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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

姦の村 4  二度目のお嫁入り

2015年12月14日(Mon) 04:21:40

さいしょはまるで強姦だったと、いまでも思う。
あなた!あなたあっ。助けて~っ!
肌色のパンストを履いた脚を、思い切りじたばたさせて、
薄い唇から覗いた白い歯を、思い切り歯ぎしりさせて。
冷や汗の浮いた白いうなじを、思い切りのけ反らせ、激しくかぶりを振りながら――
股間を突き抜かれてしまうと、
ぎゃあーっ!
と。断末魔のような絶叫をあげたのだった。

いまでもそのときのことは。
逐一ビデオに、残されている。
こんなのを表ざたにされたら、あんたがた夫婦もお困りだろう。
そういってほくそ笑む長老は、そのビデオを気前よく、無償でわたしに手渡してくれて。
心ばかりのお礼にと、妻を残して夫婦の寝室を明け渡してやって。
そうとは察しながらも、相手の思うつぼにはまっていった夜――

そのビデオはいまでも、三人の間での宝物。
必死になって操を立てようとしてくれた妻に、わたしは感謝をくり返して。
貞淑な妻を明け渡してやったわたしに、長老も感謝をくり返して。
主人のまえで女の歓びを教えてくれたと、妻は長老に感謝をくり返す。
長老は妻に、いい身体と声をしとると賞賛し、
妻はわたしに、不倫を許してくれたわたしの度量を賞賛し、
わたしは長老に、妻をイカレさせた男っぷりを、同じ男として賞賛する。
屈辱まみれだったはずの凌辱場面は、いまは記念すべき三人のなれ初めの記憶。

赴任期間が切れて、村を出て行かなければならなくなったとき。
長老は妻に、求婚をした。
わたしのまえでの告白だった。
だんなを独りで行かして、わしと暮らしてもらえんか?
妻は言下に、そうします、と、応えていた――

この村から、単身赴任してね。
私――この方のところにお嫁入りしますから。
エエ、法的にはずっと、あなたの妻。
あなたがこの家に戻ってくるときも、あなたの妻。
でもあなたは、妻である私を、このかたに寝取らせ続ける義務を負うの。
私のこと犯されて嬉しいあなたが受ける、当然の罰よ。
甘美な毒を含んだ妻の非難は、半ばは本音。半ばはからかい。
転勤を控えたわたしは、妻と長老とを結びつけるため、
自宅を祝言の場にして、皆を招いた。
そう、妻が初めて犯された座敷を――わたしは妻を公的に開放する場に選んだのだ。

妻が脚に通していたパンスト一足だけを手に、わたしは村を出る。
そのパンストは、あの夜妻が穿いていたもの。
むざんに破けたパンストのすき間から覗いた白い脛は。
いまでも記憶のなかに鮮やかだった。
都会育ちの婦人が帯びた気品のシンボルだったパンストを。
いまでは劣情滾るよだれにまみれさせ、愉しませるために脚に通す妻。
そう――きみと、きみをそこまで堕とした彼とは、たしかにお似合いだ。
そして――きみと、きみがそこまで堕ちるのを視て愉しんでしまったわたしも、やはりお似合いのはずだ。

長老が妻のために用意した妾宅に、妻を伴うとき。
わたしは手を取って、彼女を助手席に乗せた。
夫婦としては、最後のドライブだった。
二度目のお嫁入りね。
妻は目を細めて、ノーブルに笑う。
白のパンプスにお行儀よくおさまった足の甲は、真新しい肌色のパンストに包まれて、
この村に来るまでと変わらぬ気品を帯びていた。


あとがき
前作までの主人公・嘉藤の上司である、長柄次長が主人公となったお話です。
公認不倫の末夫婦が分かれてしまうのは、柏木のなかではバッド・エンドなのですが。
ここまではギリギリでアリかな と思います。
ほとんど奪い尽されてしまっているはずなのですが、夫婦は夫婦の余地を残しています。
その部分が、独り都会に帰ってゆく長柄次長の活力になっているようです。
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