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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

夏休みの自由研究

2018年02月11日(Sun) 06:42:10

ぼくたちは、青木先生からもらったヒントをもとに約一か月、吸血鬼に関する自由研究に取り組みました。
メンバーはAくん、Bくん、それにぼくCの3名です。
ぼくたちはまず、街に棲みついているという吸血鬼と接触を図るために、濃紺の半ズボンお制服を着用して夜の街を歩きました。

(Aくん)娼婦になったみたいな気分になって、ちょっとドキドキしました。(笑)

その晩襲われたのは、ぼくとAくんでした。
Bくんだけは、ハイソックスを履いていませんでした。
それで、次はBくんもハイソックスを履いてみたところ、ぼくたちを襲ったのとは別の吸血鬼が洗われて、脚を咬まれて血を吸われました。

(Bくん)あくまで実験だったので、条件を変えてみたのです。AくんとCくんが吸われた時点で、ぼくだけが無事でした。もしかしてぼくだけ真人間で帰れるかも・・・って正直思いましたが、ぼくだけ仲間外れになっちゃうのがやはり怖くて、すぐに血をあげました。数人でいるところを吸血鬼に襲われた場合全員咬まれてしまうというのは、そういう仲間意識が影響しているかもしれないと、あとで3人で話し合いました。

こうしてぼくたちは3名とも、さいしょの夜に吸血体験を遂げたのです。
3名全員が咬まれてしまうと、彼らは獲物を取り替え合って、ぼくたちの血を吸いました。
あとで吸血鬼の人たちに直接ヒアリングしたところ、血の味には個体差があるので、もっとも好ましい血を択ぶための作業だということでした。
でも、その後も彼らは分け隔てなくぼくたちを取り替え合って血を吸っていたので、嗜好にかかわりなく血液の摂取は行われることがわかりました。
全員が均等に吸血を受けるもうひとつの理由としては、血液の喪失量を同じにするためで、1人に負担が片寄らないための生活の知恵ではないかという意見が出ました。

でもそういう状態はさいしょの一週間だけでした。
初めのうち彼らがぼくたちを均等に分け合っていたのは、喉がカラカラの状態だったからでした。
ある程度飢えを満たされると、彼らはそれぞれにパートナーを決め合いました。
それはぼくたちの意思とは関係のないところで決められていて、
いつの間にかそれぞれの男子のところには決まって同じ人が来るようになりました。


次にぼくたちは、彼らに女子の血を吸わせてみることにしました。
実験に協力してくれたのは、Aくんの彼女のαさんと、ぼくの彼女のγさんでした。
Bくんにはまだ彼女がいないので、βさんを誘って自由研究の仲間になってもらいました。
彼らと相談したところ、ぼくたちみたいに3人同時にではなく、思い思いに襲いたいということでした。
あくまで実験なので、襲うときには事前にぼくたちに連絡をするようにお願いをしました。
彼らもぼくたちの自由研究には協力的で、αさんたちを襲うときには必ず教えると約束してくれました。
さいしょに咬まれたのは、γさんでした。
彼女は学年が三つ下で、女子たちのなかでは最年少でした。
襲った吸血鬼は、おもにCくんの血を吸っていた男でした。
彼がぼくをパートナーに選んだとき、すでにぼくがγさんと付き合っていることを知っていたそうです。
さいしょからγさんを目あてに、ぼくを選んだことになります。
γさんを襲った吸血鬼は、仲間の吸血鬼から、「こいつ、ロリコンなんだよ」って笑われていましたが、彼は苦笑いするだけで怒ることはありませんでした。
3人の間柄は、ぼくたちと同じように、円満だったのです。
彼がγさんを狙ったのは、彼自身が吸血鬼に家族ともども血を吸われたとき、娘さんがいまのγさんと同じ年頃だったことを聞かされました。

γさんが襲われた直後ぼくが介抱をしている間、彼女の感想を聞くと、「さいしょは怖かったけど、血を吸い取られていくうちにぼーっとなって、しまいには夢中になってしまった」ということでした。
異性のパートナーのいる女子の場合、パートナーに対する軽い罪悪感が芽生えることもわかりました。
次の日に襲われたAくんの彼女のαさんの場合も、ほとんど同じ感想を得ることができました。
罪悪感を持った理由は、「血を吸われているときに、キスしているときみたいな昂奮を感じてしまったから」であることを、二人の女子から聞き出すことができました。
(「お前ら、もうそこまでイッているんだな」との野次が、しきりにあがる)
興味深いのは、彼女ではないβさんも、Bくんに対して同じような感情を抱いたということです。
状況を遠くから観察していたBくんは、公園の草むらでβさんが血を吸われながら、「Bくん、ゴメン」と口走るのを聞いています。
βさんを介抱している最中にBくんがそのことについてβさんに訊くと、
さいしょのうち彼女は自分の発言を思い出せなかったようですが、やがて記憶が回復すると、
「なんとなくBくんに悪いような気がした」ということでした。
女子たちには全員ハイソックスを着用してもらいましたが、男子のときと同じように両脚とも咬まれていました。
女子たちの履いていた真っ白なハイソックスが血でべっとり濡れているのを見て、なぜかぼくたちもドキドキしてしまったのを憶えています。

興味深いのは、それまでつき合っていなかったBくんとβさんが、自由研究の期間中からつき合い始めたことです。
βさんはメンバーに加わった最初から、「Bくんのために自分の血をだれかにあげている」という意識を持っていました。
一方Bくんのほうは、さいしょはβさんに特別な感情は特になかったそうですが、
βさんが初めて咬まれるのを見て昂奮を感じてしまったそうです。
「責任取らなきゃっていうマイナスな感覚よりも、もっと彼女が咬まれるところを見たいという恥ずかしい感情のほうが大きかった」そうですが、βさんはそういうBくんの感情にも寛大で、お互いの気持ちを打ち明け合うことで、距離が縮まったと話しています。


さいごの実験は、1人の吸血鬼がひとつの家族を征服するのにどれくらいの時間がかかるか?というものです。
Aくんの家の家族構成は、Aくんとお父さん・お母さん・妹さんの4人家族。
Bくんの家は、両親のほか、離れに独立したお兄さんが半年前に結婚したお嫁さんと同居していて、さらに隣には叔父夫婦と従妹が住んでいます。
ぼくの家は両親と、近所に叔母夫婦が住んでいます。ちなみにγさんは叔母夫婦の娘です。
このように、それぞれの家族の人数は、Aくんが本人を含めずに3人、Bくんが同じく2人、近所の親類まで含めると7人、ぼくのところが2人もしくは4人です。

それぞれの家庭で頭数は違ったのですが、家族全員が吸血されるのに要した期間は、ほとんど同じでした。
従って、1人あたりの襲われた回数はAくんのところがもっとも頻度が高く、Bくんのところが低いという結果になりました。
いちど咬まれてしまうと気持ちの上でほぼ征服されてしまうことが経験上分かっているので、家族全員を支配下に置くにはそれでじゅうぶんだということが、両親の行動をみてもわかりました。

セックス経験のある女性が襲われた場合、性的関係を結ぶと言われていますが、この点の確認は取れませんでした。
親たちがいちように口を閉ざして、教えてくれなかったためです。
でもそれは、学校の課題よりは重要度の濃い話題であることだけは、確認することができたように思います。
3人の家庭を侵食している吸血鬼と父親たちとの関係性は必ずしも悪くなく、Aくんのお父さんは吸血鬼をゴルフに誘っています。父親が吸血鬼を伴って帰宅した際、履いて行ったロングホース(長靴下)に赤いシミが付着しているのを、Aくん自身が確認しています。
Bくんのお父さんも、自宅に居ついてしまった吸血鬼とBくんのお母さんとの交際には寛大で、2人でドライブに出かけたり、ホテルで待ち合わせをして2人きりで献血を行なうことにも、不機嫌になった様子はないということです。
ぼくの家でも吸血鬼が母とひとつ部屋で2人きりでいるときには、
「2人のじゃまをしないで、親子で将棋を指す」ことが習慣になっています。

A家、B家、C家のどの家庭でも、両親は吸血鬼の侵蝕を受ける以前よりも仲良くなったように感じられ、父子の関係も円満な形で経過しています。
状況証拠としては、日常的に吸血を体験している家庭の主婦は、吸血鬼と恋愛関係になっている可能性が大であると推測していますが、お互いの母親の名誉に関する部分でもあり、深く踏み込むことができなかったというのが今回の実験結果です。
吸血鬼が人妻とどんな関係を結んでいるかについての解明は、今後の課題です。
ぼくたちにとっても、自分や彼女の血を吸った吸血鬼によって、母親の貞操がどんな扱いを知るのはたいせつなことだと思うので、今後も観察を継続していくことで3人の意見が一致しました。
これで発表を終わります。



その晩生徒A・B・C3名の担任の教師(男性、43歳)が自宅でまとめたレポートの一部――


吸血鬼による家庭侵蝕の実態を探るため、良家の子弟であり身許の信頼できる生徒3名を抽出、吸血鬼に関する研究を夏休みの課題とするアドバイスを与えることに成功した。

彼らとその家族を被験者として実験を開始して1か月が経過し、このほど彼らの手による研究成果がクラスで発表された。
結果、生徒3名の家族を含む全員が吸血行為を体験するに至ったが、死亡した例は皆無である。
3名の吸血鬼はそれぞれの被験者の自宅に棲みついて、家族全員を対象に血液を日常的に摂取するようになった。
被験者の自宅に棲みついた時点で、彼らの吸血対象はほぼ固定化したと考えられる。

しかし、例外は非常にしばしば発生している。
その1は、生徒Aと交際しているαが塾からの帰り道に生徒Cと同居している吸血鬼(丙)に襲われたケース、
その2は生徒Bと同性愛関係に至った吸血鬼(乙)が、吸血鬼(甲)と共謀して、甲が自分の棲みついている生徒Aの自宅からその母親を誘い出し、街はずれの公園で輪姦に及んだケースである。
彼らの間では独占欲といったものはあまり存在せず、むしろ楽しみを共有することに意義を見出しているという印象を受ける。
もともとは彼らも人間であり、自分たちを襲った吸血鬼に妻を与えた経験もあり、そうした過去から仲間との強い共有意識が醸成されているのかもしれない。

3家庭及びその近在に住居する叔父・叔母夫婦や兄夫婦もまた、家族ぐるみで吸血の対象とされ、献血に応じている。
生徒Bの自宅近くに居住する叔父夫婦には娘がいる。
当初のうち両親は娘を吸血鬼にゆだねることに拒否反応を示していたが、
やがて母親のほうから「早めに体験させたい」という意思を持つようになり、
最終的には夫婦で相談をしたうえで娘の初体験の相手を選んでいる。
両親が自分の意思で選んだ相手は、生徒Aの血を吸っている吸血鬼であった。
最も縁の深い生徒Bのパートナーを択ばなかったのは、彼が生徒Bが実験を通して得た恋人の血を日常的に摂取していることと関係があるようだ。
3人の生徒が選んだ女子のパートナーもいずれも、自分の意思で相手を選んではおらず、男子の指示に従って吸血鬼との関係を結んでいる。
未婚の女子については、本人の意思よりも周りの意思によって吸血相手が選ばれる傾向が感じられる。

各々の家庭を構成する主婦たちは全員、最初に咬まれた段階で貞操を喪失し、
なおかつ1か月以内に3人の吸血鬼すべてと性的関係を結んでいることが確認されている。
夫たちが不平を鳴らさないのは、吸血鬼が彼らと主婦たちとの結婚生活を維持したまま自らの欲望を遂げ続けているためと推察される。
夫婦間も吸血鬼との距離感も円満裡に経過しているのは、従来よりも濃厚な夫婦生活に満足を感じた夫たちが、妻たちの不倫行為についてとやかくいわないことを決め、見て見ぬふりを決め込んでいるためであると思われる。

これらのレポートをまとめるにあたり、妻・華恵の献身的協力に謝意を示すことを許されたい。
生徒たちがさぐり得なかった夫婦の事情を本人たちから聞き出すことに成功したのは、ひとえに彼女の功績である。
生徒及びその家族を被験者として抽出する以前に、わたしは吸血鬼に妻を紹介し血液の摂取を許した。
そうすることで研究成果の実が深まると確信していたためである。
妻は当初、常識的な日常を送る健全な女性としての羞恥心から、吸血鬼と関係を取り結ぶことに躊躇していたが、
わたしが自宅に3人を連れてくると、「私はどうなってもあなたの妻です」と言って、求められるままに首すじをゆだね、
その晩のうちに3人の吸血鬼全員と交合を遂げた。
いまでも彼女はわたしの最愛の妻であり、吸血鬼の欲求の良きはけ口として振る舞いつづけている。
今後の研究に彼女の協力は不可欠であるし、妻を汚された経験を持つ夫として、同様の運命をたどる人妻を1人でも多く増やしたいと熱望しているところである。


あとがき
生徒たちが自分自身を始め、彼女や家族まで巻き込んで行う吸血鬼研究。
それがじつは教師の陰謀であったというオチでまとめてみました。

淫らな関係を客観的で乾いた文体で表現すると、不思議な妖しさを帯びるように感じます。
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