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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

初夜。

2015年12月10日(Thu) 06:14:11

20代の若い血を吸い取られたわたしは、婚約者のゆう子さんを伴って
あの男の待ち受ける密室を、訪ねてゆく。
わたしの血を吸い取ったあの男に、処女の生き血を与えるために。

悪堕ちとか、寝取られとか、人はいうけれど。
これはあくまでも、崇高な使命。
師と仰ぐひとに、最愛の人を引き合わせて。
そのひとの秘めた生命力と若さと熱情を、
底知れぬ渇きを癒しつつ、愛でていただくという・・・

なにも知らない、わたしの未来の妻は。
もうひとりの夫に初めて仕えるために、呪われた扉を押し開く。
処女にとっては最も忌むべき、好色な唇を
その白い首すじに吸いつけられるために。
キリリと張り詰めた若いOLにとっては最も厭うべき、淫らな腕に
純白のブラウスの襟首を、押し拡げられるために。
礼儀正しい婦人としては最も嫌悪すべき、不潔な舌に
足許に透きとおるパンティストッキングを、
破けた蜘蛛の巣のように、チリチリに咬み剥がれてしまうために――

12月9日 7:32脱稿
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