FC2ブログ

妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ベースキャンプ

2017年01月04日(Wed) 07:29:11

何年ぶりかで、血を吸われた。
都会に出てきてからは、無縁の悦楽だった。
封印していたはずの快感が身体のすみずみにまで行きわたって、
終わるころにはもう、自分から身体を離すことができないまでになっていた。
相手は幼なじみのリョウタ。
もちろん同性である。
身を起こす間際にもう一度、首すじに這わされた強烈な口づけに、思わずときめいてしまっていた。

これからしばらく、きみのところをぼく達のベースキャンプにさせてもらうよ。
一方的な言いぐさに、すぐに頷いてしまっている。
「妻は巻き込みたくないな。何も知らないんだ」
「そうか」
リョウタは案外と素直にそういうと、
「無理強いはしないから」
と、あまりあてにならない約束をしてくれた。
約束はむろん、その晩のうちに破られた。

泊めるだけで構わないといわれ、三人分の布団を急きょ母の家から調達した妻は、
それでも来客への心遣いなのか、綺麗にお化粧をし、よそ行きのスーツまで着込んでいた。
もちろん、幼なじみたちの、絶好の餌になってしまった。
死に化粧とならなかっただけ、マシと思わなければならなかった。
過去にはそうした時代もあったのだと、親たちから聞かされてはいたけれど。
吸血鬼と共存するようになって久しいこのごろでは、血を吸われて死ぬということは、絶えて聞いたことがなかった。

「ちょっとたばこを買ってくる」
そういって外出した十数分のあいだに、妻はあっけなく、狩られてしまっていた。
血を吸い取られ輪姦を受け、洗脳されてしまった妻は。
客人たちの世話を頼むというわたしに、ホッとしたように最敬礼する。

都会の女を狩りに来た吸血鬼たちは、あの街の出身者の家をベースキャンプに指定する。
居合わせた妻や娘は否応なく、血液を提供することを強いられて、
夫や父親たちは、彼らの滞在中妻や娘をその支配下にゆだねることに同意させられる。

「無理強いはしないから」
という彼の約束が正しかったことを、ぼく達夫婦は、自分たちから証明してやることにした。
好奇心にとりつかれて、血を吸われてみたいとせがむ妻の願いをかなえるため、
夫に依頼された彼らは、妻をウットリさせてくれたのだった。
ぼくはぼくで、久しぶりにやって来た彼らにせめてものもてなしをするために、
たばこを買うのにかこつけて、妻を襲うための時間を作ってやったことにした。
もしかすると、ほんとうにそうだったのかもしれないと、あとで思った。
血に飢えた彼らのため、ぼくはうら若い人妻の生き血を毎晩、捧げることに同意した。

出勤するわたしを見送る妻は、よそ行きのワンピース姿。
このあとすぐに、彼らへの餌として惜しげもなく破かせてしまうのだろう。
それだのにウキウキしている妻は、いままでとは別人だった。

吸血鬼のベースキャンプ。
その家に住まう主婦は、獲物のないときの客人に、自らを獲物として差し出してゆく――
前の記事
路上で襲われたOL
次の記事
美味しすぎる残念賞

コメント

コメントの投稿

(N)
(B)
(M)
(U)
(T)
(P)
(C)
管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
http://aoi18.blog37.fc2.com/tb.php/3377-5e179ecb