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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

奥さんを紹介してくれないか。

2017年05月22日(Mon) 07:54:55

奥さんを紹介してくれないか。

わたしの血をなん度も吸った吸血鬼に、そうねだられて。
断り切れなくなりかけていた。

ちょっと待ってくれ。
ひと晩だけでも、待ってくれ。
妻を説得してみせるから。

出来ないに決まっている約束をくり返すわたしに彼は、「無理はするなよ」と言ってくれた。
けれどもそのうちに、妻のほうでわたしの顔色を見て察してしまっていた。

あなた、吸血鬼に逢っているでしょ。
私のこと、紹介するの?
覚悟はできているわよ。だからあなた、無理しないでね。

この街に吸血鬼が出没することも。
都会で暮らせなくなったわたしたちがこの街に棲むことを受け容れてもらえたのは、
いずれこうなることを夫婦ながら同意したのと引き替えであることも。
妻もわたしも、忘れてはいなかった。

吸血鬼に妻を紹介する。
ということは、
吸血鬼が妻を襲うことを承知する。
というのと、同意義である。
そんなことはもちろん、わかっている。
わたしの知らないところで襲ってくれればいいのに。
ふとそう考えたこともある。
けれどもそういう考えは卑怯なのだと、心のどこかでそんな声も聞こえてくる。
自分の関係ないところで、物事が自分に都合のよいようにまわってくれる。
もしもそんな状況が訪れるとしたならば、それはだれかによほど感謝しなければならないレベルなのだから。

吸血鬼は、「紹介してほしい」と願っている。
妻もまた、「紹介を受ける覚悟はできている」と言っている。
吸血鬼は、「きみの妻を襲わせろ」と希望している。
妻もまた、「襲われてしまっても仕方がないと観念している。
ふたつの意思に、3つ目の意思が後追いをして、おなじ道をたどるのは、もう時間の問題だった。

いつもの公園で首すじを咬んでもらった後、
わたしは彼を伴って、帰宅する。
あらかじめ言い含められていた妻は、よそ行きのいい服を着て訪問客を待ち受けて、
ありあわせのお酒で、初対面のお祝いをして。
酔っ払ったから夜風に当たって来ると言い訳しながら玄関のドアを開ける背中越し、
吸血鬼が妻を押し倒すのを、気配で感じていた。

ちょっと出てくるとは、ポーズだけの話。
ゾクゾク昂る気持ちを抑えかね、わたしは自宅の庭先にまわり込んで、いちぶしじゅうを見届ける。
観念して首すじを咬まれた妻は、
ストッキングを穿いた足許にも唇を吸いつけられて、
相手の男がストッキングを咬み破るのを、顔をしかめて見守って。
もういちど、息荒くのしかかってくるのを防ぎかねて、
唇で唇をふさがれる直前、「あなたぁ!」とちいさく叫んで、
股を割られ、強引な腰の動きに支配されて、
歯を食いしばって耐えていたはずが、いつの間にか悩ましい吐息を洩らしはじめていた。

素知らぬ顔をして帰宅したとき。
ふたりはしれっとした顔つきで、お酒のつづきをやっていた。
「時々お誘いを受けるからね」
まんざらでもなさそうな妻の横顔を軽く睨んで、
今夜こいつが帰ったら、どうやって押し倒してやろうか?と、
久しぶりにそんなことを想い浮かべているわたしがいた。
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