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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

男女ともにライン入りのハイソックスを履いていたころのこと。

2016年11月24日(Thu) 06:11:25

かつて男女を問わず、ライン入りのハイソックスが流行ったころ。
ぼくたちの街に、初めて吸血鬼が侵入した。
ぼくの彼女にも、魔の手が迫った。
吸血鬼に迫られた彼女は言った。
血を吸われるのは仕方がない。でもどうしても吸われたくない時には、見逃してほしい。
ライン入りのハイソックスを履いているときは、遠慮なく襲ってね。
それ以来、女子たちは吸血鬼に襲われても良いときに、ライン入りのハイソックスを履くようになった。
やつらは女子の履いているハイソックスに欲情して、
彼女たちのふくらはぎに咬みついてはハイソックスに血を撥ねかしていった。

同じ運動部にいる男子たちが、そうした吸血鬼の好みに敏感に反応した。
ライン入りのハイソックスだったら、オレ達だって履いている。
みすみす彼女の血を吸われるくらいなら、オレ達が身代わりになろう。
もちろん、身代わりが務まり切れるわけはなかったけれど。
ぼくたちはそろって、ライン入りのハイソックスを履いて、吸血鬼たちの前に立った。
女子と同じように、ハイソックスを履いた脚を咬ませて、若い血を吸い取らせて。
ぼく達は女子と同じ愉しみや歓びを共有する。
そして、女子たちが吸血鬼に抱きすくめられ、血を吸われる光景を見ることにさえ、
いつか湧き上がる歓びをガマンできなくなっていった。

ライン入りのハイソックスを、めったに見かけなくなった現在(いま)。
あの学校の生徒たちは、男女そろってグレーや濃紺のハイソックスを履いて学校に通う。
制服のモデルチェンジもまた、いまも学校に巣食う吸血鬼たちの好みに、意図的に合わせられているのだ。
ぼく達の息子や娘たちも、例外ではない。
だれもがグレーか濃紺のハイソックスを履いて登校し、
血を欲しがる吸血鬼が校内に現れると、それが授業中でも求めに応じるのがルールになっている。

やっぱりオレ達正解だったな。
あのときのキャプテンは今なお、そういって自慢する。
だれよりも先に彼女を作ったあいつは、
だれよりも先に彼女を吸血鬼に襲わせて、
だれよりも先に彼女は大人の女になった。もちろん、初めて血を吸わせた吸血鬼の手によって。
たしかにそれは、致命的なオウンゴールだったかもしれないけれど・・・
少なくともいえるのは、そうすることで本当に困っていた吸血鬼たちを救う結果になったということ。
救われた彼らは学校に平和裏に巣食うようになり、そのためにだれも死なずに共存を果たすことができた。
ぼく達が卒業したあの運動部は、いまでも試合の時、同じライン入りのハイソックスを履いて活動している。
そして時々、グランドで吸血鬼に追い回されるだけの部活を、愉しんでいるという。
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