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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

「枠」。

2016年02月19日(Fri) 05:45:13

入学直後に応接をした吸血鬼は、自分の父親よりも年上だった。
濃紺の半ズボンに、同じ色のハイソックス。
そんな制服姿で、旧校舎の空き教室に呼び出しを受けて。
表情を消した担任に引率されるまま、教室の扉はとざされていった。

二人きりになったとき。
ごま塩頭のその男は、顔見知りだった。
目を細めて値踏みをするように、アツヤの仕種や顔つきをひとしきり観察すると。
やおら腕を伸ばしてアツヤの肩をつかみ、引き寄せた。
思ったより逞しい猿臂に、引き込まれるまま抱きすくめられて。
気がついたときにはもう、首すじを咬まれてしまっていた。

ひとしきり血を吸いあげられて。
軽いめまいを振り払おうとしながらも、頭を抱えていると。
教室の床に、腹這いになるように言われて――
こんどは、紺のハイソックスを履いたふくらはぎに、唇を吸いつけられていた。

ひとしきり行為が済むと。
男は血の滴ったままの唇を、アツヤの唇に圧しつけてきた。
自分の血の、錆びたような芳香に、むせ返りながらも。
いつの間にか自分のほうから応じるようになってしまったことに、気がついていた。
男はアツヤの半ズボンのチャックをおろして、
むぞうさに手を、突っ込んできた。
咥えられた分厚い唇の向こう側。
不覚にも吐き散らしてしまった若い粘液を、男はさも旨そうに、啜り取ってゆく。

毎年ね、わしはこの学校で、「枠」を持っているんだよ。
学年が変わるたびに、「枠」に入る子も原則入れ替わるんだ。
サッカー部で、2人。
ラグビー部で、3人。
文化部枠は、あんた1人だ。
ほかにもなん人となく、血をくれる若いひとがいるおかげでね。
わしのようなもんでも、生き永らえさせてもらっとる。

文化部なんかより、運動部の男子のほうが、パワー摂れるでしょ?
自ら発してしまったきわどい質問で、自分が行為にすっかりなじんでしまったことを自覚して。
アツヤは少しだけ、頬を赤らめた。
頬が赤らむ程度には、早くも回復していることが。
目のまえのこの老人が自分たち生徒に求める”若さ”というものなのだと。
眩し気に細めるまなざしを前に、いやでもそう、自覚させられる。
文化部の男子には、知性的な彼女がおるからの。
男の言いぐさに、アツヤは顔をさらに赤くする。
そう。
親の決めた婚約者ができたのは、入学直前の春休みのことだった。
同級生のヤスヨさん。
おさげ髪をきりっと結わえた、評判のしっかり者だった。
わしは二刀流じゃ。
女子のハイソックスも咬むと愉しいのを、よぅ知っておる――
アツヤはちょっとだけ戸惑って、ためらって。
けれどもすぐに、なにかを決心したような、くっきりとした顔つきになった。

もっと飲みたいの?
アツヤのしんけんなまなざしを、男はまともに見返していって、こたえた。
ああ、嬉しいね。

教室の床に、こんどは自分から腹ばいになっていって。
まだ咬まれていないほうのふくらはぎを、そっと差し伸べる。
よだれをたっぷり含んだ男の唇がなすりつけられるのが、
そのよだれを、入学したての真新しいハイソックスにじわじわとしみ込まされてゆくのが、
なぜだかむしょうに、小気味よかった。

ヤスヨさんの履いている紺のハイソックスも、こんなふうにいたぶられちゃうんだね。
僕はそういうことを、前もって経験させられているんだね。

彼女を寝取られる気分は、どうかね・・・?
そうだね。悔しいけど・・・恥ずかしいけど・・・悪くないかもしれない。
相手が小父さんだったら・・・歓迎しちゃっても・・・いいかな・・・?

1週間後、アツヤはヤスヨを同じ教室に連れてきて。
さいしょは嫌々に。やがて積極的に。
ヤスヨもまた、処女の生き血を啜り取られるようになっていた。
セーラー服の襟首を走る、白のラインに紅いしたたりを散らせながら――
ヤスヨが初めての過ちを犯すところは、卒業前までとっておく。
ふたりの卒業祝いに、わしが奪うところを覗かせてやるからな。
身体を結ばれた男ふたりは、そんないけない約束で、指切りを済ませていた。
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