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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

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バレンタインのプレゼント K学院中学校2年E組 兼古順子の場合

2018年02月26日(Mon) 07:37:48

とうとうやって来た、この季節。
女の子たちはだれもが、お友だちにも言わないナイショの店で、
とっておきのチョコレートを買い込んでくる。
あたしもそんな中の1人。
お小遣いをはたいて、とびきり上等のチョコレートを買った。
でも、他の子みたいにラッピングをしてもらわないで、家に持って帰る。
自分の手でラッピングをして、中にお手紙なんか入れる子もいるから、
お店の人もべつだん不思議がらないで、あたしにチョコレートを手渡してくれた。
ラッピングしてもらわない理由は、ほかのふつうの女の子とは、ちょっと違う。
家に持って帰ったチョコレートは、あたし自身が食べちゃうのだから。

チョコレートは好きだけど、バレンタインのチョコをわざわざ自分用に買ってまでたべるほどではない。
でも、きょうのチョコレートは、とびっきりのやつじゃないとだめ。
だって、だって・・・
きょうがあたしにとって大切な日なのは、ほかの女の子たちと、変わりないんだもの――

チョコレートを食べ終わったあたしは、ママに隠れるようにこそこそと、
「ちょっと出てくる」
とだけ言って、お家を出る。
こんどここに戻って来るときにはもう、あたしは“女”になっている。
ママは何食わぬ顔をして、
「気をつけてね」
とだけ言って、玄関で見送ってくれた。
ドアを閉める間際、ママと目が合った。
気のせいか、心の中を見透かされているような気がした。
「がんばって」
ママの唇がそんなふうに囁いたような気がした。

あたしの制服は、セーラー服。
昔ながらの名門校だから、K学院の子は自分の制服を好きな子が多い。
あたしもその1人――
だから学校から帰ってきた後、ちょっと改まったところに行く時は、
ほかの女の子たちと同じように、制服で出ることが多い。
でも、きょうあたしが行くのは、塾でもバイオリンのお教室でもなく、
親にも言えないような場所。
そう、街はずれに棲む吸血鬼の小父さまのお邸なのだ。

出かける間際。
セーラー服のリボンを新しいものに締め直して、
白のソックスを、肌の透ける黒のストッキングに穿き替える。
玄関で見送られたとき、薄黒く染まったあたしの足許を、ママにしっかり視られていた。
><
まぁいいや。
きっとママも、通り抜けてきた道だろうから。
この街に棲む男の子たちは、みんな割を食っていて、
いちばんおいしところを、吸血鬼の小父さまに持っていかれちゃうのだから。

「きょうは、なんの日だか知っているよね?」
あたしのことを背中で迎えた小父さまに、あたしは精いっぱいの声でそういった。
「この国ほど、盛んではないけどな」
きょうの小父さまは、いつになく言葉が少ない。
いつもなら、あたしがお邸にお招(よ)ばれすると、
はぁはぁと息荒く迫って来て、
小父さまのためにわざわざ履き替えていった真っ白なハイソックスのうえから足を咬んで、
真っ白なハイソックスが真っ赤になるまで、
あたしの血を吸うのをやめようとはしないのに――
「バレンタインのチョコ、持ってきた」
「それは嬉しいね」
小父さまはまだ、あたしに背中を見せている。
あたしはためらいもなく、数歩進んで小父さまのすぐ後ろに立つ。
さいしょに逢ったときは、校長室だった。
校長先生をお待ちしているものとばかり思い込んでいたあたしの真後ろに、
この人は音もなく忍び寄って、
あたしの首すじを咬んで、あたしの人生を塗り替えた。
こんどはあたしが自分の手で、あたしの運命を塗り替える番――
「チョコレート、あたし食べちゃった」
「・・・?」
「とびっきり高い、最高級なやつ。あたしチョコ好きだから、先に食べちゃった♪」
そこで初めておじ様は、あたしのほうを振り向いた。
小父さま、ほんとうはチョコレートも食べたかったの?
そう思ったらふだんみたいな明るい顔に、しぜんになれた。
「いいよ。受け取って。あたしのバレンタインのプレゼント」
大胆にキメるはずのキメ科白――ちょっとだけ声がかすれてしまったのが、残念!

小父さまはビクッと身体を震わせると、こんどこそあたしめがけて、本気で迫って来た!
そう、吸血鬼の目ではなくて、男の目になって。
そのままストレートに、壁ぎわに抑えつけられたあたし。
囚われのお嬢様はそのまま首すじを咬まれ、唇を奪われて、
小父さまの手はいつの間にか、濃紺のプリーツスカートのなかに忍び込んで、
黒のストッキングの太ももを、それはいやらしくまさぐり始めた。
折り目正しいスカートのひだを、くしゃくしゃにかき乱されながら、
あたしはもぅ声も出なくなって、ひたすら小父さまの両肩に、しがみついていた。

押し倒されたじゅうたんのうえ。
突き刺された太い筋肉の塊に、違和感をありありと覚えながら、
じわじわとこぼれ出てくる処女喪失の証しのしずくが、
スカートの裏地にしみ込まないかと、そればっかりを気にかけていた。

暗くなってから帰ったあたしを、ママは何も気づいていないような顔つきで出迎える。
「シャワーと晩御飯、どっちが先?」
いつも通りののどやかな声色も、なにも変わりがなかった。
ママ、ほんとに気づいてないかな?
そんなとき、ママが何気なくあたしに言った。
「制服のスカート、新しいの買っといたから」
え?
小首をかしげるあたしに、ママはイタズラっぽく笑みかけてきて、
「ママからの、バレンタインのプレゼント」
スカート汚したでしょ?おなじ女の目が、そう言っていた。
それに、「おめでとう」って。
あたしは照れ隠しに、「シャワー浴びるね」とだけ言って、ママに背中を向けた。
15歳のバレンタイン。
その日、あたしはちょっとだけ早い成人式を、ママに祝ってもらった。


あとがき
登場人物や団体名等はすべてフィクションです。
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惑い。

コメント

チョコを食べたあたしを食べてっていう展開、可愛い♪小父様も、さぞ食べ甲斐がありましたね。
今の時代はこの歳で食べられてしまうのは早いのでしょうが、生物的にはもう立派に役目を果たせる歳なんですよね。

制服のスカートに証を残し、その証を見て全てを感じ取るママ。こういう展開の描写が自分には凄くエロく感じて、そして好きです。
by ゆい
URL
2018-03-01 木 03:08:41
編集
ゆいさん
ひところは、十代の初体験は当たり前・・・のような風潮がありましたが、いまはどうなのでしょうか。
むしろ、個人差の広がりのほうが良くも悪くも大きいのかもしれませんね。

チョコを食べながら吸血鬼の小父さまとの逢瀬を待ち焦がれる少女・・・というプロットはけっこう好きなのですが、意外に文章化できていないような気がします。

物わかりの良いお母さん、素敵でしょ?
(^^)
仲の良い母娘というものは、同性としての仲間同士でもあるように感じます。
by 柏木
URL
2018-03-08 木 22:38:16
編集

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