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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

未亡人、堕ちる。

2015年09月11日(Fri) 05:18:43

だめ!だめ!だめ!それだけはダメ!
ほかのことは何でもいうことをききますけれど、それだけはダメ!

男に迫られた母さんは、そんなふうに頑強に、最後の一線を守り抜いたという。
そう、ほかのことは何でも、いうことをきいちゃったんだけれど。

首すじをガブリとやられるのも。
ワンピースのわき腹に、かぶりつかれるのも。
新調したばかりのよそ行きの服に、吸い取られた血潮をボトボトとしたたらされるのも。
スカートを脱がされ、戦利品としてせしめられてしまうのも。
ふくらはぎを咬まれて、穿いているストッキングをチリチリに咬み破らせてしまうのも。

ストッキングを咬み破る――という行為は、
この街に棲みつく吸血鬼たちの習性からすると、

隷属的に屈従する。

という意思表示をしたのとおなじことになるはずだったのに。
そこまでのことを許しながらも。
母さんは、セックスだけはどうしても、許さなかったのだ。

男が母さんの意思を尊重して、それ以上迫ることを思いとどまったとき。
母さんは唯一、ディープ・キッスだけは、許してしまったのだけれど。
それは男に対する信頼の証し・・・だったらしい。
下着1枚に剥かれながら、母さんは男と会話を交わし、
男は着衣を剥ぎ取られた母さんのことを侮辱することもなく遇していた。

少しずつ。
男と母さんの距離が縮まったのは。
きっとそんな、ひとすくいの配慮からだったと、いまでも思う。

だんだんと。
母さんは大胆になって、許容範囲を拡げていった。
ディープ・キッスに加えて、ブラジャーを取り去ることも。
取り去られたブラジャーから覗いた乳首を、唇に含まれることも。
スカートの奥に、濡れた精液をまき散らされて、スカートの裏地を汚してしまうことも。
そして、フェラチオまでも。

真っ昼間、ボクたちが下校してくると、母さんは男を夫婦の寝室に招き入れていて、
男の一物を根元まで口に含んだ母さんの横顔に、
ボクは思わずちく生!と呟いて若菜に笑われて、
そのくせ、貞淑な主婦が堕ちてゆくのを目の当たりに、ズキズキとした昂ぶりに目覚めていった。

そんなころだった。
若菜が父さんを家にあげて、首すじを吸わせるようになったのは。

真っ先に気づいたのは、母さんだった。
女親とは、鋭いもの。
ふたりが逢瀬を愉しんでいる真っ最中に、娘の勉強部屋に乗り込んでいって。
「まあっ!?」
娘の相手がまさかかつての夫だったとは。夢にも思わなかったみたいだった。
それきり小娘みたいにもじもじとして、きまり悪そうに引き下がって。
父さんと若菜とを二人きりにして立ち去ってしまうという不覚をおかしたのは。
きっと――父さんがいながら男との関係を深めつつあることに、強い後ろめたさを感じてしまったからに違いなかった。
ちょうどその翌日のことだった。
母さんは街なかの、ホテルに誘われていた。

家を数歩出て、母さんは真新しいストッキングを穿いた脚を、ぴたりと止めた。
そしてくるりと回れ右をすると、まっすぐ家に戻ってきた。
若菜と父さんがいる部屋のドアをほとほとと叩いて、昼間からくんずほぐれつしているのを、咎めようともしないで――
わたし、あのかたとお付き合いを始めたんです。
父さんにむかって、そう”宣言”したのだった。

そう?
父さんは相も変わらず、あっけらかんと他人事みたいだった。
あのひと、母さんを大事にしてくれている?
エエ、だいじにしてくれているわ――あなたの次くらいに。
母さんがどぎまぎしながらも、そう答えると。
そう。
父さんはこっくりと、頷いていた。
だったらよかった。気を付けて、いってらっしゃい。
友達と遊びに出かける妻をふつうに送り出す、夫の態度だった。
行っても・・・いいの・・・?
むしろ躊躇する母さんの、背中を押すようにして。
母さんだって女なんだから。たまには好きな人のために、大胆にならなきゃ。
父さんは悪戯っぽく笑って、母さんの脇腹を小突いている。
ちょうど初めて咬まれた日にかぶりつかれたあたりを突かれて、母さんはちょっとなまめかしくうめくと、
すぐにさばさばとした、いつもの母さんらしい顔つきに戻ってゆく。
じゃあ行くわ。若菜をよろしくね。
ああ、彼によろしく。
ふふふ。
ふたりは声を交えてちいさく笑い、開かれていたドアがバタンと閉ざされてゆく。

キリッとしたタイトスカートに包んだ貞操を、これから捨てにいく母さんのことを。
ボクは玄関まで、送っていった。
浮気に出かける母さんを、こんなふうにサバサバと送り出すことができるのは。
父さんと母さんのおかげなんだと思いながら。
ボクは手にしたものを、母さんに差し出している。
ボクが手にしていたのは、封の切っていないパッケージ入りのストッキング。
どうせ破かれちゃうんでしょ?穿きかえ用に。
生意気ねぇ。
母さんはそんなふうに苦笑しながら、それでもボクからの浮気成就の祝福のしるしを、ハンドバックにしまい込んでゆく。

門がガチャリと閉ざされると。
ボクの背中を小指で突くやつがいた。
イタズラっぽく笑っている、若菜だった。
若菜の後ろには、父さんが。その傍らには、カツヒロが。すこし離れて、優衣さんが。
愉し気にフフフ・・・と、笑いあっている。
あと、尾(つ)けちゃお。
そういって白い歯をみせる若菜に、みんな同意らしかった。
母さんの貞操喪失、みんなで愉しまなくちゃな。
父さんはあっけらかんとしていて、どこまでも他人事だった。
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帽子。
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父さんのことは、忘れてほしくはないけれど・・・

コメント

無残に血を啜われて、性行為を強要されて嫌がる母親良いですね!

血を吸われる事が前提で話が進んでるのが興奮しますね!これはいいけど、これはダメみたいな、いじらしい感じが可愛いです!
吸血したい(笑)
by フライ
URL
2015-09-11 金 14:58:55
編集
> フライさま
再三のコメントありがとうございます☆
とんでもない刻限に、こんなにいくつものお話を描いたのは久しぶりです。
フライさまの声援のたまものと思います。

このお話にコメントを頂けるとは思いませんでした。
強引に押し切るだけではなくて、押してもだめなら・・・という一進一退のせめぎ合いを描いてみたかったのでした。
^^
by 柏木
URL
2015-09-11 金 21:33:52
編集
怪人大好きです!

吸血管が獲物を捕らえる時なんて良いですね!爬虫類なんて最高です!容赦ない感じが好きです!

是非!(笑)
by フライ
URL
2015-09-12 土 07:31:22
編集
> フライさま
コチラについてのレスですね。
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-3179.html#comment1756

> スーツのすき間やセーラー服の襟もとに、
> 無慈悲な吸血管がブスリと刺し込まれ、
> 触手のように長く伸びた透明な吸血管に、
> 赤黒い液体がニューッと引き抜かれていって、
> 爬虫類みたいな怪人の体内に取り込まれてゆく。

子供のころに割とこういうシーンを見る機会がありました。
いわゆる初期の変身モノですね。
(トシがバレます)^^;
当時の作品はいまのそれとちがって、「怪奇色の濃い趣き」があったといわれています。
いまのモノもシリーズによってはくり返し観るほど好きですが、
あのころのモノは稚拙な紙芝居のような雰囲気があって、その稚拙さが不可思議なエロティシズムにつながっていたような気がいたします。
by 柏木
URL
2015-09-12 土 09:23:50
編集
コメントありがとうございました
 あれやこれやそんなことは平気なのに
それだけはあげられない。
他のこととは違うの。
変態行為は平気なのに。
普通のSEXだけはできない。
そういう気持ちすごく分かっちゃう。

 でも、実際には、それだとお付き合いできないよねー。(笑)
by さやか
URL
2015-09-13 日 01:30:38
編集
> さやか様
ご返事遅れて、すみません。
PCがいかれてしまったので・・・

> そこだけは
そういうこだわりって、だれにもあると思うんですよね。
ストッキングを破かれるのがヤなご婦人も、きっとおおぜい・・・
^^;
by 柏木
URL
2015-09-29 火 06:46:14
編集

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