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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

【タウン情報】 夫たちの血液提供は、「時間かせぎ」?

2017年05月15日(Mon) 06:28:18

昨年吸血鬼の受け入れを市が表明してから、夫婦ながら吸血鬼との交際を受け容れる家庭が増加している。
その実態は不明ながら、本誌はそうした家庭のいくつかから取材することができた。

町野元政さん(29、仮名)は、昨年秋に中学からの同級生だった章子(29、同)さんと結婚した。章子さんとは幼なじみで、十数年の交際を実らせた結婚だった。
その章子さんが吸血鬼に襲われたのは、結婚を間近に控えた去年の夏のこと。
デート帰りを襲われた元政さんはとっさに章子さんを逃がしているあいだに吸血されたという。
「彼女が逃げおおせるまでの時間かせぎのつもりだった」という元政さん。その場は章子さんを逃がすことに成功したものの、以後章子さんには告げずに吸血鬼との会合を重ねたという。
「わたし自身が病みつきになっちゃったんですね」そう苦笑いする元政さんはその1か月後、自分から章子さんを吸血鬼に紹介している。
「わたしの顔色が悪くなっていくのを、だいぶ心配してくれていたみたいなんです。
 ですから彼との面会を継続していると打ち明けたとき、”早く本当のことを言って欲しかった”と言われました」
生真面目な交際だったためそれまで処女だったという章子さんだったが、度重なる逢瀬から章子さんの魅力に目ざめた吸血鬼は、供血者に対する以上の好意を抱くようになる。
婚約者の純潔を求められた元政さんは、吸血鬼の希望を「好意的に受け容れた」という。
「最終的には、彼女と相談して決めました。処女を奪われても愛情は変わらないというのは、交際期間が長かったからかもしれませんね」
婚約者の供血行為は結局、恋人を救うことにはならなかった。しかし、と、元政さんはいう。
「妻は今でも、あの時わたしが身代わりになって血を吸われたことに感謝してくれています。やはり、最愛の女性を身をもって守るという行為は、むだにはなっていないと思うのです」。

高野常春さん(36、仮名)と妻の豊子さん(32)が吸血鬼に遭遇したのは、ちょうど結婚10年を迎えたころのこと。
「吸血鬼が夫のいる女の人を好きになった場合、まず夫にアプローチするんですね」と、常春さんはいう。
「なん度も妻を提供するよう求められました。でもわたしは断固として反対しました。妻を奪われたくなかったからです」
という常春さんは、その後十数回も吸血鬼との面会を遂げながらも、妻へのアプローチを拒み続けたという。
「でももちろん、それで彼があきらめてくれるわけがありません。とうとうわたしが貧血症になって倒れ、見舞いに来た妻を目のまえで襲われてしまいました」
豊子さんの首すじを咬んで、美味しそうに血を飲み耽る吸血鬼をまえに、さすがの常春さんもどうすることもできなかったという。
「結局、わたしが妻を襲われまいとして血を提供したのは、ただの一時しのぎにしかならなかったのです」
以後豊子さんは吸血鬼との交際を強いられたが、「本当は心惹かれるようになってからも、わたしのまえでは嫌々出かけてゆくそぶりを見せる妻のことを、潔く送り出すようにした」という。
「頼もしかったのは、妻が主婦としての務めを片時も忘れなかったことですね。
 浮気に出かけても、夕食の支度をするころにはちゃんと家に戻ってきてくれるんですよ」と、常春さんは明かす。
「”夫がいますので”と言っても、許してくれないんです。でも、御飯時になるからと言うと、ちゃんと帰宅を許してくれました。そういうときには、”夫がいますので”と言うとちゃんと聞いてくれるんですよ」と、豊子さんは笑う。
「自分自身が空腹で人を襲うから、でしょうか」とは、豊子さんの想像だが、「意外に相手のことを気にするんですよね。だから主人のことも思いやってくれたのかもしれません。」
もっとも、――どんなふうに思いやるのですか?――という記者の問いに豊子さんが
「エエ、私と逢っている時に、とても主人のことを気にするんです。
 ”いまごろご主人は悶々としているだろうね”とか、”夫がいるのにほかの男に股を開くのは屈辱なんだろう?”とか・・・」
と言いかけた豊子さんに、「それはからかわれているだけだよ」と、常春さんは突っ込んでいた。
しかし、御飯時や子供が帰宅する時間を気にする吸血鬼の習性は街の住民には広く知られており、豊子さんの理解もまんざら的はずれというわけではなさそうだ。
「いまでは、”結婚十周年を機に、妻に愛人をプレゼントした”って、割り切ることにしたんです」
そういって笑う常春さんに、重苦しい嫉妬の影はない。そういう豊子さんも、愛人との交際開始一周年を、間近に迎える。

取材に応じた二組の夫婦の共通点は、どちらの場合も夫が身代わりとなって、吸血鬼に自身の血を吸わせていること。
その動機は、自分が身代わりになって妻を守るという夫の務めを果たそうとしたことにある。
最終的には妻も襲われてしまうので、夫たちは「しょせん時間かせぎに過ぎなかった」といちように洩らす。
しかし、果たしてそれは、単なる時間かせぎに過ぎなかったのだろうか。
恋人の目の前で純潔を奪われてもなお婚約者への愛を失わなかったり、
浮気に出かける妻が夫の御飯支度を気にかけたり、
吸血鬼と不倫をつづける妻たちは、いちように「夫を一番愛している」と告げる。
時間かせぎで消費されたはずの夫たちの血は、きっと時間かせぎ以上の効用を持ち得たと感じるのは、記者だけだろうか。
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