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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

まな娘の吸血。

2017年06月05日(Mon) 07:53:01

きれいなお花がいっぱい咲いているお庭の真ん中に、白いテーブルとベンチ。
ピンクのトレーナーにデニムのスカート姿の真理は、トランプ遊びに興じている。
相手の男は祖父よりも年配にみえる、顔色の悪い吸血鬼。
ふさふさとした黒髪から覗く真理の白い首すじを、
男がもの欲しげにチラチラと盗み見ているのが、父親の目からも露骨にわかった。

真理がこちらに気づいて、白い歯をみせる。
無邪気にはしゃいだ笑顔だった。
「パパ~?紹介してあげる。真理が仲良くなった吸血鬼の小父さん。
 この街に来て初めて仲良くしてくれたのよ。
 お礼に、トランプに負けたら血を吸わせてあげる約束したの。
 パパは真理のこと、応援してくれるわよね?」
少女の口ぶりに、切迫感は少しもなかった。

「やだー、勝っちゃった。小父さま弱いのねぇ」
意図せぬ勝利に戸惑いながら、少女はちょっとだけ、吸血鬼の小父さまに同情の視線を送る。
小父さまはどうやら、本気でトランプの勝負をしていたらしい。かなりがっかりした顔をしている。
真理は、そんな小父さまをいっぺんで力づける方法を心得ていた。
「いいわ、勝たせてくれたお礼に、真理の血を吸わせてあげる♪」

ちょっとだけだよ。痛くしちゃイヤよ。
真理はこちら側のベンチに移って来た小父さまを、ドキドキとした流し目で見つめる。
「じゃあお父さん、いただくよ」
住むところをなくして、流れ流れてたどり着いた、この街には。
妻も娘も彼らのために生き血を餌食にされるというのを、承知のうえで訪れたはず。
「いいわよ。仕方ないものね」
妻もそういって、仕方なしに頷いていたはず。
真っ先に彼の毒牙にかかった父親は、理性をすり替えられて、家族の血を悦んで捧げると誓ったはず。
けれども、やはり――
飢えた吸血鬼にか細い肩を抱き寄せられる娘を前に、心平らかではいられない。
吸い残されたわずかな血が、身体じゅうを駆けめぐり、
干からびかけた血管のなかで、毒々しい脈動をはずませる。
同じ血を宿すまな娘もまた、あの牙を埋め込まれてしまうのだ――
そうと知りながら、カツヤは地に根が生えたように、動くことができなくなっていた。
あれよあれよという間に・・・真理は魔性の猿臂にギュッと抱きすくめられて、
首すじを咬まれていった――

ほんのふた口、み口・・・
そんな吸血だった。
それでも真理は頬をほてらせ目を輝かせて、「すごい。すごい・・・」と、くり返していた。
男がなおも飽き足らず、真理の太ももを咬もうとして、デニムのスカートを引き上げると、
さすがに少女らしい潔癖さで、「ダメ!エッチ!」と、スカートを抑えたけれど。
にょっきり伸びたふくらはぎに、ねずみ色のハイソックスのうえから吸いつけられてくる唇は、こばもうとはしなかった。
「脚イタズラするの、好きなんだね・・・?」
お気に入りのハイソックスによだれをジュクジュクとしみ込まされるのを、顔をしかめながら見おろしていたけれど、
ひと言「いいよ・・・」と、囁いて。
真新しいハイソックスを、惜しげもなく咬み破らせてしまっていた。
圧しつけられた唇の下、赤黒く染まるシミが拡がるのを、面白そうに眺めていた。

「こんどは私の番・・・ね?」
カツヤの傍らには、いつの間にか妻の美香が佇んでいる。
「そう・・・だね・・・」
煮え切らない夫の態度に、美香はわざとイタズラっぽく笑うと、夫の頬をつねりながら、いった。
「奥さんの浮気も、潔く認めなさい」
ミセスの女を相手にするとき、吸血鬼は“男”としても振る舞うときいていた。
けれどもいま、まな娘の吸血を実見してしまった男には、もう理性は残されていなかった。
「・・・はい。」
妻の言いぐさに素直に呟きかえすと、美香はウフフンと満足そうに笑う。
「なにも感じないでいてあげるつもりだけど・・・乱れちゃっても許してね」
カツヤの胸のなか、妖しい翳りがザワザワととぐろを巻いていた。
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