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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

若いひとじゃなくって、よかったの?

2015年12月23日(Wed) 11:46:09

ずん胴のおばさんスカートの下に
履き心地の柔らかな、昔ふうのストッキングを穿いて
息子の嫁と娘とを連れてやってきた、淫らな山村。

結婚三年目にして夫以外の男の味を覚えた嫁と
息荒く群がる何人もの男の前、セーラー服を脱いじゃった娘。
訪ねていった公民館は、真っ昼間から乱交のるつぼになっていて
若い女ふたりにも、不自由しないほどの数の男どもが、群がっていった。

若いひとたちのほうじゃなくて、よかったの?
ただひとり、わたしのまえに現れたごま塩頭に
わたしはからかうように、声を投げる。
男はゆっくりとかぶりを結って、わたしのほうへと歩み寄ると
やおら両手を床について四つん這いになって
ストッキングに包まれたあたしの脚を、舐めはじめた。

麗しの大根足・・・って
あんまり嬉しい気のしないほめ言葉に
わたしは薄茶のパンプスを穿いたままの爪先を、男のほうへと差し伸べてやって
ねちねちといやらしく這わされる舌にみなぎる劣情に、
しぐさだけで、応えてやった。

しつような舐めに、しわくちゃにされて
じわじわとよじれてゆく、肌色のストッキング。
やっぱりストッキングはエエなあ。気品を感じるなあ。
気品のかけらも感じさせない男のやり口に、わたしは「いけすかない」と口を尖らせる。

隣室からは、きゃあきゃあとはじける、嫁と娘のはしゃぎ声。
ビリビリ、ブチブチと、服の裂ける音まできこえる。
母親として、姑として、女の手本を示すべきわたしまで
男に肩を捕まえて、床にひざを突かせられる。

そう。このひとは。
わたしひとすじと決めているらしい。
主人の遠縁の法事だといわれ 初めて訪れたこの村で
主人以外の男性の身体を、初めて思い知らされたとき
主人にあらかじめ話をつけていた・・・というこのひとは
いの一番に、わたしのうえに覆いかぶさってきた。
都会の奥さんの脚は、エエなあ。
薄々のストッキング破くの、たまんねえなあ。
きょうとおなじ、そんな言葉を口にしながら
夫にしか許したことのなかった股間を、剛い肉棒を埋め込んだ彼は
いまでもわたしを抱くたびごとに、あの”感動の夜”を、思い出すのだという。

お父さん、ごめんなさい。
有一、、ごめんね。
ひろ子さん、いっぱい愉しんでね。
佑香、うんと可愛がってもらうんだよ。
家族に対するいろんな想いをよぎらせながら、
わたしもブラウスのリボンを解かれ、スリップを引き裂かれる。
ストッキングを穿いたままの女と姦りたいという男の望みのままに
太もも丈のストッキングに、ノーパンティの腰から下は
丈長のおばさんスカートをたくしあげられてしまって
そらぞらしい外気が、すーすーと肌寒かった。

アラ都会の奥様、いいお日和で。
通りがかりの顔見知りの村の奥さんが
わざとのように、声かけてくる。
三人の女たちの先頭を歩くわたしは
しばらくごやっかいになりますねえ。
悪びれずにそうあいさつをする。
剥がれた服をまとい、素肌をちらちらと覗かせながら歩いているわたしたちの身に
なにが起きたのかなど、おくびにも出さず
村の奥さんは「ゆっくりしてってくださいね」とだけいって、すれ違ってゆく。
たしか、彼女の旦那もさっきまで
娘や嫁に覆いかぶさっていったはず。
「ゆっくりしてってくださいね」。
「ウチの旦那の面倒も、よろしくね」
きっと本音は、そういう意味なんだろう。

背中ごし、わたしのすぐ後ろを歩く二人も、
村の奥さんに礼儀正しく会釈を投げるのを感じながら
早く宿について、お着替えしなくちゃね
そう、この村では夜は早々と訪れて
若い女目当ての男どもが、わたしたちの宿に乗り込んでくるはずだから。
「やですわ、義母さまったら」
嫁のひろ子さんが、笑いをはじけさせる。
「そのまえにあたしたち、宿のかたたちと仲良くならなくちゃいけないじゃないですか」
図星を刺した嫁は、息子を裏切った時のイタズラっぽい笑いを、
整った横顔にそのまま残していた。

そうね。あのひとたちは、全裸がお好きだから。
好みに合わせなくちゃならないわね。
そういうわたしに
ママ、その手間省けちゃうみたい
娘の佑香が囁いた。
なるほど。
破けた女の服をほしがる、変態男どもが
あたしたちの行く手を、阻もうとしていた。
夏でよかったわね。
ほんとうにね。
全裸にヒールやローファーだけになったわたしたちは
宿まであともう少しの道のりを
降りそそぐお陽さまの下、恥ずかしさをかなぐりすてて、歩いてゆく。
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