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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

妻のいない家

2016年10月03日(Mon) 05:05:32

はじめに
同性色の強いお話です。お嫌いな人はスルーしてね。^^


よぅ。
玄関先に立った多々野は、ちょっと当惑気にわたしを見る。
やぁ。
ドアを開けた向こう側にいた多々野をみて、わたしもちょっと当惑気に彼を見る。

多々野は会社の同僚で、去年までとある山村の事務所で、いっしょに仕事をしていた関係。
でも、わざわざ都会の家にまで訪ねてくるほどの仲ではない。
あの山村に赴任して、別れ別れになったどうしで、こうやって都会で再び顔を合わせる機会は、ありそうで意外になかった。
彼の当惑気な顔つきを見て、わたしはすぐにピンと来た。
こいつが逢いたかったのは、わたしではなかったのだ――と。


妖気あふれる山村だった。
一見して風貌明媚なこの村には、まがまがしい因習が生きていた。
妻を交換し合い、母子は父娘、兄妹ですら交わり合う世界。
そんななか、なにも知らないで赴任してくる都会妻は、村の男衆のいい餌食だった。
勤め先の会社の創立者は、この村の出身だという。
彼は社員の妻たちを地元に渦巻く性欲の渦に巻き込むことで、「故郷に錦を」飾ろうとしたのだという。

妻の肉体を提供した夫たちは、村の女と交わることを許された。
そんな「村の女たち」のなかに、自分たちの同僚も含まれる――それは都会育ちのわれわれにとってさえ、抗えない誘惑。
赴任した順に堕ちていった男たちは、なにも知らずに妻を伴い都会からやって来る後任者たちを、よだれもたらさんばかりに待ち受けていた。
そんななか、都会にいられなくなったわたしは、妻を伴って赴任していったのだ。
任地に夫人を帯同することは、絶対条件だった。
帯同した妻は、ひなびた山村には不似合いな都会の正装を、常に着用すること。自宅にいるときでも着飾ること。
そんな厳密?な社内規則に半ばあきれていたのは、さいしょの半月のことだった。
以来――妻もわたしも、破倫の渦に巻き込まれていった。
多々野はそのときから妻に執心で、なん度も挑みかかるのを見せつけられたし、盗み見ていた。
この村の風習になじんでしまった男たちが目覚めた、特異な昂ぶりと歓びに、胸とどろかせながら。
多々野とは、そういう関係だった。


女房に逢いに来たの?今週はあっちだよ。
ああそうなんだ。「あっち」なんだ。
多々野は悪びれもせず、頭を掻いて照れ笑いした。
いや、うちのやつもね、いまごろ「あっち」なもんだから・・・ちょっと寂しくなっちゃってね。
そんな多々野を前に、わたしのなかに悪戯心が湧いてきた。
俺で良かったら、女房の服着てやろうか?

逞しいスポーツマンの多々野をまえにすると、わたしの華奢な身体つきはふた周りほども小柄に見える。
あの村にいる時分。
幸か不幸か、妻と同じサイズの服を着れるわたしは、なん度となく妻の服を着て、男衆たちの相手を務めた「実績」があった。
うふふ。
多々野が微妙な含み笑いをする。
面白いかも――


長い夜だった。
多々野のために着てやったのは、洋装の喪服。
畳のうえに正座をして、きちんと三つ指突いてお辞儀をすると、
あいさつ抜きに、息荒くのしかかってきて。
太もも丈の黒ストッキングの奥では、むき出しの肉徑が、逆立ってしまっていた。

なん度もなん度も、突き込まれながら。
あぁ、こんなことだからあいつは、多々野に夢中だったんだ。
自分の身体で、そう自覚してしまっていた。
わたしはいつしか女になりきって、自分のなかの”女“もあらわに、あえかなうめき声をあげ、セイセイと切なく喘ぎつづけた。
半ば女になり切りながら、妻を演じつづけるわたしに、多々野は熱い接吻を身体じゅうに浴びせつづけた。
多々野をまえにわたしを裏切りつづける妻になり切って、
「主人よりいいわ、おっきいわっ」って、囁いて。
のしかかる男の身体をその気にさせつづけ、その気になった男のビンビンにそそり立つその勁(つよ)さに歓びを感じつづけた。

翌朝、玄関から出ていく時に。
わたしは新婚ほやほやの新妻のような気分で、多々野のキスに応えていた。
多々野は別れぎわ、照れ笑いを隠した後ろ姿で、ぼそっと呟く。
――こんどは、奥さんのいないときに来ようかな。
きっと妻ならこういったであろう応えが、わたしの口を突いて出た。
いつでもいらしてね。待ってますから――と。
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コメント

sissyが洋装の喪服を着て、たくましい男に抱かれるって最高のシチュエーションですね。

>女になりきって、自分のなかの”女“もあらわに、あえかなうめき声をあげ、セイセイと切なく喘ぎつづけた。
巨根を前に迫られ圧し掛かられたら、女になるしかないでしょう。

女々しいのをsissyと言うそうですが、ゆいもその部類ですね。
by ゆい
URL
2016-10-04 火 03:19:23
編集
このお話ではうまく描き切れなかったのですが、
もうひとつのツボがあるんです。
それは、「妻の喪服」というところ。

妻と同体になって犯されている!
そんな実感が、この主人公の旨をいっそう甘美に締めつけているはず。

よくさがすと、そのノリで描いているお話に出会うかも。
(^^)
そうそう。
ママのストッキングを穿いて吸血鬼の相手をする少年くんの話は、描いたおぼえがありますな。
(^^)
by 柏木
URL
2016-10-04 火 08:06:15
編集

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