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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

それぞれの時代。

2015年12月10日(Thu) 06:15:34

ハイソックスが流行っていなかった、私の学生時代。
丈長の靴下を、目いっぱい引き伸ばして。
ふくらはぎを咬みたがるあいつに、サービスしていた。
真新しいしなやかな生地にしみ込む、生温かい血潮の感覚に。
ひとり、胸震わせていた。

社会に出たころには、サポートパンストなるものが、流行り始めていた。
強度が強く、いままでよりも発色が鮮やかなストッキングを穿いた脚に、
あいつは夢中になって、しゃぶりついてきた。
光沢よぎるふくらはぎに、よだれをたっぷりとなすりつけられて。
それでもあたしは、ボディコンといわれた流行りの服を着たまま、
脚をばたばたさせて、はしゃぎ切っていた。

ルーズソックスが流行ったころは、三十代の主婦。
ラブホテルの部屋のなか。セーラー服に着替えてやって、
長すぎる分厚い靴下を、くるぶしの当たりでぐにゅっとたるませて。
やっぱりお前イカスよという、ウソだらけの囁きを、
あえて真に受けて、うなずいていた。

おばさんタイツに身を包む日々も、
たまにはと張り切って、今夜も薄々のストッキングを穿いて。
淹れたてのお茶を、部屋へと運び込む。
あなた、よろしかったら今夜もいかが?
刺激的だった毒のある誘惑は、いまでは情けないほど穏やかな、優しい声。
永年連れ添った吸血鬼の夫は、
いつになく優しく、ふくらはぎを咬んできた。

12月9日 7:35脱稿
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