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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

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初めておじ様に逢った夜

2017年10月30日(Mon) 05:14:19

「キムスメ・・・って、なに・・・?」
まだ〇〇歳の小娘だったあたしには、100歳にもなる吸血鬼とお話するにはボキャブラリイがなさすぎた。
「生娘というのはの、お前のような可愛い娘のことをいうのじゃよ」
吸血鬼のおじ様は、あたしが逃げようとするのをさりげなく封じながらも、わかりやすく説明してくれた。
あとで考えたら、その説明はあまり正確ではなかったのだけれど、
〇〇歳のあたしには、その説明だけでじゅうぶんだった。
美女が吸血鬼に抱かれるシーンはなん度となく、パパといっしょに映画館で観たことがあったから。
「生命はほんとに、助けてくれるんだよね?」
ちょっぴり心配になったあたしは、知らず知らず怯えた表情を作り、媚びるような上目遣いをして、おじ様を見あげたけれど。
おじ様は「よしよし」とあやすようにあたしの肩を抱いて、
「嬢やはそんなこと、心配しなくてだいじょうぶ」
とだけ、いった。
「ちょっとだけなら・・・いいよ・・・」
キムスメの血を吸いたいとおねだりされたあたしは、
いつもは親におねだりばかりしているわがままな女の子だったのに、
いつもとあべこべなんだけど・・・って思いながらも、
おじ様のわがままを聞いてあげる気になった。
どうしてそんな気分になったのか、いまでもよくわからない。
たしかにおじ様の片手は、あたしの二の腕を強くつかんで離そうとしなかったし、
逃げられないのはいやというほどわかっていたけれど、
あたしがおじ様のいうことをきいたのは、そんなことのせいじゃなくって、もっと別な理由からだと、いまでもはっきりそう思っている。
「そんなに欲しいのなら、マミの血を吸わせてあげる」
あたしは自分がちょっとだけやせガマンをしていると感じながらも、
パパといっしょに観たドラキュラ映画のヒロインみたいに、
おとがいをわずかに仰のけて、目をつぶる――
「あんまり痛くしないでね」って、小声でつぶやきながら。

首すじに食い込んだ牙は、さいしょのうちだけは予防注射と同じくらい痛かったけど、
あたしは涙をガマンして、吸血鬼に抱かれる美女になりきろうとした。
気がつけば、貧血で頭がくらぁっとするほど、生き血を吸い取られていた。
首すじから牙を引き抜くと、
おじ様はあたしの血を吸い取ったばかりの唇を、耳たぶに触れるくらいまで近寄せて、
「ありがとう。嬢やは強い子だね」
って、ささやいた。
どうせなら、そんな子どもをあやすような言いかたじゃなくって、
もっとロマンチックなことをつぶやいてくれればいいのにって、
ちょっぴり不満に思った。

あたしの履いている真っ白なハイソックスをイタズラしたいといわれたとき、
すっかり、彼の餌食となっていたあたしは気前よく、
「ウン、いいよ。マミ、イヤらしいの大嫌いだけど、おじ様だったらガマンする」
そんな言い方がおじ様をそそるのだと、あたしはなんとなくだけど、わかってしまっていた。
おじ様がさいしょにあたしを見たときから、
ミニのワンピースからのぞく太ももと、
ひざ小僧の下までお行儀よく引きあげたハイソックスとをとても気にして、
なん度もチラチラ盗み見るのを、ママといっしょにいるときから気がついていたから。
おじ様はあたしのハイソックスのうえから唇を吸いつけて、
その唇の奥から、舌をぬめらせてきた。
上から下まで、脚の線をなぞるようにして舌を這わせてきて、
よだれのたっぷり浮いたべろで、あたしのハイソックスを汚すことに夢中になった。
なま温かいよだれがハイソックスにしみ込んできたとき、
あたしは初めて「イヤラシイ」って感じたけれど。
「女に二言はないもん」と、おじ様に聞こえないようにつぶやいて、
知らん顔をしたまま、おじ様の好きなようにさせてあげていた。
やがておじ様は、ふくらはぎのいちばん肉づきのいいあたりに牙を突き立てて、
ハイソックスを咬み破ってあたしの血を吸い始めた。
ごくっ、ごくっ・・・という音が生々しくって、あたしは思わず肩をすくめたけれど。
おじ様はあたしのひざ小僧や太ももをあやすようにまさぐりながら、
あたしの生き血で喉を鳴らすのをやめなかった。
あたしもいつの間にか夢中になって、
もう片方の脚に唇を近寄せてくるおじ様のため、
おじ様がよだれをなすりつけやすいようにと、
ハイソックスの脚をちょっぴり優雅にくねらせてみた。

気がついたら、あたしは貧血を起こしていて、じゅうたんの上にあお向けに倒れていた。
咬み破られてずり落ちかけたハイソックスは両方とも、それもあちこち咬み破られていて、
しみ込んだ血潮のぬくもりにまみれてしまっていた。
頭のうえで、「きゃあッ・・・」と、ママの悲鳴が聞こえた。
バタバタッとあわただしい物音がして、それからゴクゴクッ・・・と、おじ様の喉が鳴る音がした。
あたしと同じように貧血を起こして尻もちをついたのも、気配でわかった。
いつもはきびしいママが、
「あうッ・・・あうッ・・・」
と、べそをかいたみたいな声をあげながら、ストッキングを穿いた脚を咬まれているみたいだった。
おじ様はあたしのときと同じくらいしんけんにママを襲うのに熱中して、
そのあいだじゅう「ゴクゴク」と、喉を鳴らしつづけていた。

いちばんえらいと思ったのは、お兄ちゃんだった。
逃げようと思えば逃げられたのに、
「ボクだけ無傷なの、カッコ悪いから」
といって、たるんで履いていたハイソックスをきっちりと引き伸ばして、
「母さんのストッキングほど面白くないだろうけどさ」っていいながら、
白のラインの入ったあざやかなブルーのハイソックスに血潮が赤紫ににじむのを、
「楽しそうだね」っていいながら、静かな目をして見つめていた。

それからあたしたち兄妹は、ママのことが好きになってしまったおじ様が、
倒れて気絶寸前のママのうえにのしかかっていやらしいことをするのを、
表情を消して見守っていた。
しばらくしてママが声をあげはじめて、おじ様の背中に腕を回すのを見たお兄ちゃんは、
「仲良くなったみたいだから、もう視ちゃダメ」と、あたしにいった。
そのくせ自分はずうっと、ママがおじ様と愛し合ういちぶしじゅうから、目を離そうとはしなかったんだけど。

その夜ママがおじ様としていたことのすべてを識ったのは、大人になってからのことだった。
高校を卒業してからは、ハイソックスをストッキングに穿き替えて、
ママと代わりばんこにおじ様のお相手をした。
「お嫁入り前なのに、男のひととそんなことをしてはダメ」
って、ママは言うけれど。
パパの目を盗んでおじ様と逢うときにウキウキとしているママがそう言っても、あまり納得出来はしなかった。
いまはもう、結婚する彼がいるくせに、あたしはおじ様と逢いつづけている。
きっと結婚してからも、おじ様の恋人でいつづけてあげると思う。

あの夜。
初めておじ様にハイソックスを履いた脚を咬ませてあげたとき。
ママは「母」から「女」に逆戻りをして、
あたしは「子ども」から「少女」に成長したのだと。
だいぶあとになってから、そう自覚した――
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