淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・
女装OLとして献血。
2016年12月06日(Tue) 07:47:01
出勤前には毎朝シャワーを浴びて、肌に念入りにみがきをかける。
まるで恋人に逢いに行く女のように、念入りに。
ボタンの向きがいつもと逆のブラウスを着込んで、穿きなれないスカートを腰に巻きつけて。
薄々のストッキングのしなやかな肌触りを脚ぜんたいに帯びていく。
短い髪の頭にロングヘアのウィッグをかぶり、妻の手で施される念入りな化粧に目を瞑り、
さいごに真っ赤なルージュを引く。
どうみたって男かも知れないけれど。
後ろ姿は少なくとも、立派なOL。
こんなふうにして、勤め先では男子社員が交代で、OLとして勤務している。
そんな日は、重役室に呼びこまれて、一日じゅう、来客として訪れる吸血鬼を相手に、身をゆだねていく。
首すじを咬まれ、スリップ越しに身体をなぞられ、股間に一物を受け容れさせられたりさえしてしまいながら。
一日を、吸血鬼に襲われるOLとして、演じ抜く。
その夜は。
自分の血を吸った男を家に招び入れて。
夜の客人の相手をつとめるのは、妻の役目。
まるで結婚式にお呼ばれをしたときみたいに着飾った妻は目の前で、
ドラキュラ映画のヒロインを演じる。
ストッキングを片脚だけ脱がされて、
もう片方もひざ下までずり降ろされたストッキングの脚をばたつかせながら。
貧血でもうろうとなった夫のまえ、妻は不倫の情事に耽ってゆく。
ほんとうのお目当ては人妻の生き血なのだと知りながら。
それでも男たちは、目ざめてしまった女装の罠から、逃れることができない。
きょうもまた。
わたしは妻に見送られながら、ロングヘアのウィッグを外気になびかせて、通勤路をたどっていく――
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