淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・
両刀遣い。
2016年02月04日(Thu) 04:15:17
この街に棲む吸血鬼は、首すじと同じくらい好んで脚を咬む――そうと初めて知ったとき。
息子はサッカーストッキングの脚を咬まれ、
娘は通学用の紺のハイソックスの脚を吸われ、
妻までもが、薄手のストッキングを1ダースも破かれていた。
わたしに隠れて吸われていることに、皆罪悪感を持っていたらしい。
生命の保証と引き換えに自由に血を吸わせ、互いに共存する――
そんなルールを知らされたわたしは、
同意と和解のしるしに、自分から咬まれてくれと妻からせがまれていた。
長い靴下を履いた脚を咬みたがるようだから。
彼の好みに合わせて穿いた、ストッキング地のハイソックス。
濃紺の薄い生地に透けた脛は、紳士ものにしてはなまめかしい光沢に包まれていた。
腹ばいになったわたしの足許にかがみ込み、スラックスを引き上げて――
咬まれる前にいやというほど舐められた。
薄手のナイロン生地の舌触りを、あきらかに愉しんでいた。
血を吸われたあと・・・犯されてしまうの。
妻のしどろもどろの告白に、あいまいに頷いてしまっていたわたしは――
やみつきになるのだ――と、痛感することになる。
靴下の舌触りをくまなく愉しんだあと、男はいった。
ほんとうは、あんたのこともお目当てだったのさ・・・
男は、両刀遣いだった。
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