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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

気丈な姑 8  ~堕落の刻~

2017年05月10日(Wed) 07:33:53

「なっ、何をなさるんです・・・っ」
悠子が声をあげてうろたえたときにはもう、遅かった。
男は拡げた猿臂のなかに悠子を抱え込み、その首すじに唇を吸いつけていた。
チクリとかすかな痛みを感じて、悠子はうめいた。
刺し込まれた鋭い牙の切っ先が皮膚を破り、生温かい血がほとび散るのを感じた。
チュウッ・・・
血を吸いあげられる感触に、悠子の顔から血の気が引いた。
ほんのひとしきり悠子の血を吸うと、男は牙を引き抜いて、悠子を視た。
自分の血が刺し込まれた牙の切っ先を濡らし床にしたたるのを、悠子はぼう然と見つめている。
いま起こっていることをよく理解できないままに。
目を白黒させているうちに、悠子はふたたび唇をその素肌に這わされて、生き血を吸い取られていった。

そんな姑のようすを、美那子は薄っすらと笑いながら見つめている。
さっきまで包まれていた熱い抱擁から抜け出したあとの虚脱感が、彼女の心地よく五体を満たしていた。
  そうよ、お義母さま。このひとの魅力をたっぷりと味わうがいいわ。
  そうしたら、あたしが堕落した理由をきっと、わかってくださるもの。
若いだけに、意地悪な笑みはいっそう、凄みを増した。

気丈に踏ん張った脚からスッと力が抜けて、がくりとひざを突いた。
フローリングのうえにすんなりと伸びたふくらはぎに、吸血鬼の好色な唇がふたたび、吸いつけられてゆく。
押しつけられた唇の下、姑の穿いている肌色のストッキングに裂け目が走るのを、嫁の美那子は小気味よげに見守った。
  堕ちてしまった後でも、かっこいいこと言えるのかしら。
という目をしながら。

吸血鬼は顔をあげ、美那子にいった。
  すまないが、2人きりにしてくれないか。
美那子はにんまりと笑んで、同意した。
逢瀬を邪魔された怒りよりも、品行方正な姑を堕落させる愉しみのほうがまさったのだ。
「お義母さま、ごゆっくり~♪」
若い嫁は自らの愉しみの機会を、気前よく姑に譲り渡す。

もがけばもがくほど、抱擁の束縛はきつさを増した。
悠子はもはやこれまでだ・・・と、観念せざるを得なかった。
「お義母さま、ごゆっくり~♪」
まだ薄っすらと残る意識の彼方、嫁の愉し気な声が耳に響く。
とうとう2人きりにされてしまった。
もう逃げられない。
嫁はわたしの名誉を救う意思は持ち合わせていないようだし、
相手は獲物を逃がすまいと、悠子の二の腕を痛いほど抑えつけている。

絶体絶命だった。

男はいった。
「奥さん、観念して往生するんだな。あんまり暴れると、かえって恥を掻くよ」
隣の部屋に聞こえよがしにそういうと、こんどは悠子の耳もとに唇を近寄せ、彼女だけに聞こえるように囁いた。
「血をくれて感謝する。できるだけ恥をかかせないようにするから、少しの間目をつぶっていただけないか。
 あんたの気持ちはわかるから」
どうやら相手には、吸い取った血潮でこちらの気分を読み取るすべを心得ているらしい。悠子はそう直感した。
せめて辱めを受けるところまで嫁に視られまいと思った気持ちを、男は無にしまいというのだ。
「お手柔らかに・・・」
恥かしいのをこらえて、悠子はいった。

「では、失礼」
男のあしらいはじつに手慣れていた。
破けたストッキングをまとったままの脚を左右に開くと、そのすき間にためらいもなく分け入って来て、
逆立った肉塊を割り込ませ、あっという間に悠子の股間を冒したのだ。

あ・・・な・・・た・・・!

悠子は思わず声をあげ、あげた声が嫁を満足させるのを感じ取らずにはいられなかった。
自分の貞操があっけなく喪われたことを自覚しながら、
男の股間からほとび出る熱い粘液が自分の体内を満たすのを感じた。

染められる。染められてゆく・・・
夫しか識らなかった清い身体を、この齢になって汚す羽目になるとは。
さっきのさっきまで、想像すらしていなかった。
股間からそそぎ込まれた男の粘液が。
食い入った牙からしみ込まされた吸血鬼の毒液が。
自身の血管をめぐり、脳天に達し、皮膚の色さえ塗り替えてゆくのを。
悠子はもう、どうすることもできなかった。

悠子の理性を奪い尽した男は、女にディープ・キッスを迫ると、
応じてきた唇の奥に、男の匂いを充満させた。
そして、ドアを細目に開けてこちらのようすを覗いている嫁に見えるよう、激しく腰を上下動させた。
はじめはぎこちなく、やがて息をぴったり合わせて、貞淑だった細腰がこちらに動きを合わせてきた。
ふたたび女からディープ・キッスを奪うと、奪った唇さえもが激しく応えてきた。
飼い慣らすことに成功したとわかると、男の動きはさらに大胆になり、女の動きもそれに合わせて淫らになった。

堕ちた近田夫人の上にまたがって、吸血鬼は思うさま、想いを遂げてゆくのだった。
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このところ。(作者の独り言)

コメント

品行方正で気丈な姑でも、ひと咬みされたら堕とされていくお話、興奮しながら読ませていただきました。

自分などは、甘いささやきだけでも直ぐに堕ちてしまいそうですけどね。

堕ちるって、卑猥な言葉ですね^^


by ゆい
URL
2017-05-11 木 04:56:30
編集
>ゆいさん
いつもコメントありがとうございます☆

侮辱されてしまうだけの行為だったら、
この潔癖な姑さんはきっと、堕ちなかったでしょう。
堕ちることができなかった というべきかも。

ささやかれた言葉の裏側に、ほんの少しでも向けられた自分に対する気遣いを感じたからこそ、堕ちることができたのでは。

末尾のほうは、「悠子」ではなく、「女」と描きました。
悠子夫人がただの女になってしまったことを表現してみたつもりです。
そこをさいごに「近田夫人」と夫の姓まで出すことで、読者を我に返らせてみようとしたのでした。

・・・って、種を明かしているようでは、まだまだ未熟なんですけどねぇ。
(^^ゞ
by 柏木
URL
2017-05-11 木 06:42:21
編集

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