淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・
靴下交換 ~第二夜~
2017年09月24日(Sun) 09:16:26
貴男のいつも勤め先に履いて行くハイソックス、履き心地がちょっといやらしい。
女のひとが履いても、見映えがしそうね。
妻の美緒がそういいながら、自分の愛用しているストッキング地のビジネスソックスをまとった脚を見おろしている。
妻が吸血鬼の相手をする前に、志郎はあらかじめすっかり血を抜かれて、部屋の隅に転がされていた。
薄ぼんやりとした視界の目の前に、ペルシャじゅうたんの幾何学模様が迫っている。
さいしょのころは、二日酔いのような不快さがあったものが、
いまではこの無重力状態がもたらす陶酔感が、たまらなくなっていた。
きっと自分が倒れてしまった後、目の前で妻と息子が支配を受けて、
唯々諾々と振る舞って志郎のことを裏切ってゆく光景に、歓びを覚えてしまって、
その歓びが失血に伴う無重力状態と二重写しになっているからなのだろう。
志郎が履いているのは、息子が初めて咬まれたときに履いていたのと同じ、真っ白なハイソックス。
先週は妻の美緒がまとい、高校時代の制服まで着込んで、犯されながらくねる脚を眩しく彩っていた。
その光景が網膜に灼(や)きついてしまった志郎は、「こんどはぼくの番だね」と妻にいい、
妻もまた「そうね。でもタツヤから借りるのは、自分でしてくださいね」と返してきた。
「タツヤのハイソックスを履いて、あのひとに会いたい」
父親としては口にするべきではないはずの振る舞いも、いまはすらすらとデキてしまう。
それがむしょうに、小気味よかった。
いままで彼のことを縛りつけてきたあらゆる束縛が断ち切られた開放感が、
彼の胸を少年のようにドキドキさせているのだった。
働き盛りの血潮は若返って、いっそう活き活きと彼の血管をかけめぐって、
淫らな鼓動をドクドクと脈打たせながら、妻の情夫の渇いた喉をうるおす機会を欲していた。
息子のタツヤが、青春の活力を生き血もろとも惜しげもなく自身の身体から抜き取らせてしまうのも、心から共感できた。
これは献血なのだ。決して堕落ではない。
志郎はそう自分に言い聞かせ、妻が奴隷のように犯され、吸血鬼の性欲のはけ口として貞操を汚されてゆくのを、歓びをもって受け入れるようになっていた。
あッ!やめてッ!
靴下破かれたら、通勤できなくなっちゃうわッ!
〇〇重役や××局長に叱られるぅ・・・
実在の夫の上司の名前まで口にしながら、半分夫になり切りながら、
足許を狙われた美緒は、夫の愛用の靴下を咬み剥がれてゆく――
片方はくしゃくしゃになって、くるぶしまでずり落ちて、
もう片方も吸われた痕跡を伝線も鮮やかに走らせながら、剥ぎ堕とされてゆく。
あらわになった脛は、淫らな血色を帯びてピンク色に輝いていた。
妻があっさりと股を割られて男の侵入を受け容れてしまうのを、
夫は息子と2人ながら見届ける羽目になった。
自分の靴下を履いたまま犯されてゆく妻――
先日男のためにビジネスソックスを脚に通して愉しませてやったその後の記憶が、志郎のなかで二重写しになっていた。
俺はこんなふうにして、男に犯されてしまったのだ――
妻のまえでくり広げてしまった異常な痴態が、まっとうだった家庭の枠組みを瞬時に変えてしまったのだけれど、
もう、後悔は感じていなかった。
息子はセックスを視るのが初めてだったらしく、自分の母親だった女の裸体を、舐めるような目線を這わせてゆく。
危険な予感が志郎の胸をよぎったが、このさい深く考えないことにした。
だって息子はいま、妻の黒の礼服を借りて女の姿になってしまっているのだから。
「どれでも好きな服を選んでいいのよ」
美緒は寛大にも、息子のまえで色とりどりの衣装で満たされたクローゼットを開け放って、
吸血鬼を迎えるときに着る服を選ばせていた。
真っ赤なワンピースやショッキングピンクのミニスカートはちょっと見ただけで、
意外にも息子が選んだのは、地味な黒の礼服だった。
伯父さんの法事にお寺に行ったとき、美緒が着ていたのが気になったのだという。
そして、ストッキングには、この種の衣装につきものの黒のストッキングを、
上ずった声でリクエストしていた。
犯され抜いた妻がその場にへたり込んで、伸びてしまうと、
男の魔手は、女の姿になったタツヤへと向けられた。
「ひっ」
タツヤは女のように声をあげ、飛びのこうとしたけれど、吸血鬼の猿臂を避けることはできなかった。
そのまま首すじを咬まれ、ひと重に巻かれた真珠のネックレスに若い血潮をしぶかせながら、
男のあくなき渇きを、自身の身体をめぐる血潮でうるおしていく。
その姿に、いつか吸血鬼と心理を同化させてしまった志郎は、
「息子が気の毒」というよりも、「やつは美味しそう」という思いで受け止めていた。
目のまえで妻を犯されることが照れくさく、誇らしいと感じてしまう志郎としては、きっとそれがもっとも自然な感情だったのだ。
ああーッ・・・
息子は悲痛なうめき声をあげてその場であおむけに倒れ、
黒のストッキングのふくらはぎに飢えた唇をくまなく当てられ、
ところどころ気まぐれに咬まれながら、ストッキングをチリチリに引きむしられてゆく。
女の衣装を身にまとい、男の欲情に奉仕する――
母さんの身代わりになりたい。
というタツヤの気持ちに嘘はないはず。
でもその裏返しに、
女になってあのひとに奉仕したい。
そんな想いも強くあることが、キスを交し合い手足を巻きつけ合って息をはずませ合うふたりをみて、いっそうひしひしと感じられた。
先週。
志郎が妻の服を着て吸血鬼と初めてのセックスを交わしたとき、
美緒はそのすぐ傍らで、乱れた制服姿で息子に組み敷かれ、制服のプリーツスカートのすそを、ふたたび乱していった。
美緒は息子のことを名前で呼び、息子も母親のことを美緒と呼んだ。
交し合う息遣い。
巻きつけ合う手足。
それらが新しい家族の関係を、志郎のまえに見せつけていたのだった。
きょうはどんな組み合わせが、待っているのだろう?
男どうしで交し合うすべは、先週たっぷりと教え込まれていた。
まだいちどしか冒されていない息子のお尻は、まだ瓜のように硬いのだろうか?
父親として持ってはならない危険な感情におののきながら、志郎もまた、罪深い欲望を抑えきれなくなっていった。
あとがき
かなり背徳的なお話になってしまいました。^^;
このお話、前作と同じ日に描き上げていたのですが、あっぷするのが時間切れになってしまいました。
今朝読み直して若干直したうえであっぷしました。
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