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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

【映画】呪いの館 血を吸う眼

2017年05月05日(Fri) 14:42:00

たまたま観る機会があったので、映画の感想を描いてみます。
レビューなんてたいしたものではございません。
映画は嫌いではないけれど、知識はほとんどありません。
よって、観たまんまのかんそうになると思います。
あ かんそうなので、ネタバレ注意はお約束ですね。(笑)

知る人ぞ知る映画なので、映画の来歴については私が描くよりも、もっと詳しい別サイトさんを御覧になっていただいたほうが良いと思いますが、1971年にできた映画です。
「血を吸うシリーズ」というのが三作あって、これはその第二作め。
ほんとうは一作目から観るべきなのでしょうが、たまたまのご縁で第二作を先に観ることになりました。

ヒロインにはイカす恋人と、可愛い妹がいます。
姉はおっとりしていて引っ込み思案。妹は活発で、挑発的な「現代美人」です。
姉は20代前半でも、働いているようにはみえません。
妹は姉より3歳年下なので、学生であってもおかしくない世代ですが、これまたなにをしている人かわかりません。
両親はどうやら、他界しているみたいです。
裕福な家に育ったお嬢さん姉妹が、なに不自由なく暮らしている というところでしょうか。

ヒロインには恐怖の過去があって、幼い頃に吸血鬼と恐怖の邂逅をしたようです。
ただし、記憶は薄ぼんやりとしていて、よく思い出せない。
どうやら親たちが忘れさせようとしたらしいです。
真実は、珍しく飼い主を振り切った愛犬を追いかけて海辺の洋館に迷い込み、
そこでピアノの前に腰かけたまま死んでいる美女と、その女性の血を吸った吸血鬼を視てしまった というわけです。
その吸血鬼が16年の時を経て、またヒロインの前に姿を現し・・・というのがストーリーの骨格です。

【怖い姉妹】
ヒロインと準ヒロイン(しばしば姉と妹)がいて、二人とも狙われて、
準ヒロインは血を吸われて死亡。
でもヒロインは危ういところを助かる――という筋書きは、結構多いです。
古くはブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」がそうです。
「血を吸う眼」とくしくも同時期に放送された「仮面ライダーV3」にも、吸血鬼ではありませんが、同工異曲の設定のものがあります。
(第42話 「カタツムリ人間の人体実験!」)
どちらの場合も、くしくも、というべきか、ヒロインはおっとりしていて、準ヒロインは勝気な性格。
「吸血鬼ドラキュラ」では準ヒロインが食われてしまい、「カタツムリ人間」では姉のほうがやられてしまいます。
観る側としては、「どちらがやられてしまうのだろう」と、ドキドキしながら観ることになります。
そうそう。未見ですが、
「ドラキュラ 血の味」というとても気になる映画(これも古いです)があるのですが、やはりヒロインは姉妹のようです。
やっぱり、ドキドキしながら観ることになりそうです。

先に行きましょう。
裕福な姉妹、と描きました。
でも、「血を吸う眼」の設定はかなりしっかりとしていて、
姉は怯えやすく両親の愛を一身に受けた立場。
妹はそんな姉にとても嫉妬している。そんな関係がある場面で浮き彫りになります。
妹は(もしかすると積極的に)吸血鬼に身をゆだね、姉を狙う(ないしは、襲われるように仕向ける)ようになるのです。
吸血鬼そのものももちろん怖いのですが、むしろこうした妹の歪んだ感情が、じつは一番怖いかも。
ブラム・ストーカーもそうですが、ヒロインに負の感情を抱えた準ヒロインは、血を吸われて滅びるのがルールのようです。

血を吸い尽された妹は、病院に向かう車の中で絶命。
さいごには自分の所行を後悔したらしく、姉には「私が死んだら身体をすぐに焼いて」と言い残します。
ヒロインの恋人は常識的な医者なので、「だびに付す前に解剖を」ということを始める。
霊安室で蘇生した妹は、たまたまツーショットになった看護婦に襲いかかり、脱走します。

【犠牲者の群像】
吸血鬼が血を吸ったのは、ヒロインの妹だけではありません。
最初に襲ったのが、自分自身の恋人。(後述)
それから、実の父親。
それから、ヒロイン姉妹に身近な年配男性。(吸血鬼の下僕となってヒロインの恋人を殺そうとするが、落雷のため感電死)
それから、その年配男性を手中にするために使わされた運送業の男。(終盤で死体となって発見。たぶん失血死)
それから、妹がおかしくなる前に恋人の勤務する病院に運び込まれた、正体不明の若い美女。(病室をさ迷い出て転落死)
みんな、死んじゃってるんですね。。。
特に父親は、長期にわたって息子に血を吸われ続けて死んだようです。
一回吸われただけで死ぬわけではなさそうですが、父親以外は精神的に支配されてしまっています。
父親だけが例外なのは、意思が強かったからか、吸血鬼の血統の一員だったからか。
どちらにしても、周囲と共存することが難しそうな吸血鬼です。

ちょっと見ただけではかなり意味不明なのが、病院に担ぎ込まれた美女。
病室からさ迷い出るシーンで明らかになりますが、超ミニ丈のネグリジェ姿という、今観てもセクシーなカッコ。
いかにもミステリアスな存在としてえがかれますが、病院から逃げようとして誤って転落死してしまうという、あっけない最期を遂げます。
存在感があり過ぎるのに最期があっけなさ過ぎて、「なにこの人?」という感じなのですが、
ちょっと気になったのがセリフの中だけで登場する遺族の言いぐさです。
「これ以上恥をさらしたくない」として、解剖を拒否して遺体を引き取り、すぐに火葬にしたというのです。
「恥をさらしたくない」というのは、吸血鬼の餌食になったことだと察しがつきますが、
処置が早すぎないか??
きっとこの遺族は、娘が吸血鬼に襲われたことも、一刻も早く焼かないと吸血鬼として覚醒することも知っていたのかもしれません。
だとすると・・・姿を現さないだけに・・・謎の一族ですね・・・

【ラストシーン】
この吸血鬼は代々呪われた血を持つ家系の出で、代々必ずしも吸血鬼になるというものではなかったようです。
げんに、父親は吸血鬼にならなかった。
本人は突然発症して、恋人を襲い血を吸って、吸血鬼として覚醒したようです。(それが、ピアノの女性)
この父親は最後のシーンで登場するのですが、とても不可思議な存在です。
ヒロインと恋人が洋館の中で発見したときにはすでに、イスに腰かけたまま死んでいる状態。
グラッと崩れ落ちるとき、掌が脱落してそのまま机の表面にへばりつくシーンは、かなーり怖いです。

そこに吸血鬼登場!
お約束どおり、ヒロインに襲いかかろうとして、恋人と格闘になります。
痩せ身で顔色が真っ蒼なくせに腕っぷしは凄くって、恋人のほうが形勢不利。
ヒロインはなん度もつかまえられて、血を吸われそうになります。
さいごはなぜか生き返ったお父さんが吸血鬼と化した息子の足を引っ張り、二階の吹き抜けからあえなく転落。
都合よく置かれていた杭に串刺しになって、悲惨な最期を遂げます。
生き返ったお父さんが吸血鬼として覚醒したのだとしたら、映画が終わったあとにヒロインは結局襲われちゃうところですが、
どうやらそのまま息絶えたみたいです。
哀れ。

【ふろく いささかフェチな感想】
この映画では、ヒロインは咬まれずに終わります。
ヒロインが追いかけまわされて、なん度も咬まれそうになった挙句、無傷で助かる。
めでたいには違いないのですが、こういう「寸止め」な処置は、けっこう欲求不満がたまりますね。(笑)
昭和40年代にはやった女の子向けの「恐怖まんが」でも、この手合いが多いです。

ブラム・ストーカーは、「咬まれても吸血鬼が滅びたので人間に戻った」という処理をします。
当然のことながら、ヒロインが咬まれるシーンが映画での見どころになります。
(観客というのは、残酷なものですね)
ほとんどの映画や小説が、咬まれたときにヒロインが恐怖や苦痛、屈辱以外の感情を持ちます。
いわゆる、うっとり、恍惚・・・というやつです。
ブラム・ストーカーのヒロインは、若妻です。
その若妻が、吸血鬼相手にほんの一瞬にせよロマンチックな感情を抱いてしまう。
その禁忌性が、ひとつの魅力だったりもします。

こんなふうに、「さんざん気を持たせたあげく寸止め」よりも、咬まれてしまったほうがお話としては深みが増すこともあるようです。
でも「血を吸う眼」の場合には、ヒロインがおっかなびっくりのおぼこ娘で、恋人も品行方正なインテリさんですから、
却ってそういう妖しい体験をしてしまうと、観終わった後味があまりよろしくないかもしれませんね。


したがって、それらしい吸血シーンは、妹のものだけとなります。
夜中に湖畔にさ迷い出て、吸血鬼に抱かれ、首すじを伝い落ちる血のすじが胸元に吸い込まれてゆく――というシーン。
これはこれでドキドキするのですが、欲を言えば牙でググッとやるところを観たかったなあ。
(^0^)


さいごに、冒頭に出てくるトラウマシーン。
ヒロインがまだ幼い頃に吸血鬼と邂逅するシーンなのですが、これもなかなかです。
真っ赤なミニスカートに、タイツを穿いているんです。
当時のタイツと言うと、もっさりとしたものが主流だったはずですが、
彼女の穿いているタイツはオトナっぽい薄地のもののようです。
いかにも両家の子女・・・という雰囲気を感じます。
終盤、大人になったヒロインと16年ぶりに邂逅を遂げた吸血鬼が、「お前は私の花嫁になるはずだった」と告げます。
自分の牙の犠牲になることを「花嫁になる」という表現でくるんでいるようです。
16年前は、吸血鬼のお父さんが彼女を逃がしてくれたのですが、
もしも運悪くこの場で花嫁になってしまったとしたら・・・
タイツを穿いた少女の脚に舌なめずりをくり返して・・・なわけは、ないですよね。^^;

お下品な話はさておいて、
この映画を観ての恐怖感は、それほど強くはありません。
ただ、いかにも昭和な空気が画面全体に漂っていること、
昔の乙女の話し口調、ものごしはこんなだったのだなと、
映画全体を包む雰囲気にこそ、魅了されるべきなのかもしれません。

イラストはイメージですが、ちっとも似ておりません。
すでに描いたように、ヒロインは咬まれておりません。
ここは吸血鬼に同情して、ちょっとだけいい思いをさせてやることにしました。^^

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問題があるようなら、削除しますので、いまのうちに御覧下さい。
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