった。
漆黒のブラウスをはぎ取られた胸に。
薄黒のストッキングを引き裂かれた脛に。
無数の唇が押し当てられていった。
スカートの裏側には、まがまがしい濁った粘液が、なん人分も織り交ざって、礼装を穢していた――


「行ってまいりますわね」
結婚前でさえ身に着けなかったほどの、丈の短いスカートから
網タイツの脚をにょっきりと覗かせた妻は、きょうもにこやかにわたしのことをふり返る。
「ああ、行ってらっしゃい」
わたしもまた、あっけらかんと妻に応えている。
これから輪姦の渦の待ち受ける場所は、あのお寺の本堂か。それとも納屋か。
草むらに引きずり込まれ、陽の光を浴びながら裸体をさらすことだってある。
きょうは妻はどんなふうにして、夫であるわたしを裏切るのだろう?
ゾクゾクっと総身を走る愉悦を、苦笑いで封じながら。
ムザムザと汚される装いを目に焼き付けると、わたしはいつものように、いそいそと身支度を整えていった。
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