FC2ブログ

妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

交流。

2016年01月30日(Sat) 06:55:10

放課後の、だれもいない教室で。
そいつはうずくまるようにして、僕を待っていた。
僕は体操着の短パンの下、鮮やかな赤のラインが入ったハイソックスを、きっちり履いていて。
男はまるでそれが目当てだったように、僕の足許にすり寄ってくる。
ふくらはぎを咬んで血を吸う習性を持つ男は、週に2,3度はそんな献血を強いてくる。
生きるためだよね。仕方ないんだよね。
僕は僕自身にそう言い聞かせながら、
男が卑猥な舌づかいで、僕の履いているハイソックスをくしゃくしゃにしてゆくのを、黙って見おろしていた。

男から欲情が去り、僕の脳裏に貧血がわだかまると。
僕はうつろな声色で、訊いてみた。
彼女の血を吸わせてやろうか――?
若い女の子の血が、欲しいんだろ?
どうせみんな血を吸われちゃうんだったら。
彼女には僕と同じやつに、咬まれてもらいたいんだ。

不思議な感情だったけど。
せめてそうすることで、根こそぎ奪われかねない彼女との絆を、保っていたかった。

やつは舌なめずりをしながら、こう答えた。
嬉しいね。安心しな。
俺は彼女を、お前の彼女のまま抱いてやるさ。
純潔も俺に、譲るんだよ。お前の目のまえで、ぐちゃぐちゃに犯してやるからさ。
でもそれは、お前の彼女だから姦りたくなるんだ。
彼女が俺の好みのタイプじゃなくてもね。
お前の彼女を、モノにできたら。
お前との距離がもう一歩、近づくような気がするんでね。

冷酷だが不思議な愛情のこもった科白――
僕はだまって、聞き流した。
返事をするにはあまりにも、心臓がドキドキ、バクバクしてしまったから。

男は続けた。
だがね。
俺はもう少し、強欲になりたいね。
お前の彼女を抱く前に、妹さんを連れてこい。
びーびー泣いたって、容赦はしない。
無理やり抑えつけて、か細い身体から摂れる生き血を、ぎゅうぎゅうむしり取ってやる。
どうしてそんな仕打ちをするのかって?
妹さんなら――あんたと同じ血を身体のなかにたっぷり宿しているからさ。

酷たらしさしか表に出てこない愛情を。
僕はまっすぐに受け止めて、応えてやる。
いいね。
どっちもきみに、支配してもらいたいよ。
ついでに母さんのことも、お願いしていいかな?
嫁の不倫や娘の不始末に、姑や母親は手厳しいものだから。
早めに手なづけといたほうが、いいと思うけど・・・

男は僕のハイソックスを真っ赤に濡らしながら、
お前のお袋の穿いているパンストも、チリチリに咬み散らかしてやると約束してくれた。

一週間後。
すべてを知った父さんは、憔悴しきった顔をして、僕の勉強部屋に現れた。
感謝するよ。
私がする勇気のなかったことを、お前は全部やってくれたから。
そう言って父さんは、一週間くらい失踪して、家に戻ってこなかった。
それは、男が母さんを支配するのに必要な時間だった。
失踪する前の父さんの首すじには、僕がつけられたそれよりも古い咬み痕が、ありありと滲んでいた。
ふたつ並んだ痕の間隔は――たぶんぼくのつけられたそれと、一致するはずだった。
前の記事
墓場から舞い戻る。
次の記事
ストッキングを履く女子校。

コメント

コメントの投稿

(N)
(B)
(M)
(U)
(T)
(P)
(C)
管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
http://aoi18.blog37.fc2.com/tb.php/3257-a5f45efb