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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

奥さんを襲うので、ご協力を。^^

2016年09月20日(Tue) 07:38:40

青山さんの奥さんを襲って血を吸う。協力してくれ。
そんな囁きを耳にして、わたしが素直に肯いてしまったのは。
もう、なん回も、彼に血を吸われてしまっていたから。

青山さんは、勤め先の同僚で、奥さんはしっかり者で有名だった。
この街は、吸血鬼と共存が許された場所。
そんな街の事務所に転勤してくるのは、だれもが事情を抱えた者たちだった。もちろん、わたしを含めて。
青山さんがどういう事情で此処に流れてきたのか。それはわたしも知らない。

夜まで長引いたPTAの会合の帰り道を襲う。
そんな手はずにドキドキしながら、現場に向かう。
待ち合わせ場所は、人通りの少ない路上。
学校の校舎の真裏と廃屋に挟まれた、狭い道での出来事だった。

無言で立っているだけで良い。奥さんの周りを取り囲んで、抜け出せないようにするだけだ。
奥さんのこと、知っているんだろう?それ以上の手出しはしにくいだろうからな。
ほかになん人か、協力者を頼んである。あんたの顔見知りもいると思うな――吸血鬼は、そういった。
たしかに・・・それとなく周囲に佇むのは、男ばかり。そのうち約半数が勤め先の同僚だった。
あとの半分は・・・きっと地元の人なのだろう。彼らはほとんどが、わたしよりも十も二十も上にみえる年配者だった。

来た、来た。
だれからともなく、そんな低いつぶやきが洩れる。
青山夫人は濃い紫のスーツ姿で、現場に現れた。
肌色のストッキングに包まれたふくよかな脚が、
白いエナメルのパンプスをテカテカとさせて、街灯に照らされる。

ひくっ。
奥さんは声にならないうめきをあげて、立ちすくむ。
正面には、黒づくめの衣装の吸血鬼。
改まったときにはいつも、やつはこういう恰好をする。
後ずさりしようとする退路を、数名の男たちが遮った。
――わしが何者か、きいているね?
奥さんは蛇に魅入られたカエルのよう。ただひたすらに、頷くばかり。
――わしがあんたに、なにをしたがっているか、わかってくれるね?
奥さんはまたも・・・頷いてしまった。
つぎの瞬間。
ひくぅ・・・
うたたびうめいた奥さんは、もう吸血鬼の腕のなかにいた。
黒のブラウスのえり首から覗く首すじを、たちまちガブリとやられてしまっていた。

ちゅうっ・・・ちゅうっ・・・
圧し殺すような吸血の音を、その場に居合わせただれもが、固唾をのんで聞き入っていた。
めいっぱい、自分の血をご馳走してしまうと。
奥さんは力なく、路上にひざを突いてしまった。
男は奥さんを抱き支えるようにして転倒の衝撃から守り、
その代わりさいごに、荒々しく路上に転がしていた。
スーツのすそから覗くふくらはぎに、男は卑猥な唇を、吸いつけてゆく。
上品に透ける肌色のストッキングが、奥さんのふくらはぎの周りで、くしゃっと引きつれを走らせていた。

あぁあぁぁぁ・・・
悲嘆にくれる奥さんをしり目に、男は足許からの吸血を重ねてゆく。
男の唇の下、ストッキングに浮いた伝線は、スカートの奥までじりじりとせりあがってゆく。
ほかの男たちは、立ちすくんだまま無言。
儀式のような厳粛な空気が、現場に流れた。
むらむらとした得体のしれない熱気だけが、あたりを支配する。

あとは、お決まりの流れだった。
奥さんは観念したように頷くと、濃い紫のジャケットを脱ぎ捨てた。
それが合図だった。
男は奥さんの肩を後ろから羽交い絞めにすると、漆黒のブラウスに手をかけて――
ベリッ・・・と、音をたてて引き裂いた。
黒のスリップもむざんに引き破られて・・・白い素肌が街灯の下にさらけ出される。
奥さんは両手で顔を覆い、あらわになった豊かな乳房を、まさぐりに委ねている。
周囲の空気に帯びた熱気が、にわかに熱度をあげていった。

男はスカートの奥に手を突っ込んで、ショーツをメリメリとむしり取ると、
奥さんの脚の爪先から抜き取って、皆に見せびらかすようにぱあっと放り投げた。
それから彼女を路上に引き倒し、がつがつと貪った。
女ひでりの浮浪者が、通りかかった貴婦人を草むらに引きずり込むときのような、荒々しさで――

片方脱げたパンプス。
ひざ小僧の下までずり落ちたストッキング。
腰に着けたままお尻が見えるほどたくし上げられた、濃い紫のタイトスカート。
首に巻いたままのネックレス。
振り乱された栗色の髪。
それらすべてが、むき出しの性欲のまえに、踏みにじられてゆく。

ふと傍らをふり返ると。
そこにいたのは、青山さんだった。
目のまえで奥さんを凌辱されてさすがに蒼ざめてはいるものの。
彼もまた、熱気を共有する一人だった。
目はギラギラと輝いていて、いちぶしじゅうを見つめていた。
永年連れ添った妻が、ひとり、またひとりと相手を変えてまぐわいつづけ、
甲斐甲斐しく守り抜いてきた貞操を、不特定多数のおおぜいに気前よく振る舞ってしまうのを。
青山家の名誉を泥まみれにさせてしまうのを。
じっとじっと、見つめていた。
昂ぶりのこもった視線は、明らかに周囲の男たちとおなじ、共犯者のものだった。

奥さんがご主人に支えられて起ちあがると。
じわりとした陰湿な空気は一変して、打って変わって和やかなものになっている。
じゃあ今夜はこれで、解散です。皆さん、お疲れさまでした。
町内会長が明朗な声色でそう告げると、
一同声を合わせて、「お疲れさまでした」と、お辞儀を交し合った。
被害者の青山夫妻ですら、皆と同じように、「お疲れさまでした」と、深々と頭を下げていた。

パンプスが片方脱げたままの奥さんは、あらわになった二の腕や脛に擦り傷をあちこち作っていたが、
気丈にもちゃんと自力で立っていた。
片方だけ残ったストッキングがひざ小僧の下までずり落ちているようすに、いやでも目が泳いでしまう。
もう片方の脚はむき出しの白さを、街灯に照らし出されていて、むざんなくらいに眩しかった。

誰もが互いにあいさつを交わしながら、散っていく。
青山夫妻に「おめでとうございます」と、鄭重に頭を下げてゆく地元の人もいた。
地元の人は全員、青山夫人を犯していた。
わたしたち勤め先同僚組も、吸血鬼に奥さんとの交接を勧められたが、
だれもがさすがに、「それはちょっと・・・」と、遠慮していた。
同僚である夫がいる前だということも、意識していた。
残ったのは、社内の同僚だけだった。

ふと見ると、校庭に通じる通用門が開けっ放しになっている。
「よかったらこのあと、どうですか?」
そう言い出したのは、なんと青山さんご本人だった。
まるで二次会に誘導するような自然さに、一同は黙って学校の敷地に入り、歩みを進める。

一同が選んだのは、校庭の隅の雑木林だった。
「ここらでいいね?」
青山さんは、奥さんをふり返る。
「いいんですか?」
奥さんは許しを請うような上目づかいをご主人に送るが、
「せっかくなんだから」
青山さんはそういって妻を諭した。
なにが「せっかく」なのだろう?けれどもたしかに、「堰を切ってしまう」としたら、いまこの時しかないのだろう。
「きみも愉しんじゃって、構わないからね」
そういう青山さんに、
「あなたも愉しそうね」
そういって、奥さんは拗ねてみせた。
だれかがだしぬけに、奥さんを後ろから抱きすくめる。
キャッ!とちいさな叫び声をあげた奥さんは、べつのだれかに両足をすくい取られた。
そのまま雑木林の奥へとかつぎ込まれた奥さんは――
居合わせた夫の同僚全員をあいてに、懇親を深めていった。

PTAの会合が終わったのは8時だったが、ことが果てたのは午前2時をまわっていた。
「マサオはだいじょうぶ?」
母親の顔に戻った奥さんは息子のことを案じたが、
「おばあちゃんが寝かしつけてくれるって」
そういうご主人に「だったらいいけど」と、言っていた。

青山夫人がその後、地元の禿げ親父さん2~3人と交際を開始したと、風のうわさにきいたのは、それからすぐのことだった。
同時に勤め先の同僚もひとりふたり、青山家に出入りするようになったという。
「こういうことは、相性だからね」
青山さんは、のんびりという。
彼自身も、同じように堕とされた同僚の妻や地元のおかみさんのところに、通うこともあるという。
「ねぐらがないときもあるからね」
青山さんはやっぱり、のんびりという。
同じのんびりとした口調で、青山さんはさらにつづけた。

今度さ、きみの奥さんを襲って血を吸うことになったから。協力してくれるよね?

こういう行事を、地元では「お祭り」と呼んでいるという。
次は、奥さんの番だから・・・きみ、もちろん協力するだろう?
なに、今度のPTAの会合のとき、奥さんが家を出たら携帯で連絡をください。
「家内が今家を出ました」というだけで、OKだから。
あとはうちの家内のときみたいに、あなたも潔く出てくるんだよ。
時間に遅れないようにね。

青山夫人を襲う誘いを受けたときにそうしたように、
わたしはまたも、素直に肯いてしまっていた・・・
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学校を占拠する。

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