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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

腹黒なマネージャー

2015年07月08日(Wed) 07:49:45

男子が脚を咬まれるときってさ。
ハイソックスの上から咬まれる率が女子よりずっと高いんだってさ。

部室で物知り顔に言うのは、二年生部員のテルオだった。
半ズボンの下からにょっきり伸びたふくらはぎは、ごつごつとした筋肉質。

毛脛の脚が嫌いなんだろ~?

ユニフォームに着替えはじめていたアキヤが、手を止めて応じた。

そうらしいね。女子だと柔らかいふくらはぎを、じかにねちょねちょ・・・って。

いつも陽気なトモカズが、さらに話題を上乗せする。

だれもまだ、ハイソックス破られてないよな・・・?

さいしょに話題を振ったテルオが、用心深げに一堂を見回した。
どうやらこの部室は、”汚染”されていないらしい。
だれもがそういう心証を抱いた。
吸血鬼の侵入が、いよいよこの学園でも始まっている。
昨日だけでも、女子生徒が3人、男子生徒が2人、貧血で学校を欠席している。

いちど中に入れちまうと、いつでも出入りできるようになるらしいぜ、あいつら。家でも部室でも。

アキヤもいつになく小心そうに、あたりをきょろきょろ見回した。

甘いね。

部室の一番隅っこから、声がした。
さっきから一向に着替えようとしない濃紺の制服姿は、彼がマネージャーであることを意味していた。
二年生の陽太だった。

ほら。

これ見よがしに指先を半ズボンの下のハイソックスの口ゴムにすべらせて。
ハイソックスに皺を寄せてぐにゅっとずらすと、そのまますーっと下にずり降ろしてゆく。
真っ白なふくらはぎにふたつ、赤黒い斑点――明らかに、咬まれた痕だった。

女みたいに柔らかい脚・・・だってさ。
もう遅いよ。ぼくが中に入っちゃったから・・・みんな入り込んでくるからさ。

低い声色を合図にしたように、施錠されていたはずの部室のドアが開け放たれて、
そこには明らかに尋常ではない顔色の男たち――だれもが見慣れない年輩者だった。

このひとたち、きのうこの街に着いたばかりでさ。まだだれの血も吸っていないんだって。
よかったらちょっとだけ、愉しませてあげないか?

立ちすくんだ一同は、だれもがあきらめ顔になっていた。

オレ・・・お袋がもう咬まれてるんです。

迫ってきた吸血鬼に敬語になっているのは、いつも明るいトモカズだった。

い・・・いやらしいですよ・・・これって・・・っ

早くもハイソックスのふくらはぎを咬まれてしまったテルオが、思い切り顔をしかめる。

どうせなら、初体験はユニフォーム姿のほうがいいかな。

自分を納得させるように呟くアキヤは、短パンの下に履いた真っ赤なストッキングを思い切り引き伸ばした。
白のラインがきっちり見えるように丁寧に直す手の下に、飢えた牙が迫っていた。

ちゅうっ・・・ちゅうっ・・・
ごくん。

薄暗い部室のなか。
若い血潮を吸い上げるまがまがしい音が、陰々とくぐもった。
チームメイトが次々と血を吸い取られてゆくのを見回しながら。
陽太はさいごに入室してきた吸血鬼を見返って、面白そうに笑った。

お礼にボクの血を、ぜんぶ吸い尽してもらえないかな?
ボク、むしょうにきみたちの仲間になりたくなったんだ。
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行ってまいりますね。

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