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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

あなたも来ない?

2016年08月08日(Mon) 04:43:41

あなたも来ない?血を吸われるのって、楽しいのよ。
ランチの後そんなふうに気軽に声をかけられて。
どうせいつかは吸われるのだから・・・と、ついていってしまったあの日。

そこには男たちがおおぜい待ち構えていて。
よく見ると、自分を入れた女性の数と、同じ頭数だった。
助かるわ。来てくれて。ひとりあぶれちゃうところだったのよ。
私は数合わせで連れてこられたのか?
そんなことを抗議するゆとりは、すでになかった。
女たちはだれもが、血に飢えた吸血鬼たちに自分から組み敷かれていって。
あれよあれよ・・・という間に、自分も畳のうえに抑えつけられていた。
首すじに走る初めての疼痛は、チクリと胸まで届く鋭い痛み。
それは甘美な痛痒さに変わっていって、いつか夢中になって、血潮を舐め尽されていた。

その場で犯されてしまうのは、この街の主婦のあいだでは常識――
その場に居合わせた女たちは皆、夫の同僚の妻たちだった。
お互いさまね。きょうのことはご主人たちには、内緒、ナイショ・・・
さいしょに声をかけてくれた、夫の上司の奥さんは。
まるで呪文みたいに、そんなことを囁きかけてきて。
ほかのひとたちも皆、その奥さんに同調するように。
申し合せたように、頷きあっているのだった。

それからは、娼婦のような日常――
夫を会社に送り出すと、
だれかれと言いだすまでもなく、いつものランチのお店に集まり合っていて。
だれかれと言いだすまでもなく、あの場所に脚を向けていた。

だれもが申し合せたように、小ぎれいな格好をしていて。
だれもが申し合せたように、真新しいストッキングを脚に通していた。
鼻息荒く迫ってくる男たちに、身に着けたよそ行きのブラウスやワンピースをはぎ取られて。
ストッキングを穿いたまま、ふくらはぎや太ももや、もっと上までも――熱い唇を吸いつけられていった。

それが慈善事業でもあるかのように、
だれもが唯々諾々と、むしろすすんで男どもの相手をしてやっていて。
めくるめく輪姦の場に、身をゆだねていった。
まるで不倫ドラマのヒロインになったように、夢見心地になりながら。

夫がそれを知るのは、時間の問題。
けれども、吸血鬼と人とが共存して暮らすこの街では、それはたいした問題ではない。
慣れていないのは、都会育ちの私たちだけ。
夫は戸惑いながらも状況を受け容れてゆき、黙認することを約束してくれる。
それを良いことに私たちは、夫の勤務中に逢引きを遂げる。
娼婦よろしく、小ぎれいな服を身に着けて。

夫たちが顔つき合わせて
打ち合わせをしたり、
書類を作ったり、
取引先に会ったりしている時に。
私たちは夫たちと同じ顔触れで、
ブラウスをはだけられたり、
スカートをたくし上げられたり、
ストッキングを破かれたりするのだった。

あなたも来ない?血を吸われるのって、とっても楽しいのよ。
吸われ過ぎて具合を悪くしたご夫婦の代わり、新たに赴任してきた人の奥さんを。
きょうは私がそういって、楽しいサークルに引きずり込んでゆく。
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