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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

来週の予定。

2018年08月06日(Mon) 06:43:01

さいしょのドライブの後、帰宅そうそう妻はいった。
「来週、行くつもりなんでしょ?」
え・・・?問い返そうとするわたしの機先を制するように、妻はいった。
「貴方も、しっかり愉しんでいたみたいだし」
ズボンのなかで昂り過ぎてしまった痕跡に妻はチラと目をやると、なにも気づかなかった顔をして、
「そういうの、恥ずかしがることないから。あのひと、貴方の親友なんでしょ」
そう言い捨てると、妻はさっと髪をひるがえして、そそくさと浴室に向かった。

男まさりな気性の妻だった。
もしも浴室で1人になってそこで泣いたとしても、涙をシャワーできれいさっぱり洗い流すはず。
そのあとは、なにごとも起こらなかった顔をして、いつものように台所に立つのだろう。


いつもどおりにお互い振る舞った夕食のあと、台所を片づけ終わってリビングに戻って来た妻はいった。
「よけいなことは言いっこなし。彼はきちんとした人だとか、守れなくて済まなかったとか、聞きたくない」
尖った口調と怒り顔とをおさめると、彼女はわたしをまっすぐに見て、またいった。
「来週行くの、気が進まない?気が進む?」
「気が進む」のほうに黙って頷くわたしに、妻はなおもいった。
「男らしくないなー。負けを認めなさい負けを。自分の考えをちゃんと口に出して言ってみて」
わたしはこたえた。

来週末――きみが彼に襲われるところを、もういちど見たい。

妻は一瞬目を丸くし、肩をこわばらせたけれど。
すべてをのみ込むように頷くと、いった。
「それでいいわ。あたしも愉しむから」
お茶淹れるわね・・・そういって妻が、髪を揺らして起ちあがるのといっしょに、わたしもトイレに起った。
股間の昂ぶりが収まらなくて。
重症ね・・・心のなかで妻が、フフッと薄笑いする。
このひと、女の操をなんだと思っているのかしら。
いたってノーマルな妻のことだから、きっとそうも言うだろう。
けれどももっと間違いなく、言われそうな囁きがある。

貴方のそういうところ、結婚するころからなんとなくわかっていたの。
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