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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

お墓参りに来た、独身の姪

2017年09月02日(Sat) 08:45:10

私たちが死んだら、お墓参りに来てね。
きっとそこには、あなたに逢いたがっている墓守がいる。
その人はあなたの血を欲しがるだろうから、
そのときには私がそうしてあげたみたいに、あなたの血を吸わせてあげて。

裕福な伯母は、伯父が亡くなった翌日に逝った。
身体じゅうの血液が一滴も残されていない不思議な死に方だったが、
この街の人はだれもがなんの疑念も抱かなかったらしく、葬儀は兄夫婦の手で、鄭重に執り行われた。
その一週間後。
舞阪香苗26歳は、伯母が生前に言い残した不思議な囁きに従って、伯母夫婦の墓を訪れた。
伯母に言われるまま、黒一色のスーツに、脛の透ける薄手のストッキングという礼装に身を包んで。

そこで香苗を待ち伏せしつづけていたらしい墓守は、白髪頭の初老の男。
香苗は自分がこれからなにをされるのかを予期しながらも、礼儀正しくお辞儀をする。
男のほうも礼儀正しく挨拶を返すと、夫婦の墓に額づいて、持っていた花束を鄭重に差し出した。
二人の死を悼んでいるのは、キッと偽りのない想いなのだろうと、香苗は感じた。
周囲からは人通りが去って、香苗は男と二人きりになったのを自覚した。
墓石のまえで組み敷かれ、男はむき出した牙を香苗の首すじに、じりじりと近寄せてくる。
迫る危険に怯えるよりも。
組み敷かれた背中に当たる硬い石畳のごつごつとした感触だけが、気になりつづけていた。
荒い呼気が頬に当たり、ブラウスの襟足に忍び込む。
香苗は首のつけ根に鈍痛を帯びた刻印をつけられて、理性を妖しく漂流させた。
黒のストッキングの脚に男が卑猥な舌を這わせてくるのも、
くまなく舐め抜かれたあげく、ふくらはぎを咬まれて血を吸われるのも、
止めさせる気力はもう、残っていなかった。

もともと無気力な女だった。
高校生のころから学校に行かなくなって、伯母のつてでえた就職先も休みがちだった。
幸か不幸か強力なつてだったので、どんなに引き籠っていても会社の席はなくならなかったし、生活に困ることもなかった。
そんな安穏さがますます、香苗を引き籠らせていった。
唯一の話し相手だった伯母が、さいごに残した言葉――
それだけが、香苗を導いていたのだ。

私が死んだら、お墓参りに来てね。
そこには墓守がいて、あなたのことを待っているから。
彼は夫のつぎに大切なひと。
だから、私はあの人に、あなたのことをプレゼントするの。
服装は、自分をプレゼントするときのラッピングみたいなものよ。
そそくさとはぎ取られてしまうかも知れないけれど、
もしかしたら記念に大事に取っておいてもらえるかも。
私たちのお墓の前で、あの人と仲良くして頂戴ね。
そうすれば。
私はあなたのことを彼に、プレゼントとして差し出すけれど。
あなたにも彼という一生のお友だちを、プレゼントできたことになるわけだから。

すべては伯母の、いうとおりだった。
きっと伯母さんも、こんなふうにされたのね?
ブラウスをはぎ取られ、ストッキングをずり降ろされながら。
降りしきるキスに怯えつつも、少しずつ応えるすべを覚え込まされながら。
それが風変わりな出逢いであったとしても、
初めてのラブ・シーンを伯母のまえで遂げることに香苗は納得を覚えて、
目線を合わせてくる男にかすかに頷きかえすと、
ストッキングを片方だけ脱がされた脚を、ゆっくりと開いていった。
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