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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

彼女の生き血を、ねだられて。 2

2015年12月01日(Tue) 05:52:51

マサヤくん、待った?
向こうからやってくる制服のブレザー姿は、婚約者のゆう子さん。
ひざ下までぴっちりと引き伸ばした真新しい白のハイソックスが、遠目にも眩しい。
どうしたの?ぼんやりしちゃって・・・あっ、わかった。やらしいなあー。
ひじで脇腹をどん!と小突かれて、僕は辟易しながらも彼女を促した。
うん、行こう行こうっ。
彼女はあくまでも、元気。
ピンと背すじを伸ばしてスタスタと歩き出した歩みの速さに、僕が置いて行かれそうだ。
ふたりが目ざすのは――吸血鬼の家。
そこでは年端もいかない男の子が、喉をからからにして、ゆう子さんのことを待ち構えている。

やあ、いらっしゃい。マサヤくんいつもすまないね。
小父さんは白髪頭の温厚な紳士。
彼も吸血鬼らしいのだけど、息子の獲物は狙わないらしい。
協力的な人に、よけいな負担はかけたくない――そんな新年の持ち主らしい。

じゃ、マサヤくん――ゴメンね。待っててね。
「ゴメン」なんて、言われると。
かえって波立つものが、胸の奥にある。
鎖されたドア一枚を隔てて、僕は隣室に背を向けて、出されたティーカップを独り手に取る。

ぅ・・・
かすかな呻きが、ドア越しに洩れたのは、錯覚だろうか?
覗いてもいいことになっている。鍵穴を通してなら――
まさかそんなことまではするまいと、自分に禁じながら・・・
いつも誘惑に屈してしまっている自分がいた。
鍵穴のむこう。
じゅうたんの上に腹ばいになったゆう子さんは、
濃紺のプリーツスカートのすその乱れを抑えながら――
真っ白なハイソックスを履いたふくらはぎを、自分よりいくつも年下の男の子に、咬まれていた。
ユウくんという名のその子が這わせた唇の下、ちょっとだけずり落ちたハイソックスには、赤黒いシミが広がってゆく。

両脚とも咬まれてしまって。
もうそろそろ、いいかな・・・?
そういって起き上がろうとするゆう子さんのことを、
ユウくんはなおも引き留めて、おねだりをくり返す。
「もう少しだけ、欲しいんだけど。」

もう少しだけ・・・
もう少しだけ・・・
幼いころから仲の良かったユウくんに、僕さえもが直接、彼女の生き血をねだられていた。
だからお姉ちゃんを、うちに連れてきて。
ボク、若い女の子の血を吸いたいんだよ。
彼の切なる願いは、どういうわけか僕の心の奥にしみ込んできて。
僕は彼のいけないお願いを、断りきることができなかった。

鍵穴のむこうのゆう子さんも、いっしょだった。
起き上がろうとしたブレザー姿は、引き留めてくる男の子の手に抑えられて、動きを停めて。
しょうがないなあ・・・って、いいながら。
ブレザーを脱いで、セーターまで脱いで。
ブラウスのボタンを二つ三つ、外してやって。
それから仰向けになって、目を瞑る。
僕の彼女のうえにのしかかっていったユウくんは、ゆう子さんの着けているブラジャーをはぎ取ると、
胸の谷間に勢いよく、唇を埋めていった。
僕さえ目にするチャンスのないはずの、ゆう子さんのブラジャー、胸の谷間。
ピンク色をした乳首はピンとそそり立って、稚ない指先がねぶりまわすまま、もてあそばれてゆく。
しきりに背すじを伸ばす彼女の心の疼きを、ユウくんはどこまで識っているのだろう・・・?
いや、きっとなにもかも、わかってしまっているはずだ。
どきりとするほど濃い黒髪をまさぐる指が。
スカートからはみ出したブラウスの下、すべり込む掌が。
しきりと彼女を、誘惑している。
僕の股間まで、触れていくような、露骨な誘惑を込めながら。
そう。
ユウくんはすでに、彼女のお母さんと僕の母とを、犯していた。

ドキドキしているね?
背後の声にビクリとするいとまも与えずに。
声の主は僕のことを羽交い絞めに抱きすくめると、
短パンのうえから僕の股間をさぐっている。
勃っているじゃないか。
恥ずかしさに声も出ないでいる僕に。
ユウくんのお父さんは囁いた。
恥ずかしいことはない。大切な人が誘惑されているんだ。男の子として、むしろ当然の反応だ。
そういいながら。
短パンのうえからのまさぐりを、止めようとはしなかった。
着衣を通してじんわりと滲んでくる触感に、勃ったものの先端が、止めようもない潤いを洩らしはじめてゆく――

彼女が正気づいたときにはもう、僕はパンツをはき替えて、なにごともなかったような顔をつくろっていた。
だいじょうぶ?貧血?
本気でそう気遣う僕に、彼女は軽くかぶりを振って、「ううん、だいじょうぶ」とだけ、いった。
半裸になるほどはだけられていたブラウスは、お行儀よく襟までボタンをきちんと留めていて。
丹念に梳いたらしい黒髪は、ちょっとの乱れも窺えなかった。
大股を開いているときは、だらしなく脛までずり落ちかけていた真っ白なハイソックスは、
元通り、ひざ小僧のすぐ下にまで、ぴっちりと引き伸ばされていて――
けれどもふくらはぎのいちばん肉づきのよいあたりには、
咬まれた名残の赤黒いシミがベットリと滲んでいた。
まだ乾ききっていない血のりは、真っ白なナイロン生地を赤黒く濡らし、ぬらぬらと生々しく光っている。
そのナマナマしい濡れを、僕はつとめて平静に目にしたけれど。
彼女は自分の足許を見おろしながら、
そんなにじろじろ、視ないでよ。やらしいなあ。
と、いつもの明るさを取り戻して、笑い飛ばした。

夕暮れの街は、買い物をする主婦や勤め帰りの男女がおおぜい、行き交っている。
おなじ制服の男女や、違う学校に通う子たちも、ひっきりなしにすれ違う。
そのだれもが、ゆう子さんの白いハイソックスにべったりとなすりつけられた赤黒いシミに目を留めて、
さりげなく目をそらし、通り過ぎてゆく――
恥ずかしいものを衆目にさらすのが、どうしてこんなにくすぐったいのだろう。

なん才も年下の男の子とたわむれあって、
血を吸い取られて、ハイソックスを汚されて、
ブラジャーまではぎ取られてゆく、婚約者の彼女。
そんなふしだらな光景が、僕の網膜を妖しく彩って。
ノーマルだったはずの日常を、いびつな翳りで支配してゆく――
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