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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

月にいちどのお務め。

2018年01月17日(Wed) 07:42:00

月にいちど。
村はずれの荒れ寺に、都会妻たちが集められ、村の男衆に奉仕をする。
都会に棲めなくなった夫婦ものを引き受ける、村の出張所が主催する、お愉しみ行事なのだ。

熟女・若妻・新婚妻までも取り交ぜて、
パーティードレスにワンピース、よそ行きのスーツや着物、果ては喪服姿まで、
思い思いの衣装に着飾った都会妻たちは、
自宅に夫たちを残して、さりげなく家を抜け出して、
ウキウキとしたようすなどおくびにも出さずに、三々五々集まって来る。
そのくせお互いさぐり合うように、
あの人嫌々来ているのかしら。
ほんとうは目あての男がもういるのじゃないかしら。
そんなふうに、互いに互いの顔色を窺いながら。

お寺の本堂に集められた女たちがなにをされるのか、
おめかしして出かける妻を送り出した夫たちを含めて、だれもが知っている。
女たちは皆、
着物の襟足をくつろげて、
ブラウスのボウタイをほどかれて、
ロングスカートを腰までたくし上げられて、
ストッキングをひざまでおろして、
ショーツを自分から、つま先まですべらせて。
息荒くのしかかって来る男どもを、それとは劣らぬ熱い吐息で迎え入れてゆく。

夜明け近くになったころ。
その晩あったことなどはおくびにも出さず、
私は貞淑なのよといわんばかりに楚々として、妻たちは帰宅の道をたどる。
ふだんとは違う眼の色をした夫たちをまえに、
妻たちは見え透いた弁明をくり返す。
私だけはなにもなかったの。だれにも挑まれたりしなかったの。
危なかったけど、さいごまで貞操を守り抜いたの。って。

でも夫たちは、知っている。
目のまえの妻の着崩れした衣装が、
ほつれた乱れ髪が、
破けて引きずりおろされたストッキングが。
必要以上のことまで、白状してしまっているから。

そうでなくても、夫たちの一部は、もっとよく知っている。
そういう夫たちは、素知らぬ顔で妻を送り出した後、
自らもこっそり、妻のあとを尾(つ)けてお寺に出向いて、
本堂の向こう側から、覗いて見届けてしまっているから。
妻たちがどれほど積極的だったのか、
どれほど不熱心に、身に降りかかる恥辱を振り払おうとしたのか、
そしてどれほど熱っぽく、彼らの劣情に接しつづけたたのかを。

そうした夫たちを持つ妻たちもまた、
夫に覗かれていると知りながら、清楚な衣装とはおよそ不似合いな、これ見よがしな痴態に耽り抜いて、
あなたごめんなさい感じちゃってるのとか、
主人のものよりおっきいわあ、あなたのほうが素敵♪とか、
あらぬことまで口にする。

そうした妻たちをモノにする村の衆もまた、情婦の夫をそそのかして、
女房の様子が気になるんだろ?
思い切って覗きに来いよ。
あんたの目のまえで、母ちゃんよがり狂わせてやっからよ。
見届けるのも、夫の務めってもんだぜ と。

それでも夫たちは、いそいそと妻のあとを追う。
ひっそりと、妻の帰りを待ちわびる。
月にいちどのお務めが済んだあと。
そこにはいまだかつてないほどの、熱っぽい夫婦のまぐわいがあるのだから。
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