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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

悪友の部屋。

2016年08月29日(Mon) 00:09:55

悪友の部屋はいつも、黴(かび)臭いような、精液の匂いに充ちている。
四十過ぎても、まだ独身。そのくせ女にはこと欠かない。
妻子持ちのこちらとしては、うらやましくなるような身分だが。
きょうの悪友は、ただならぬことを口にした

――きょうここに来るの、お宅の奥さんだから。

って。

えっ?えっ?
信じられない。いつからそんなことに??
矢継ぎ早のわたしの問いを、くすぐったそうに受け流しながら。
やつはひと言だけ、応えてくれた。

――でも安心しな。ちゃんと避妊はしてるから。ほら。

たしかに枕元のティッシュの隣に置いてあるのは、数個の避妊具。
一個ではなくて、数個。
あんた、いい奥さんもらったな。
奥さんのときだけは、ほかの女のときよりも多く用意してるんだぜ?
羨ましそうにわたしを見る悪友の視線を、まともに見つめ返すことはできなかった・・・

時ならぬ車のエンジン音に、やつは色めきたつ。
――ほら、ほら。奥方のお出ましだ。さっさと隠れた隠れた。
窓越しに外を見ると、たしかに妻の車。
そして運転席には、ごく見慣れた横顔が、そこにあった。
やつはわたしをせきたてて立たせると、
隣の部屋には覗き穴があって、ここから覗けるようになってるからと、
口早に告げながら、隣室へと促した。

起ちあがりざま、わたしはベッドのうえに手をやって、避妊具一式を取り払う。
――できちゃったらさ、ウチで育てるから。

たいへんなことを口にしてしまったくせに、なぜか声が上ずるのを抑えることができなかった。
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コメント

悪友と言っても、親友としての悪友なのか、最悪の悪友なのか、「悪友」いろいろな意味が込められていそうな気がします。この場合、この悪友は自分にとってどんな存在になるのか。

そそのかされたフリなどをして、上手くやっているのは実は自分だったりして。
隣室から覗いて見える情景は、さぞかし興奮するのではないでしょうか^^
by ゆい
URL
2016-09-07 水 03:20:52
編集
> ゆいさん
すでにじゅうぶんお察しのようですが。^^
この場合の「悪友」とは、
「ワルイコトするヤツなんだけど、同時に憎めないヤツ」
くらいの意味で、本当はごくごく親しい関係なのです。
最愛の奥さんを共有されてしまっても、許せてしまうくらいですからね。
^^

> そそのかされたフリなどをして、
> 上手くやっているのは実は自分
なんとまぁ、本質を突くようなお言葉を。
なかなか理解しにくいはずの世界のルールを読み解いていただき、
ありがとうございます。

こういう円満な三角関係のなかで最も得をしているのは、
実は奥さんの痴態に昂奮できるご主人のような気がしています。
by 柏木
URL
2016-09-08 木 06:35:24
編集

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