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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ご夫君の勤務中に犯された奥方は、意外に冷静である。

2016年08月04日(Thu) 05:54:49

下校してきた娘たちのハイソックスは真っ白なままで、
いつもみたいに血のりを赤黒く撥ねかしたりはしていなかった。
あのひと律儀なんだなあと、幸恵は思う。
明日はふたりともテストだから襲わないでねってお願いをしたら。
娘たちのことを見逃してくれたようだった。
さすがに母親の私は、その埋め合わせとばかりに、
朝っぱらから襲われて、たっぷりと血を吸われてしまったけれど。

夫の生き血も、気に入ったらしい。
まだ吸い足りないから居場所を教えろというので、勤務先を教えてやった。
夫も仕事中に、娘たちの埋め合わせを果たしてやったに違いない。

初めて襲われたときにはびっくりしたけれど、すぐに慣れた。
夫婦ながら、襲われて。
先に咬まれた夫の目のまえで、それは美味しそうに吸血されて、
鼻息荒く押し倒されたにはもう、すっかりその気になっていた。
どさくさまぎれ?ことのついで?
そんなふうには思ったけれど。
パンストをむしり取られてあらわにされた股間に、
猛り狂った肉棒というもうひとつの太い牙を突き入れられた瞬間、
夫の目のまえだというのに、恥も外聞もなく、おおっぴらに叫んでしまっていた。
ずずんと肉薄された衝撃は、最後に残った理性のひとかけらまで吹き飛ばして、
つづきをおねだりされた幸恵は、自分から促すようにして、
夫の目の届かない隣室へと、引きずり込まれていったのだった。

それからは。
父親よりもはるかに年配の老爺を相手に、春をひさぐ日常――
熟れた人妻の肉体に、老爺は鼻息荒くむしゃぶりついてきた。
かりにその場に夫が居合わせても見境なく、
むしろ見せつけるのを愉しむかのように鼻息荒く、おおいかぶさってきて。
スカートを荒々しくたくし上げ、パンストをむぞうさにむしり取って、
はしたないほど熱した肉棒を、股間に割り込ませて来るのだった。
そんなとき、プライドの高かったはずの夫は、ただおとなしく、
気まずそうに目を背けたり、気を利かせたように座をはずしたり・・・
さいしょはふがいないひとと思っていたけれど。
その場から立ち去ったように見せかけて、
物陰からじっとりと幸恵の痴態を覗く視線にきづくころにはもう、
――夫も夫なりに、愉しんでいるのだ。
そう理解して。
いまでは真昼間から、ご近所にまる聞こえになるくらいおおっぴらに、
・・・よがり狂ってしまっていた。

娘たちの血を吸いたがるので、ふたりの登下校の刻限や道順を教えてやったり、
あの子たちも吸われはじめたのよって、夫の機嫌の良いときを見計らって伝えたり、
いろいろ便宜をはかってきた。
魚心あれば水心なのか。
ほんとうに体調が良くない時とか。
大事な行事を控えているときとか。
血を吸われながら家族のそんな情報を伝えてやると、
律儀に襲うのを控えてくれるようになっていた。

家族みたいなもんじゃからのぉ
老爺はそんなふうに幸恵の耳もとで囁いたが、
案外本気でそう感じてくれているのかもしれない。
たしかに、「家族みたいなもん」には、ちがいはないのだ。
なにしろ、老爺も体内に、自分や娘と同じ血を宿しているうえに、
幸恵自身は、夫にしか許していないできたことさえ、許してしまっているのだから・・・

初めて血を吸われたときには、あまりにも多量の血を漁られて、
目をまわしてその場で昏倒してしまったけれど。
血に飢えた相手のまえで気絶してしまうというのは、
自分の血を残らず飲まれてしまってもよいという意思表示ととられかねない
・・・と、老爺から教わったとき。
相手は命の恩人かもしれないと思ってしまった。
セックス経験のある女性は、その場で凌辱を免れないときいていたし、
老爺が案の定、ブラウスのえり首から手を突っ込んで、胸をまさぐりはじめたときも、
案外と惜しげもなく、夫しか識らない身体を開いてしまっていた。
さいごのほうでは――不覚にも、息をはずませて応えてしまっていたっけな。
たまの浮気もいいなぁ・・・と。
血に濡れたブラウスをまといながらぼう然と、そんなことまで思っていたっけ。

今朝もまた・・・襲われてしまったけれど。
思うさま血を漁り取られたり。
お洋服に派手に血を撥ねかされ、しまいにはぎ取られてしまったり。
ストッキングをブチブチ破かれながら辱めを受けたり。
そんなことがむしょうに――小気味よくさえ思えるようになっていた。


夫が戻ってきた。私は出かけてゆく。
そう、あの薄汚い老爺に抱かれるために、小ぎれいに装って。

お呼ばれしちゃった。献血してくるから、ひと晩帰れないわ。
あの子たち。明日はテストだから、かまわないであげてね。
え?あなたも吸われちゃったの?どうりで蒼い顔なさっているわね。
私も朝いちど吸われちゃったけど。
知ってる?あのひとの精液を飲ませてもらうと、恢復早いのよ。
こんどあなたも、試させてもらうといいわ。

精液――その言葉を耳にすると、夫は獣になっていた。
荒々しく自分の妻を押し倒し、ワンピースを引き裂き、ブラジャーをむしり取ると、
乳首を我が物顔に口に含んで、チュウチュウとやり始めた――まるで吸血鬼みたいに。
あなた、二階には娘たちがいるのよ。
そういって、たしなめようとしたけれど。
階段の上の人の気配は、いちどは踊り場ごしに玄関へと目線を注いできて、
すぐに二人顔を見合わせて、引っ込んでいく。
まったくっ、もうっ。
じれったそうに足摺りをしたふくらはぎからは。
破れ落ちたストッキングがじりじりと弛みを深めてゆく。

わかりやすいひと。
嫉妬に引火した性欲もあらわに迫ってくる夫の吐息が、
まるで新婚のころのように、熱っぽい。
――だんなさんとも仲良うまぐわうのじゃぞ。
老爺はニタニタと笑いながら、そういっていた。
ごめんなさいね。お約束の時間に間に合わないわ。
そうだ。その代わり今夜は夫に車を出してもらって、送り迎えをしてもらおう。
浮気妻を、浮気相手のところに送り届けて。
息をひそめて、お家で大人しく待機してもらって。
そのうえ、半裸に剥かれた着衣の乱れを、ご近所さまの目にさらさぬように。
また車で、迎えに来てもらおう。
迎えに来た夫には、ちょっとだけ待ちぼうけをしてもらって。
そのあいだ、夫の待たされている部屋に聞こえるように、
おおっぴらに声、あげちゃおう。


あとがき
前作を描いてすぐに構想が始まったのですが、どういうわけか完成はいまごろに。
頭のなかでわだかまっているお話がうまくモノにならないと、どうにもスッキリしないものです。
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一体感。
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勤務中の夫君は、ご機嫌斜めである。

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