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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

お姉ちゃん、血が欲しいんだけど・・・

2015年12月01日(Tue) 04:38:12

お姉ちゃん、血が欲しいんだけど。
呼び止めた顔見知りのお姉ちゃんは、近所に住んでいる高校生。
ボクよりずっと、学年が上だった。
目が真ん丸で、団子っ鼻のお姉ちゃんは、お世辞にも美人じゃなかったけど。
面倒見が良くて頼りになる、万年学級委員。
そういえば血色の良い丸い頬っぺは色白で、髪の毛もツヤツヤとして、黒かった。
まだ悪ガキだったボクでさえ、はっとするくらい。

そんなお姉ちゃんの、紺一色の制服のプリーツスカートからにょっきり伸びた、白のハイソックスのふくらはぎに、ボクは見とれてしまっていた。
なにも知らない下校途中のお姉ちゃんを、追いかけるようにして呼び止めて、
ボクは思わず、口走っていた。
お姉ちゃん、血が欲しいんだけど・・・

お姉ちゃんはびっくりしたように立ち止まり、
真ん丸なお目目をいっそう丸くして、ボクのことを見下ろした。
ユウくん、吸血鬼だったの!?
お姉ちゃんは明らかに、半歩身を引いていて。
獣になりかかったボクの本能は、そんなお姉ちゃんのかすかな身じろぎさえ、見逃していなかった。

けれどもお姉ちゃんは、すぐにいつものお姉ちゃんを取り戻していた。
さすがにちょっと驚いたみたいだったけど。
あたりをうかがうとボクのほうへと近寄って。
喉、渇いてるの・・・? って。ひどく気づかわしそうに顔を覗き込んできた。
ちょっと前に、暑気あたりで目を回しちゃったボクのことを介抱してくれたときと、おなじ目だった。

いいよ。どこから吸うの?
お姉ちゃんはむしろ、悠然としていた。
でも、このブラウス汚したくないんだけどな。
そんな、やけにリアルなことさえ、口にした。
ふくらはぎを咬みたい・・・というボクに。
いけない子だね。
ちょっと咎めるように、そういうと。
傍らのベンチに腰をおろして。それから考え直したように、腹這いになって。
あんまり痛くしないでよ・・・って。 語尾だけはちょっぴり、震えていた。
初めて吸いつけた唇の下。
お姉ちゃんの履いているリブ編みのハイソックスの生地が、しんなりと心地よかった。
暖かな体温のしみ込んだ、しなやかなナイロン生地のうえから、ボクは容赦なく、牙を埋めた。

貧血ぅー・・・
ベンチのうえ、お姉ちゃんは仰向けになって、顔を両手で覆っている。
思わず吸いすぎちゃった。
そんなふうに照れながら、
ふくらはぎに血を滲ませた真っ白なハイソックスの足許を、ボクは満足そうに盗み見ていた。

彼氏いるんだよー、あたし。結婚相手なんだ。
初めて聞くショッキングな事実に、ショックを受けながら。
それでもボクは、お姉ちゃんの血で生温かくなった唇を、指でいじいじと、なぞり続けていた。


ハイソックスが好きなんだって?
スミオ兄さんはそういって、ボクの目のまえに太ももむき出しの脚を、見せびらかした。
ショートパンツに、スポーツ用のライン入りのハイソックス。
お兄ちゃんのお気に入りだと、ひと目で知れた。
咬ませてやってもいいからさ。ゆう子のことはあきらめてくれないか?
お兄ちゃんの気づかわし気な視線は、お姉ちゃんのそれと似ていたけれど。
気づかっている相手はボクではなくて、ほかならぬ自分自身のことだとわかってしまうと。
なん才も年上のお兄ちゃんよりも優位に立ったみたいで、ちょっぴりいい気分になれた。
悪いけど・・・無理みたい。
わかったよ。
交渉決裂・・・と、思ったけど。
ライン入りのハイソックスの足許に吸いつけていったボクの唇を、お兄ちゃんはさえぎろうとはしなかった。

ちゅう、ちゅう・・・
年上のお兄ちゃんやお姉ちゃんが、血を吸わせてくれるなら。
たっぷりお飲みなさい。
若い血は、栄養があるのよ。
ふたりのお母さんはどちらも、気品の漂う笑みを浮かべながら、ボクにそういって教えてくれた。
肌色のストッキングを、いたずら小僧に咬み破らせてしまいながら・・・

お兄ちゃんは、自分のママがボクに血を吸われていることを知っている。
吸血鬼ってさ。
セックスしたことのある女のひとの血を吸うときには、セックスまでしちゃうんだって?
「セックス」なんて言葉を、二度も口にしながら。
お兄ちゃんはひどく遠慮がちに、その言葉をつぶやいた。まるで生まれて初めて、口にするように。
うん、そうだね。 そう応えるボクに。
ユウタはセックス、したことあるの・・・?
お兄ちゃんはさらに気づかわしそうに、そういった。
ウン、あるよ。
ボクが白々しいほど無邪気な顔を作って、そういうと。
お兄ちゃんは、ふーっと大きな息をついて、頭のうえの青空を見あげていた。

別れぎわ。
お兄ちゃんはボクをふり返って、言った。
お前がおっきくなったらさ。ゆう子のことよろしくな。
さりげない感じを作っていたけれど、お兄ちゃんの目つきは、ドキドキするものを伝えてくる。
ボクはやっぱり、無邪気な声を作って、いった。
ウン、じゃあ指切りげんまんね。


高校を卒業する前の晩。
ふたりはボクの家にやって来て。
ボクはお姉ちゃんだけを、ボクの部屋に呼び入れて――
くつろげたジャケットのすき間から覗くセーターを、おぼつかない指先でたくし上げ、
ブラウスのボタンをひとつずつ、はずしていった。
つま先までピンと伸びきったふくらはぎは、真っ白なハイソックスをキリリと履いていて。
子供のくせに、生意気ね。
お姉ちゃんは強がりながらも、神妙な顔つきになって、目を瞑る。
半開きになったドアの向こうに、人の気配を感じながら。
頼りなげに白い歯をのぞかせた唇に、ボクは息はずませながら、唇を重ねてゆく――
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