淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・
親孝行――舅と嫁との交際録
2017年08月25日(Fri) 04:50:26
この村には、いろんな形の愛がある。
嫁が旦那の口利きで、舅と愛し合っている。
兄と妹が、夫婦のように暮らしている。
宝井秀馬(46、仮名)は、やもめになった父(73)に、妻の里美(44、同)を抱かせている。
きっかけはすでに、新婚のころからあった。
秀馬の留守中、父が里美を強姦したのだ。
都会育ちの里美は結婚後も、隣町のオフィスにOLとして勤めていた。
義母の登美子はたまたま外出していて、夫の秀馬は農協に勤務していたから、
家には義父しかいなかった。
その義父から、「体調が急変した、早く帰ってきてほしい」と連絡があったのだ。
里美は勤務先の上司に事情を話し、会社を早退して帰宅した。
スーツ姿で務めから戻った里美に、義父は目の色を変えて襲いかかった。
体調不良は嘘だった。
いや、体調が変になっていたのは、嘘ではないのかもしれない。
彼は女に飢えていた。
その欲情を満たすべき妻の登美子は、外出していた。
里美は泣いて抗ったが、どうすることもできなかった。
若々しい張りのあるバストを包むブラウスは引き裂かれ、ブラジャーの吊り紐は引きちぎられて、
押し倒されてじたばたさせた脚からは、ストッキングを引き剥がれていった。
それでも、義父の道ならぬ激しい吶喊に、里美の腰は本能的に応えつづけてしまっていた。
きっと。
義父娘の身体どうしは、相性がとても良かったのだろう。
ふたりの関係はしばらくの間、夫にも姑にも秘密のままつづいた。
里美は会社の早退をくり返し、やがて退職せざるを得なくなった。
ひとつ屋根の下にいる時間が長くなったことは、ふたりにとってもっけの幸いだった。
夫が農協に出勤し、姑がなにかの用事で家を空けると、
ふたりは待っていたかのように、むさぼり合っていた。
そのころ授かった男の子の父親が、夫だったのか、義父だったのか、里美にも確信が持てずにいる。
しかしやがて、それと察したのは姑だった。
彼女は出かけると見せて突然帰宅し、濡れ場の最中の現場に踏み込んだ。
修羅場にはならなかった。
くんずほぐれつしているふたりを凝視すると、
「落ち着いたら茶の間に来てな」
と呟いて、スッと姿を消した。
不義をはたらいた舅と嫁とが、舅の部屋から出てきたのは、それから一時間後のことだった。
舅は数々の不行跡で、もともと姑には頭が上がらなかった。
「秀馬も薄々、感づいている。この一件は妾(わたし)に預けてもらいます」
姑の登美子はそういうと、里美は蒼くなってうなだれた。
それでも舅はしたたかにも、「別れを惜しみたいから」といって妻を別室に去らせ、
もういちどだけ、嫁を自室へと引きずり込んだ。
やはりあんたが気づいていたように、里美さんはお父さんとデキていた。
でもとりあえずふたりを引き離して、お父さんにはきつく言っておいた。
たぶんふたりは、別れるだろう。妾のひと睨みは、あのひとにとって絶対だからね。
お父さんのめんどうは、あたしが見る。
悦次叔父さんもいなくなったからね。
あとはあんた次第だよ。
父さんに親孝行するつもりなら、それもいいだろう。
でも、離婚だけは家の恥だし、幼い冬馬のためにもならないから、絶対にお止しなさい。
秀馬は母親のいうままに、妻にはなにも問わず、いままでの日常を素知らぬ顔で重ねつづけた。
それから十数年が経った。
登美子はもはやいなくなり、父親はほんとうに独りになった。
いなくなる少し前、秀馬は登美子から色ざんげを聞かされた。
あたしが嫁いできてすぐのとき、お父さんに言われてね。
お前はもう憶えていないかな、お祖父さんの相手をさせられたんだ。
いちどきりじゃなくって、なん度もなん度もだった。
週に3度は抱かれたかな。
そのときにはいつも、お祖母さんはいなくなっていたし、お父さんは勤めに出てた。
この家は、どうやらそういう家らしい。
そのうちあたしも割り切って、お祖父さんとつき合うようになった。
お祖父さんがいなくなった後は、お祖父さんの遺言で、
一生独り身だった悦次叔父さんのところに行くようになった。
女ひでりだったからね。しつこかったよ叔父さんは。
でもあんたもあの叔父さんには懐いていたしね、それでよかったんだよ。
あのひとも、お祖父さんも、あたしを辱めようとしてしたことじゃない。
血のつながってない家族どうしで、仲良くしたかっただけなんだ。
形はちょっと、変わっていたけどね。。
お父さんも、きっとそうだ。
あのひとが里美さんを襲ったのは、あたしが悦次叔父さんの家に行った日のことだった。
あたしが叔父に抱かれるのがたまらなかったのか、
もしかしたらそういうことに昂奮できる質(たち)だったのか、
たぶんそっちのほうだと、あたし思うけどね――
まあ、そんなことはどうでもいいや。
だからあたしがあの時あなたに、親孝行をちょっとだけすすめたのは、そういうわけだったんだ。
あたしもお父さんには、ちょっぴりすまないと思っていたからね。
すまないと思ったのは、愉しんじゃっていたから――
でも、あんたが親孝行だと割り切ることができて、お父さんが嫁と仲良くしたくてしていることだって得心できたら、親孝行させてあげてくれないかな。
つぐないは、いまなら、ちょっとだけなら、してあげる気持ちがあるけれど。
あんたに、その気があるんなら――
その夜、秀馬は初めて、実母の登美子を両親の部屋で抱いた。
すべて言い含められていたらしい父親は、書斎にこもり切って、ひと晩じゅう、出てこなかった。
親孝行、してやりたいんだよな。
母さんいなくなったら、親父もさびしいだろうから。
前みたく、仲良くしてやってくれないかな。親父と。
母を送って一年が過ぎたころ、秀馬はそういって里美を口説いた。
里美にいなやはなかった。
法事の席でのことだった。
喪服に映えた里美の白い首まわりや、黒のストッキングになまめかしく透ける脛に、
チラチラと露骨な視線を這わせていた義父は、そ知らぬふりで聞き耳を立てていた。
じゃあ俺は、仕事に戻るから。
秀馬はわざとらしく父親を一瞥すると、
「お父さん、行きましょう」
里美もぴったりと息を合わせて、夫に応じた。
秀馬は勤め先とは見当ちがいの方角へと足を向け、
義父と嫁とは家とは反対方向の、村に一軒きりのラブホテルへと足を向けた。
母を弔うための装いに身を包んだふたりが、不倫のねぐらへと向かう後ろ姿を、
秀馬はなぜか昂ぶりながら見つめていた。
黒のストッキングに清楚に透ける足どりは、あと十分もしないうちに、淫靡なくねりを見せるのだろう。
それ以来。
ひとつ屋根の下、素知らぬ顔で書斎にこもる夫をしり目に、
舅は嫁にしなだれかかり、
嫁は恥を忘れて、スカートのすそを乱し、ストッキングを引きずりおろされていった。
「親孝行なんだから」
自分で自分にそう言い聞かせていた夫は、不倫の汗を流したままの妻を、ありのままの姿で押し倒していった。
「祖父さん、元気そうだね」
息子の冬馬が、悧巧そうな顔だちに笑いを浮かべ、白い歯を見せる。
母親の里美に生き写しの白い頬が、きょうは妖しい翳を宿していた。
「これからちょっと、仕事に出かけてくるからね。凜々花の話し相手にでも、なってやってくれないかな?」
都会暮らしの冬馬は、去年もらったばかりの新妻の凜々花を伴っての里帰りだった。
すべてを言い含められているのか。
凜々花はまる見えといっていいくらいの羞じらいをみせていた。
いまどきの若い女性らしくいつも生足だという凜々花は、その日に限ってストッキングを脚に通している。
「父さん、そういう雰囲気って好きなんだろ?」
冬馬の言いぐさは、少しばかり露骨に過ぎたけれど。
秀馬は息子の好意に、正直に甘えることにした。
どんなに取り繕っていても、ズボンのなかの一物が、すでにはじけそうになっている。
飢えた狼のまえに新妻を残して出かけていく殊勝な息子が、
玄関で革靴を履くのに手間取っているのさえもどかしいほど、
秀馬は自分のなかの劣情が、はしたないほど露骨に鎌首をもたげてくるのを、どうすることもできずにいる。
妻の里美が、息子夫婦の顔をひと目見たそのすぐ後に、
舅といっしょに公然とデートに出かけていったのも、
もしかしたら秀馬と凜々花とに、気を使ったのかも知れなかった。
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