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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

一対多数の関係。

2017年04月17日(Mon) 08:10:51

吸血鬼に献血を始めるようになったのは。
妻が作った愛人が、たまたま吸血鬼だったからです。
ふたりの関係を終わらせようとして訪れた相手の男の家でわたしも咬まれ、血を吸い取られて理性をなくし、
その場でくり広げられた愛の劇場を、さいごまで見物させられる羽目になっていました。

妻の相手は手練れの男で、愛人は妻だけではありませんでした。
さいしょのうち、妻はそのことが不満だったようですが、
彼の旺盛な食欲を考えると、ひとりで相手をするのは無理だとわかったのでしょう。
そこはあきらめることにしたようでした。
でも、妻はわたしに訴えました。
一人対多数なんて、なんか嫌。私も多数の中に入りたい――と。
そう、彼女自身も、多数の愛人と関係を持つことを望んだのです。
首すじに妻と同じ咬み痕をつけられてしまったわたしは、唯々諾々、妻の希望をかなえてやるしかありませんでした。

相手と言っても、吸血鬼というわけにはいきません。
しかし吸血鬼は、かっこうの相手を、妻のために用意してくれました。
そう――それは、自分が寝取った人妻の夫たちだったのです。
以来妻は、法事の手伝いに行くと称して、黒ずくめの礼服姿で、街はずれの荒れ寺に出入りするようになっています。
そこで、自身の貞操の喪を弔う行為に熱中しているのです。
わたし自身も――さいしょのうちこそためらいはあったものの――妻に帯同してお寺詣りをし、いっしょに妻の貞操を弔うことにしています。
そこに集う男たちは、妻を汚す忌まわしい存在であると同時に、わたし自身の裏返しのような存在でもあるのですから。
その場所は、多数の男を相手にする人妻が集う場所でもあると同時に、
妻を吸血鬼に寝取られた夫たちが、愛人自慢をする場でもあったのです。
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