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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

男の吸血鬼に、血を吸われる。

2016年02月15日(Mon) 07:01:46

ここは、街はずれにある古い洋館の大広間。
ボクはじゅうたんの上、うつ伏せになって。
あの男に生き血を、吸い取られている。
もう・・・なん回めになるだろう?

わが母校は崇高なる人類愛を標榜して、
街に出没する吸血鬼を受け容れた。
通学するおおぜいの男女生徒の血液を、彼らに無償で提供することで、
人と吸血鬼との共存を図ろうというわけだ。
学校の意図は、成功しているんだそうだ。
だって、ほとんどの生徒が血を吸われたというのに、生徒の死亡例が皆無だからだ。

男の吸血鬼は、好んで女子生徒を襲った。
それが人情というものだろうから、気持ちはわかる。
彼女の麻利絵さんまでが毒牙にかかったときは、さすがに悔しかったけれど――
だからといって、どうすることができるわけでもない。
首すじに咬み痕をつけた彼女は、自ら望んでお相手と密会を続けている。

麻利絵さんの血を吸っているやつが、ボクのことを襲ったのは。たぶん偶然だ。
でも、その事実を知ったとき――なぜかむしょうに、嬉しかった。
ヤツの体内で、ボクの血は彼女の血といっしょになる・・・そんなふうにも思えたし。

いまヤツは、ボクの首すじに唇を当てて、
チュウチュウといやらしい音を立てて、血を吸っている。
麻利絵さんのときにもきっと、そうしているのだろう。
心地よげに目を半ば瞑りながら吸いあげてゆくのが、傍らの姿身に映っている。
首すじの次は、脚だった。
そろそろとふくらはぎに這い寄って、
紺のハイソックスのうえから、ヤツはボクのふくらはぎに牙を立てる。
そう――ボクがいま身にまとっているのは――女子の制服。
そのほうが気分が乗るから・・・とせがまれて、
学年がひとつ下の妹のやつを、無断で拝借している。
ハイソックスは何足、穴をあけてしまっただろう?
ボクは素知らぬ顔をしていたけれど、妹のやつはきっと、気づいているに違いない。

吸血は性行為だという。
彼女も時々、そんなことを口にする。
ゴメンね・・・って、いいながら。
彼女はイタズラっぽく笑って、ボクの顔を盗み見る。
キミ以外のひとと、浮気してるみたい。でも許してね。
言っている内容はシリアスなのに、きみの口調はどうしてそんなに愉し気なんだい?

吸血が、性行為だとしたら。
たまたま自分の血を吸う吸血鬼が男だと、どういうことになるのだろう?
男に血を吸われた男子は、かなりの確率で同性愛に目覚めるという。
女子の制服を着ながら、息をはずませちゃって・・・
ボクもそんなひとりに、なってしまうのだろうか・・・?
ゴメンね・・・と囁く彼女の幻影に。
ゴメンな・・・と応えてしまっているボク――
彼女とはきっと、長続きするに違いない・・・。
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