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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

クラス委員のストッキング

2016年07月12日(Tue) 07:49:42

あなたが吸血鬼だということは、みんな知っています。
でもだからといって、クラスの女子を見境なく襲うのは、よして下さい。
まして、ストッキングを破くなんて侮辱だわ。

放課後の、だれもいない教室で。
瀬藤敏恵は白い頬を引きつらせ、テルヤとまともに向き合っていた。
セーラー服の胸に誇らし気に輝くクラス委員の徽章が、彼女にそう言わせているかのようだった。
相談を受けたのは、きのうのこと。
親友の遥香がこっそりとやってきて、声を忍ばせて囁いたのだ。

知ってる?黒森くんって吸血鬼なんだよね?
クラスの女の子、出席番号順に襲っているんだよ。
きのうは私、学校帰りに待ち伏せされて、公園で咬まれちゃった・・・

有無を言わさず連れ込んで、力づくでベンチに座らせると、
足許にかがみ込んできて、黒のストッキングをぶちぶちと咬み破りながら、血を吸った――というのだ。

それだけではない。
今朝クラスメイトたちに聞いてみると、あの子も咬まれていたし、この子も襲われていた。
たしかに――瀬藤敏恵よりも若い出席番号の子は、全員が咬まれていた。
自分よりも後の子たちは、まだなにも気づかずにいるらしい。
はやく何とかしないと。
クラス委員としての責任感が、彼女を起ちあがらせた。

真っ先に相談した担任の谷森先生の反応は、とても冷ややかだった。
ほかの先生方も・・・だれもかれもが、頼りにならなかった。
だったら私が――そう思い詰めた敏恵は、「黒森くん、放課後ちょっといい?」
真向いで対峙する決心をしたのだった。

テルヤは言った。
彼女みたいに澄んだ声色も、責任感と矜持に満ちた語気も、彼には備わっていなかった。
後ろめたい立場をかろうじて許されて生き延びている。
そんな卑屈な孤独感が、全身を取り巻いていた。

たしかに悪いとは思っているよ。
でも快楽でやっているわけじゃない。
1日ひとりは襲わないと、僕ダメなんだ。
家族が相手してくれるけど、もうギリギリなんだ。
育ち盛りで、飲みたい血の量も増えちゃったしね。

敏恵はぐっと詰まった。
テルヤはなおも淡々と語った。

ストッキングを破くのも、よくないことだと思っているよ。
でも、口で謝っても女の子って、なかなか許してはくれないよね?
一応、理由がないわけじゃないんだ。
ふつうは首すじを咬むんだけど、
相手が血を吸われることに慣れてないと、血が撥ねて制服汚すだろ?
そのほうが、高くつくんじゃないのか?
だから、スカートを汚さないふくらはぎを咬んでいるんだ。
ストッキングを脱がせるわけには、いかないだろ?
流れた血は、靴を汚す前に舐め取るから、被害は最小限で済む。そう思ったんだ。
それに、たしなみのある女の子はみんな、ストッキングの履き替え持ち歩いているみたいだしな。

いちおう、一理はあるかな・・・
言いあぐねてしまった敏恵に、テルヤは一歩進んでいた。そう、いつものように――

ところで瀬藤さん。瀬藤さんも黒のストッキング、似合うんだね。
さっきから俺、じりじりしてるんだけど・・・

自分の足許が狙われている。吸血鬼の視線をクギづけにされている。
ここはだれもいない、放課後の教室――
敏恵は、いまさらながら、自分の置かれている立場に気がついた。

調子に乗って襲いかかってくるのかと思ったら。

頼むから。

そういってテルヤは、手を合わせて懇願していた。
しまり屋で潔癖なクラス委員は、頬をふくらませ、口を尖らせながらも、こたえた。

じゃあ、どうぞ。

机をいくつかつなげたうえに、腹這いになって、足許をくつろげてやる。
さっきまでクラスメイト達が教科書やノートを広げていたスチールの机は、無表情にぴかぴかとしていて、
寝心地の悪さをセーラー服ごしに、ごつごつと伝えてくる。
薄地のナイロン生地ごしに、テルヤの呼気を振りかけられて、
それまでの矜持もどこへやら、怯えを感じた敏恵はビクッと身じろぎをする。

掴まれる足首。
スカートのうえから抑えつけられる太もも。
吸いつけられた唇は、まっすぐに咬み入れようとはせずに、
ストッキングのうえから、敏恵の脚周りを、なぞるように這いまわる。
まるで敏恵の履いているストッキングの舌触りを、念入りに愉しむようにして。

イヤだ!イヤだっ!快楽じゃないのっ!!
敏恵は抗議したけれど、もう遅い。
返事の代わりに少年は、よだれをたっぷりとなすりつけてきた。
汚される・・・
悔しさに歯がみをしながら、敏恵はテルヤの牙を受け容れた。
ストッキングを咬み破られながら、ジュルジュルと汚い音をたてて血を啜られる。
屈辱を伴う献血行為に、敏恵は、侮辱だわ、侮辱だわ・・・と呟きながら、身をゆだねていった・・・


瀬藤さん、放課後ちょっといいかな。
テルヤのさりげない誘いに、敏恵は頬をふくらませ、口を尖らせながら、ぶっきら棒にこたえる。
わかった。
すこし離れたところで談笑している敏恵の親友たちがこっちをチラチラと窺い、意味ありげにうなづき合うのを、
敏恵は見てみぬふりを決め込んだ。
みんな知っていたんだ。
いずれ敏恵が狙われるのを。
生真面目でプライドの高い、潔癖なクラス委員。
そんな彼女が、ちょっぴりイヤラしい初体験を、すこしでも穏やかに迎えることができるように。
みんなは口々に、「迷惑なのよ。迷惑なのよ」と、彼女をあおって”場”をつくり上げた。
ふたりの”出逢い”がうまくいったと伝わったとき。
クラス全体に、安どの空気が流れたという。
いまでは、一、二を争う献血量を誇る敏恵。
「だって、かわいそうじゃない」
そういって自己弁護する敏恵に、だれもが逆らわなかった。

みんなの前で咬むのはやめなさいよ。
恥掻きたくないから・・・

敏恵の精いっぱいの突っ張りを、テルヤはしなやかに受け流す。
だいじょぶだろ、あんたいつもストッキングの穿き替え用意しているんだからな。
前の記事
木曜の夜の公園で。
次の記事
咬まれた痕は、咬まれた者同士にしか、見えないらしい。

コメント

こちらでは初めてのコメントになります。これからもよろしくお願いしますね。

どんなに可愛くても、綺麗でも、気品が高くて生真面目でプライドの高い潔癖なオンナでも、オンナである以上いつかは男に咬み下れる性なんですね。
あぁ、あたしもテルヤに黒ストッキング越に咬まれたいかも。

by ゆい
URL
2016-07-14 木 08:12:09
編集
> ゆいさん
> あたしもテルキに
> 黒のストッキング越しに咬まれてみたい

コメントに触発されて、新作描きました。
(^^)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-3304.html
おひまなときにでもどうぞ。
by 柏木
URL
2016-07-16 土 08:43:41
編集

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