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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

この街に棲むようになった夫たちのための手引き。

2017年05月27日(Sat) 10:57:01

相手がほんとうに兇悪なやつで、きみの妻や恋人、娘や母親に危害を加えようとするのなら、
断固として戦うか、それが難しければ逃げるべきだ。
けれどもこの街に出没する吸血鬼は、決してそういう存在ではない。

まず彼はひっそりときみの日常に、居心地よく入り込んできて、
さりげなくきみの背後に佇んで、そっと首すじを吸うだろう。
気づいたときにはもう、彼の奴隷。
けれども彼は、そうして獲た正当な権利を、決して強引に行使しようとはしない。

礼節を尽くしてきみに接し、きみの健康を害しない範囲で、
自分の生命をつなぐのための最小限の血液を、きみの身体から欲するだろう。
その願いをかなえてやるだけの寛容さを、彼の牙がもたらした毒液は、きみに確実に植えつける。
それでもいずれ、きみの血液の量だけでは、彼の食欲をまかない切ることができないと気づくだろう。
彼はきみにそれを気づかせるために、ふだん彼のために血液を供給してくれる人たちとの交わりを断って、きみだけにかかり切りになるだろうから。

きみは初めて、焦りを感じる。
しかしそれは、身に危険が迫ったための単なる本能的な恐怖心からくるものではなくて、
むしろ彼に与える血液にこと欠いている状況が気になるだけだ。
きみは彼の渇きを癒すため、自分の妻を紹介することを、ごくしぜんに思いつく。

彼とは事前に、よく話をつけておくとよい。
彼がきみの妻に対して、どの程度の、そしてどんな種類の想いを抱いているのかを。

もし彼が、きみの妻に対して、刹那的な性欲を満足させるためだけの欲求を感じているのなら。
ためらうことなく、妻を紹介すると良い。
きみの妻がどれほど貞淑であろうとも、きっといちころでイカされてしまうだろうから。

もし彼が、きみの妻に対して、継続的なセックスフレンドとして遇するつもりがあるのなら。
ためらうことなく、妻を紹介すると良い。
ふたりはきみに迷惑のかからないやり方で、意気投合した交際を続けるだろうから。

もし彼が、きみの妻に対して、夫に近い愛情を感じはじめているのなら。
ためらうことなく、妻を紹介すると良い。
こと果てて骨の髄まで侵されてしまいさえすれば、きみの妻はきみに対して、感謝の念しか抱かないだろうから。

もし彼が、きみに対して、永遠の仲間に加えたいという意思を抱いているのなら。
ためらうことなく、自身の血を吸い尽させて、そのうえで妻を紹介すると良い。
彼はきみの家庭に入り込み、妻も娘も支配してしまうだろうけれど。
その見返りにきみは、この街で気になった女性を、未婚既婚問わずにモノにする権利を得られるだろうから。
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