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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

お泊りにはまだ、早いかも?

2016年11月16日(Wed) 07:42:39

吸血鬼にホテルに誘われた紗栄子は、とっさにそう思った。
初めて襲われてひと月経っていたし、
そのあいだになん度吸血されたか、本人にも記憶が定かではない。
そんな関係になってしまったけれど、いまだに純潔は守り通していた。
紗栄子はふつうの会社のOLで、ちゃんと婚約者だっている。
吸血鬼を紗栄子に引き合わせたのも、じつはその婚約者、坂上達樹だったのだ。
うち、そういう習慣になっているから――
クールな目もとに翳を漂わせながら、ごくしぜんな態度でそういった彼。
身内同然のひとだから、献血してあげてほしい――そう言われるままに、彼の家に出かけていって、その場で吸血された。
さいしょに彼が、「お手本」を見せてくれた。
意外にしなやかな彼の首に絡みつくのを目のまえに、とっさに感じた。
このふたり、できている。
それが、世間でいう同性愛の関係なのか、もっと違うなにかなのかまではわからなかったけれど。
ふたりのあいだには他者が入り込めない関係があるのをかいま見てしまうと、
紗栄子は大胆になってしまっていた。
初めての子にあんなにからむのは、ボクも初めて見た。
そういう達樹の横顔が、いつになく赤みを帯びているのを、紗栄子は見逃さなかった。

二人きりで、ホテルに泊まらないか。
吸血鬼がそう囁いたのは、達樹のまえだった。
達樹に聞かれないよう声を低めたのを、紗栄子は敏感に感じ取る。
え・・・?でも・・・
金曜の夜、ホテル〇〇で待っている。男は一方的にそう囁いて、立ち去っていった。

いま、紗栄子は男とふたりだけで、ホテルの一室にいる。
犯されてしまってもおかしくない状況に自分から飛び込んでしまった自分の大胆さが、どことなく心地よい。
男はすぐにのしかかってきて、紗栄子の首すじを咬んだ。
あ――
脳天が痺れるような快感に、紗栄子は自分の置かれた立場の危うさを忘れた。
そのままごくごくと、生き血をむさぼらせてしまっていた。
いつになくしつように、大量に吸い取られる血液の量に、紗栄子は自身が吸血鬼になったような快感を覚えた。
ふと気がつくと。
閉ざされた隣室から、熱い視線が注がれていた。
だれだか、わかる。きっと、そう。
視線の主が達樹なのだと、紗栄子は直感した。

お前に内緒で呼び出したら、彼女来るかな。
どうかな。それはボクにも、わからない。でも、身持ちの堅い子だよ。
もちろん、そうとわかっているから誘惑するんだ。
誘惑するのは自由だけど・・・ボクにもみる権利があると思う。
権利というか、義務だね。
そうか。義務か。・・・じゃあ、行かなくっちゃならないね。
ああ、賭けに成功したら、たっぷりと見せつけてやるよ。
じゃあ、覚悟して出かけよう。
覚えておいて。きみの婚約者だから、誘惑して愉しめるんだ。俺が賭けに勝ったら、責任取ってちゃんと結婚するんだぜ?
達樹はくすぐったそうに、ウフフ・・・と、笑った。

はぁはぁという荒い息遣いが、うつ伏せになった足許に、無遠慮に吹きかけられてくる。
親友の未来の妻に対しては、あってはならないあしらいだった。
けれども紗栄子は、足許を気高く透きとおらせたストッキングを纏ったまま、劣情に満ちた唇を、吸いつかせてしまう。
達樹の熱い視線が見守るなか、勤め帰りのストッキングはみるかげもなく、咬み破られていった。

素敵――
吸血鬼の猿臂に囚われながら、紗栄子は声をあげていた。
達樹さん、達樹さん、ごめんなさい・・・あたし、ひと足先に大人になるわね・・・
自分の呟きに達樹がどれほど昂っているのか、ドアを通してありありと伝わってくる。
紗栄子は一瞬目を瞑り、情夫と婚約者とを、もういちど心の天秤にかけてゆく。
そして、かすかにうなずくと。
ハイソックスみたいにひざ下までストッキングをずり降ろされた脚を、自分からゆっくりと開いていった――
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