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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

夕方6時以降の公園

2018年06月16日(Sat) 19:10:44

薄暗くなった街かどに「夕焼け小焼け」のチャイムが鳴ると、
公園で遊んでいた子どもたちはいっせいに、家路につく。
この街の子供たちは、お行儀が良い。
それもそのはず。
この街では、夕方6時を過ぎると、吸血鬼が出るのだから。

入れ違いに路地を行き交うのは、制服姿の女子中高生たち。
「みなみちゃん、いる?」
「みなみちゃーん」
時ならぬ若い声が、路地裏の一軒家の玄関のまえにひっそりと響く。
二人連れの少女たちは、おそろいの白いカーディガンに、
濃い赤と黒とのチェック柄のプリーツスカート。
革靴のなかにお行儀よく収まった白のハイソックスの脚が、
夕闇のなかで鮮やかに浮き上がる。
友だちの声に応じて玄関を出る少女の姿も同じ制服を着ていて、
セミロングの黒髪を揺らしてポーチを降りてくる。
三対の城のハイソックスの脚たちは、足並みをそろえて公園に向かった。

公園にはそこかしこにベンチがあって、
違う制服の子たちもひそひそ話を交し合いながら、
思い思いのベンチに腰かける。
みなみちゃんと呼ばれた少女も、
ほかの二人の少女とある間隔を取りながら、
それぞれベンチを選び腰を下ろした。

一陣のなま温かい風がひゅう~っと公園のなかを駆け抜けると、
それぞれのベンチのまえにはひとつずつ、
少女たちのまえに黒い影を立ちはだからせた。
「こんばんは」
少女たちはいつもよりちょっと遠慮がちな上目遣いをして、
自分の相手を値踏みするように見あげた。
影たちは思い思いに、
あるものは少女の足許にかがみ込んで、
ハイソックスの内ももに唇をすりつけてゆき、
あるものは少女をベンチのうえに仰向けにして、
うなじに唇を沈めてゆき、
あるももは少女をベンチのうえにうつ伏しにして、
ハイソックスのふくらはぎに唇を這わせてゆく。

ごく・・・っ。
ちゅうっ・・・
きゅううっ・・・

しのびやかな吸血の音がそこかしこであがり、
少女たちはシンとおし静まって、
刺し入れられる牙の痛痒さに歯がみしながら、
献血行為の陶酔に耽ってゆく――

6時以降の公園は、少女たちの秘密の場。
吸血鬼たちは自分のベンチにだれが座るかと胸躍らせながら、
夕刻の一陣の風を待ち焦がれる。
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