淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・
受話器。
2017年11月26日(Sun) 08:29:25
「お義母さまにも、いい想いをさせてあげましょうよ。すこしでもお若いうちに」
妻のそんないけない囁きにそそのかされて、受話器をとったわたし――
ここは吸血鬼の棲む村。
村の衆は誰もが彼らのいうことを聞き、妻や娘さえも捧げることを、むしろ誇りとし悦びとしていた。
そんな土地だと知りながら、都会に住むことができなくなったわたしたちはこの村にやって来て、
いまではわたし自身すらが、妻が愛人をつくることに同意してしまっていた。
母をこの土地に招ぶ――
多少の罪悪感と後ろめたさを感じながら、わたしは受話器をとった。
受話器の向こうから聞こえてくる声色は落ち着いていて、
それでも熟れた美味しい血を宿した女が放つ声だと自覚してしまうのは、
この土地に慣れ親しんでしまったものの身につける忌まわしい感覚なのだろうか。
母は、紅葉の見ごろになったら父といっしょに遊びに来ると、約束してくれた――
身体が埋もれるほど積み重なった紅葉のうえで。
それまで気丈に振る舞っていた母は、
帯を解かれ襟足をはだけられ、眩しいほどの裸身を輝かせながら、
息荒く群がる男衆たちを相手に、気丈に振る舞い抜いていった――
数か月後。
母は父を連れて、この村に移り住むようになった。
うわべは渋っていた父もまた、母と村の衆との交際を認めないわけにはいかない仕儀となったらしく、
いまは潔く?妻の貞操を荒々しい抱擁と吶喊とに、譲り渡してしまっている。
握りしめた受話器の向こうから聞こえてくる、母の声は。
ひどく若やいではずんでいて、
きっとよそ行きのスーツを奥ゆかしく着込んでいるはずなのに、
そのスーツのすそを腰までまくり上げられて、
ストッキングを脛まで引きずり降ろされて、
後ろからズンズンと突き抜かれつづけているらしく、
「あなたもっ・・・典子さんにきをつけてッ・・・あげなさい・・・ネッ・・・!?」
と、声の抑揚もどことなく、おぼつかなくなっていた。
数か月前の老成しきった、もの静かで冷静な声色とは、20歳は若返ったかのように、はずみきっていた。
受話器の向こう側はどうやら、収拾がつかないことになってしまったらしい。
やがて母の手から受話器をひったくったらしい父が出て、いった。
「もういいから、かんべんしてあげなさい。あとは父さんが面倒見ておくから」
振り返ると妻は、ベッドのうえに片脚だけもたれかけさせながら、床のうえに大の字になって気絶している。
口許からは、だらしなく垂れたよだれがしたたり、
ベッドのうえに無造作に投げられた脚は、ひざ小僧までずり降ろされたストッキングが、ふしだらな光沢を放っていた。
目のまえには、抜け殻どうぜんになるまでむさぼられた妻の裸体。
受話器の向こう側からは、理性を塗り替えられた両親の声。
そのどちらもが、わたしの理性をも狂おしく塗り替えてゆく。
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