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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

彼女と妹と。 (娘の身代わり・優香の彼氏目線)

2015年12月29日(Tue) 16:33:09

ぼくの血じゃ、だめなんですね・・・?
がっかりした。
いつも貧血ぎみな彼女のために・・・
彼女の血を吸っている吸血鬼を訪ねあて、
身代わりにぼくの血を吸ってもらおうと思ったけれど。
彼は、男の血は受けつけないたちだった。

処女の生き血が欲しいのだ。むろん、処女ではなくてもよいのだが・・・
たとえばきみのお母さんを連れてきたら、
お母さんはお父さんのことを、裏切るようなことをわしにさせられる。
きみも年ごろだから・・・どういう意味だか、わかるだろうな?
小父さんの言いぐさはひどくねちっこく、そのねちっこい言い方に、ぼくはなぜだか、ドキドキしていた。

家族の血を吸わせる。
途方もない裏切り行為のように思えたのに。
そんなふうにして、家族の血を共有してしまおうとする自分の姿を想像して、
ぼくは得体のしれない歓びを、識りはじめてしまっていた。
そう。
ぼくの血が口に合わなくても。
彼がぞんぶんに啜り取ってくれる情景に、淫らな想像をふくらませていた。
だって・・・
二年も付き合っていながらキスひとつ交わしていない優香が、吸血鬼に襲われているというのに。
そのようすをのぞき見することに、病みつきになってしまっているくらいだったから。
血を吸われるなんて、嫌。嫌っ! 家に帰してちょうだいっ!
わざとそんなことを口走って、自分のうえにのしかかってくる吸血鬼を興奮させて。
たちわるく意地汚く、制服姿をむさぼらせちゃっているのだ。
ユウくん、助けてっ!
なんて。
ぼくの名前を引き合いに出されてしまったときに。
思わずお漏らししてしまいそうに昂ってしまったことは。
墓場まで持っていかなきゃならない秘密なのかも。


もう。しっかりしなさいよ。
自分の彼女、吸血鬼に奪(と)られちゃうかもしれないんだよ。
優香は時折不満そうに、口を尖らせる。
ぼくが彼女の純潔の行方に、無関心だと思い込んでいるらしい。
紺のハイソックスを履いた脚で、お尻を軽く蹴っ飛ばされながら。
サッカーの才能あるんじゃない?なんて。
軽すぎる冗談を飛ばしてしまったりして。
スカートでサッカーやるわけないじゃん。
優香はまたも、口を尖らせるのだった。
ぼくに隠れて吸血鬼に逢って、
生き血をたっぷりと吸い取らせている優香。
毎回のように首すじに迫らされる淫らな口づけに、積極的に応えてしまっている優香。
ときには手足をばたばたさせながら。
真っ白なブラウスを血でびしょびしょに濡らされたり、
きりっとした感じのする紺のハイソックスを、惜しげもなく咬み破らせちゃっている優香。
そんなはた目にもエッチなことを、平気でさせちゃっているくせに。
ぼくの前では、あくまで真面目くさっている優香。
もしかすると・・・生真面目すぎるから。
自分がされているやらしいことを、やらしいことなんだって、まだ自覚していないのかも。

そんな彼女が、だしぬけにぼくの家にふらっと来た。
母さんに「優香ちゃん来たよ。約束してたの?」って言われて、玄関に出てみたら。
彼女は珍しく真っ白なハイソックスを履いていて・・・真っ白なはずのハイソックスには、
濡れた赤黒い血のりが、べっとりとしみ込んでいた。
なにもかも視てしまったはずの母さんは。
なにも気づいてない様子を、わざとらしくとりつくろって。
ぼくのことを彼女のまえに置き去りにすると、そそくさと台所にこもってしまった。

どうしたの?
なんて口火を切っていいかわからないぼくは。
そんな間抜けな問いを投げて。
またもや彼女を失望させはしないかと、はらはらしたけれど。
彼女はぼくの間抜けぶりなんか、眼中になくて。
その場でこう宣言したのだった。
あたし、吸血鬼の小父さんに犯してもらうから。

えっ。
腰を抜かしたぼくは、一方的に宣言をして後ろ姿をみせる優香をまえに、
どうすることもできないでいた。

別れたりしないからね。あのひとたちとは、結婚するわけにいかないんだから。
あなたの彼女のまま、犯されてあげる。
つぎの日の朝、登校途中に出逢った彼女は。
大きな瞳にいつにない毒々しい輝きを浮かべながら、そういった。
あなた、そういうの好きそうじゃない。
彼女の声色は、猛毒を含んでいる。
ぼくは一発で、ノックアウトされちゃっていた。

どうすればいいか、わかるでしょ。
あのひとがあたしに手を出さないのは、
あたしを犯しちゃうと処女の生き血が吸えなくなるからよ。
だから、代わりがいればいいの。
あのひと、ユウくんの妹の舞ちゃんに目をつけているわ。
彼女と妹と、両方喰われちゃうのって・・・ユウくん冥利に尽きるんじゃない?
彼女の猛毒は、致死量いっぱいに高まっていた。


妹の舞は、中学にあがったばかりだった。
まだまだ子供じゃないか・・・そう言いかけたぼくに。
それは舞ちゃんに対する侮辱だよ。
優香は冷ややかな白い目で、ぼくを見た。
そういうものなのか。
けれども一点だけ、認めないわけにいかないものがあった。
舞の学校は、ストッキングを履く学校だった。

薄黒いストッキングに脚を通して。
ばたばたと玄関から駆け出していく舞の、セーラー服の後ろ姿。
いつものろまで、遅刻ギリギリに家を飛び出していって。
大またにすたこらと走る、小回りの利いた短い脚。
けれども薄手のナイロンのオブラートにくるまれた発育のよい肉づきには、
なまめかしい陰翳が帯びられていた。
あの足許が。
優香の血を吸っているあの男の目の色を変えさせたというのか――

吸血鬼に、彼女と妹と同時に狙われていることは。
もちろん呪うべき境遇のはずなのに。
「身代わりにぼくの血を」
「気の毒だが、それはできない」
ささいな言葉を交わしたばかりに、できあがったつながり。
面と向かった彼は、どこいでもいそうなふつうの小父さんで。
血を吸うとき以外には、むしろいい人っぽいその人のことを、
なぜかあまり悪く思う気になれないでいるのは。
ぼくがおめでたいお人好しだからだろうか・・・?
そのほうがみんな、幸せなんじゃない?
彼女はむすっとした顔つきで、そんなふうに言ってくれたけど。

優香が吸血鬼とつきあって、貧血気味なんだ。
舞もそのひとに、血を分けてあげてくれないか?
ストレートに切り出した兄貴のぼくに。
舞は両手で口許を抑えて、怖がって。
ためらうセーラー服姿を、母さんの居合わせない家から、引っ張り出すようにして、手を取って。
家からすぐの小父さんの屋敷のまえに、ぼくたち兄妹は、佇んでいた。

さあ、咬ませておやり。
ぼくはちょっと意地悪な、丁寧口調になっていて。
黒のストッキングの足許に這い寄ってくる黒い影を怖がりながらも、
舞は薄黒く染まった自分の脚を、おそるおそる差し伸べていた・・・

ちゅっ。
はぜる唾液。
引きつる顔。
さらに力を込めて吸いつく唇。
ぱりぱりと裂けてゆく、黒のストッキング・・・

白三本のラインが入った襟首が、ゆっくりゆっくり、傾いてゆく。
舞はもう白目になって、ふらーっと頭を仰のけて。
その仰のけられた頭を、ぼくは支えてやりながら。
腕のなかで力を喪ってゆく小柄な身体から、
容赦なく血液が抜き取られてゆく気配を、ありありと感じてしまっている。

ちゅうちゅう・・・ちゅうちゅう・・・ちゅうちゅう・・・ちゅうちゅう・・・
安っぽい音をあげて吸い取られてゆく、舞の血潮。
小父さんのみせる旺盛な食欲を、呪っていいのか、よろこんでかまわないのか。
そんな刻一刻、舞は素直そうな頬を静かにくつろげて、眠りにつく。
貧血のもたらすその眠りをよいことに、男は舞の喉笛に食いついて、がぶりと咬みついていた。
襟首に走る三本の白のラインに、バラ色の飛沫が散った。


いい条件だよね。
優香がふて腐れたように、ぼくを睨んだ。
きみの純潔は、ぼくからプレゼントしたいんだ。
・・・いいよ。
視線をそらしながら応えてくれた優香の言葉をそのままに、
ぼくは小父さんに、アポイントを入れた。

舞の生き血がお口に合って嬉しいです。
こんどは優香を、犯してください。
ぼくの彼女ですけれど――小父さんに犯してもらいたいんです。
その代わり。
優香を犯しているところを、ぼくにも見せてください。
そうすれば。
ふたりで優香の純潔を分け合えるような気がするんです。

小父さんはくすぐったそうな顔をして、ぼくを視て、いった。
きみは良いものの考え方をするんだね・・・


半開きになったドアの向こう。
ブラウスをはだけた優香が、迫ってくる逞しい胸をへだてようと、か細い腕を突っ張って。
まだけんめいの抗いを、続けている。
ぼくのために守り抜いてきた操を、守り通すため。
そういう思惑で。
けれども彼女の抵抗はあっさりと折られ、
スカートの奥に秘めた浄い処は、辱められてしまう。
未来の花嫁の純潔がむしり取られてゆく光景を、ぼくは寸分たりとも見逃すまいと、目を凝らして見届けていた。
ユウくん、助けてっ!
そう叫んでぼくのことをそそっていた優香は。
あーっ、
あーっ、
と、股間を迫らされる恐怖におののいていって。
ユウくん、ゴメン。ゴメン。
痛い、痛い、痛っ!痛っ!痛あいっ!!
と、声をあげて自分の純潔が喪われるのを告げる。
あとは、男女の荒い息遣いの、交し合い・・・
ぼくは独り昂ぶりながら、失禁した半ズボンがぐしょ濡れになっているのも気づかずに、
ふたりの所作に見入っていた。

お世辞にもかっこよくなかった、優香の身じろぎ。
初めてというのは、そういうものなのか。
ぎこちない動きは、予期せぬ男の無遠慮な吶喊に耐えかねて。
ますますぎこちなく、固まっていった。
悔しそうに歯ぎしりしながら、優香は自分の身体を、彼氏以外の男に支配されていった。
そう、彼氏の目のまえで・・・

ねえ。きょうもあなたのこと、裏切ってもいい?
イタズラっぽい上目づかいは、いつもぼくと肩を並べて歩いている。
公然のカップルになったぼく達は。
いつもいっしょに歩いていて。
優香は、白のハイソックスを濡らす血のりを、おおっぴらに見せびらかして。
ぼくは優香を吸血鬼との密会現場に伴う役を、だれの目も構わずに務めあげている。
三人で愉しむこともできるんだね。
優香はくすっと笑って、白い歯をみせる。
純潔を奪われていったときに歯ぎしりをした、同じ歯は。
きょうもきらきらと、白珠のような輝きをみせていた。
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コメント

優香ちゃんの損失のくだり
拝借させていただきました。
ありがとうございます。
by 霧夜のおっさん
URL
2016-03-05 土 16:28:14
編集
霧夜の狩人さま
ゆっくり入り込む時間を全く取れず、レスが遅れてすみませぬ。
m(__)m
こんなに時間の経ってしまったお話に注目下さり感激です。
またお気が向かれたら、遊びに来てくださいね。
(^-^)
by 柏木
URL
2016-03-19 土 07:25:58
編集

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