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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

吸血接待業。 2 若い既婚のビジネスマン

2015年12月07日(Mon) 07:53:42

「ストッキング地のハイソックスをたしなむ、既婚の若いビジネスマンの方。
(40歳位まで)
 お気が合えば奥様を紹介いただける方なら、なお可」
そんなオーダーが斡旋者からパスされてきたのは、金曜の夜のことだった。
早めに帰宅していたわたしはサッとシャワーを浴びると、妻に告げた。
「アルバイト行ってくる。帰りは遅いか朝になるから、寝てていいからね」
妻が感情を消した顔で頷くのを横目に。
ふだん穿きのスラックスをたくし上げると、黒の薄手のハイソックスを、するすると脚に通していった。

やあ、いらっしゃい。
ホテルのロビーでわたしを出迎えた吸血鬼は、思ったよりも若い感じがした。
わたしの表情を読んだのか、男はきまり悪そうに言った。
切羽詰まってしまってね。
通りがかりのメイドを一人、襲ってしまった。
まあここでは、そんなアクシデントはもみ消されることになっているようだけど。
吸血鬼の定宿として知られる、このホテル。
外見はふつうのホテルで、一般の客ももちろん受け入れるのだが、
吸血プレイのための場として、特定の客室を持っていた。
若いメイドの血と、もはやみすぼらしい中年男になり果てたわたしの血とが、彼のなかでいっしょに織り交ざるというのか。
あまり、美味しくありませんよ。
わたしは苦笑しながら、言った。「口直しが必要になるかも」と。
吸血鬼は笑って、「ご謙遜を」と、言ってくれた。

ベッドに仰向けになったわたしは、腕に献血チューブを挿し込まれる代わりに、首すじに男の唇を吸いつけられていった。
チクリ、と刺し込まれた牙が容赦なく皮膚の奥を抉り、あふれ出てくる血潮を舌をふるいつけて啜り取ってゆく。
意外なくらい熱っぽく、男はわたしの首すじにからみついた。
わたしたちは愛人どうしのように、狭いベッドのうえに身をひしめき合わせながら、熱っぽく吸い、吸われつづける。
薄い靴下、穿いてきてくれたんですね。
男がそうささやくと、わたしは「御覧になりますか」と応じ、スラックスを引き上げた。
照明の下、肌の透ける脛が妖しい光沢に包まれて、ごつごつとした筋肉の隆起を浮き彫りにした。
ククク。
男は獣じみた含み笑いを、そのままふくらはぎへと圧しつけてくる。
あ・・・
わたしの声に応じずに、男は、薄いナイロン生地の舌触りを愉しむよう、にゅるにゅると唇を這わせはじめる。
しばらくの間。
わたしはうつ伏せになり、ストッキング地の靴下の舌触りを、男にサービスし続けた。
やがて牙が圧しつけられ、熱烈な口づけをしながら、咬み入れてくる。
あ・・・
わたしの声色もまた、熱を帯びてきた。
多重債務者の日常を隠すため、血液提供者として登録されて半月、いつか血を吸われることに快感を覚えるようになっている。
本来は苦痛であるはずのことが、苦痛を和らげる本能によって快感に変換される――きっとそういうことなのだろう。
咬み破られた薄い靴下に、生温かい血のりがしみ込むのを感じながら、わたしはすすんで献血に応じていった・・・

今度は、女もののストッキングを穿いてきてあげましょうか?
もう一度逢いたいと感じた吸血鬼は、彼が初めてだった。
面白そうですね。ぜひお願いしましょう。
男は快諾してくれた。
熱っぽい吸血プレイは、本心からのものだったらしい。
打ち解けた笑いが、お互いの頬にあった。
胸の奥がズキリ!となるようなことを言われたのは、そのすぐ後だった。
奥さんのストッキングも、ぜひこんなふうにしてみたいものですね。
男はわたしから吸い取った血潮を、まだ口許にテカらせていた。
妻の血が、この男のあごや口許を、こんなふうに彩る・・・
とっさに湧いた想像は、ひどくリアルだった。
「口直しが必要になるかも」
咬まれる直前、自分で口走った言葉を、わたしはありありと、思い出した。
「口直しなんかじゃ、決してありませんよ」
気遣う男に笑顔を向けて、わたしは携帯を手に取った。
「友里江?ちょっと出てこれないか?すこしおめかししてさ。着替えを一着、あとストッキングの穿き替えも、持っておいで」
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