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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

妻のすすめ

2017年11月26日(Sun) 08:09:11

吸血鬼に襲われて生き血を吸われ犯された妻は、愛人との逢瀬をわたしに認めさせ、
すすんで彼の奴隷となった。
妻は女の生き血に飢えている愛人のため、自分の母親を実家から呼び寄せて襲わせた。
娘の生き血をたんのうした男にとって、その母親の生き血はどうしても、気になるところだったから。
見返りに妻は、義母の不在を寂しがる義父とのあいだに、父娘ではあり得ない結びつきをもつようになった。
「父はね、前から私のこと気にしていたの」と、妻はうそぶいた。
「母の献血を認めてくれたから、お礼をしたかったの。いいでしょ?」
きっと舅は、「献血」だけではなく「不倫」までも、認めさせられてしまったのだろう。
すっかり主導権を握られたわたしは、妻のもっともらしい言い分に、ただ頷くことしかできなかった。
妻と情夫との濡れ場を目の当たりにすることを歓びと感じてしまう恥ずかしい性癖を、
しっかりと植えつけられてしまったから。
娘に対し「恥を知りなさい」と咎めだてをした気丈な義母は、いまでは公然と不倫に耽るようになって、
永年連れ添った妻が痴態もあらわに納屋で男衆と乱れ合うのを、その夫は恥を忘れてのぞき見することに熱中していた。

自分の母親に、愛人を。
父親に、妖しい歓びを。
そんな贈り物で“親孝行”を果たした妻は、そしてわたしにも、囁きかけてきた。
「お義母さま、少しでもお若いうちに、生き血を味わってもらいましょうよ」
「御実家からこちらへ、おひとりで来てもらいましょうよ。あとの手引きは私がするから」
「どうしてもお義父さまもついていらっしゃるというのなら、私お相手するわ。そのあいだにお義母さまを、味わっていただくの。どう?」
嫁の乱行を、夫以上にとがめだてするはずの存在を、この際葬ってしまおう――そんな意図をありありと感じながらも、わたしは知らず知らず受話器をとってしまっている。
母のときはもしかすると、妻のときよりも昂ってしまうかもしれない――そんないけない妄想にとりつかれながら・・・
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