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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

親友の愛妻をゲットした幸運な男のひとり言。

2018年08月06日(Mon) 07:49:55

親友の奥さんに、恋をした。
かわいいというよりは、美人。
上品で落ち着いた物腰に、思わずグッと来た。
母と似ている、と、思った。
そうだ――俺はもしかしたら、母を犯したかったのかもしれない。

旦那である親友とは、もうながいつきあいだった。
書斎の人である親友と、アウトドア派の俺とでは、住んでいる世界が違ったけれど、
それでも仲の良いことに、なんの差し障りもなかった。
むしろ、違うからこそ良かったのかもしれないし、いまでも良いと思っている。

なにも知らない善良な男の妻を寝取るのは、少しばかり心苦しかった。
なん度も想い切ろうと思ったけれど、奥さんを見るたびに想いは募り、もうどうにもならなかった。
俺は本来、女に対して臆病なほうではなかった。(そのへんは親友は正反対だった)
彼が結婚したのに俺がまだ独り身でいるのは、たんにいろんな女を愉しみたかったから。
俺がアウトドア派を自称していることを彼は良く知っているけれど、
どんなふうにアウトドア派なのかまでは、まったく知っていなかった。
それで俺は、この夫婦をドライブへと連れ出した。

奥さんは、空色のブラウスに緑のスカート。
爽やかないでたちだったが、アウトドアにはそぐわない服装だった。
この服を着た彼女を、およそ似つかわしくない草むらの中で泥まみれにする想像で。
俺はちょっとだけ、胸を痛めた。
奥さんを愛しているらしい親友に対しても、胸を痛めた。
それでいながら、奥さんをひと目見たとき後戻りできないと考えた。
ほんとうは、後戻り「できない」ではなく、「しない」に過ぎなかったのだけれども。

惨劇?は、ごく短時間で済んだ。
「俺は奥さんに恋をした。悪いがちょっとだけこらえてくれ」
俺は親友をふり返ると手短かにそういって、みぞおちに一発ぶち込んだ。
ついでに唇が切れる程度のパンチを一発お見舞いして、彼を草むらのなかに沈めた。
つぎに草むらに沈むのは、奥さんの番だった。
あっと叫んだ奥さんは、立派なことに、殴り倒された夫のほうへと駆け寄ろうとした。
けれども俺の魂はそのときにはもう、獣の魂と入れ替わってしまっていた。
手足をばたつかせて暴れる奥さんを抑えつけて、想いを遂げてしまったとき。
親友は恨めしそうに俺を睨んでいたけれど、
不覚にも射精をしてしまった痕が股間にしみ込んでしまっているのを、俺はしっかりと見届けていた。
脅かして黙らせる手は、いくらもあった。
けれども俺は、いちばん口走りそうにない言葉を、親友に向かって口走っていた。
――すまないが、もう少しだけ、目をつぶっていてくれ。
俺は奥さんをもう一度犯し、そのいちぶしじゅうを彼は、手出しもせずに見つめつづけていた。

俺が奥さんを放すと、奥さんは目を伏せて、旦那の後ろに隠れた。
もっともな振る舞いだった。
まだセックスに狎れていない新妻の反応はぎこちなかったけれど、
じゅうぶんに相性が良いらしいことを、お互いの身体で確かめ合ってしまっていた。
でも、それとこれとは別だった。
俺は彼女を、じゅうぶん過ぎるほど、怯えさせてしまったのだから。
――きょうはこれくらいで・・・
妻よりもひと足早く我を取り戻した親友は、俺たちふたりの間に立って、そういった。
お互いを取りなすような穏やかな口調だった。
きっと、そうでも言うしかなかったのだろうけれど。
俺は救われたような気になった。
いつもの趣味で、服を破ってしまった奥さんが、まだ恨めしそうな目で俺を見る。
俺はとっさに、できるだけ彼女をこれ以上傷つけないよう言葉を選んで、ふたりを家の玄関まで送ると約束をした。

だまって車から降りていったふたりの後ろ姿を胸にハンドルを握る俺は、
身体の満足を忘れてしまうほどのかなりの後悔を覚えた。
いままでいろんな女とセックスをした。
そのなかには人妻も、結婚を控えた女もいたけれど、きょうのような後悔はなかった。
訴えられても仕方がないと思った。
けれども最悪のことは回避できるだろうとなんとなく思えたのは、
親友の人となりをよく心得ていたからなのか、
それともたんに俺がしたたか者である証しに過ぎなかったのか。
親友は穏やかだが、決して意気地なしではなかった。
意気地なしではなかったけれど、穏やかに事を収めるすべをよく心得ていた。

親友と奥さんが連れだって、ふたたび俺の前に姿をみせたのは、翌週末のことだった。
来てくれる・・・ということは、月曜の夜の電話で親友から聞かされた。
どちらかというと、受話器の背後に気遣いをするような固い声色に、
車を降りた後の夫婦がどういう修羅場を演じたのだろうか?と悪い想像だけが先に立った。
約束どおり二人が家に来たときには、小躍りするほど嬉しかった。
なにしろ、惚れた女が目のまえにいるのだから。
奥さんはいった。
わたしは主人だけのために生きます。だから、貴男とは結婚できません。

いったいどこまで夫婦で話し合ったのだろうか?
たった一度犯されただけの間柄の男のために、夫と離婚する女はそうはいない。
妻としての務めが果たせなかった・・・とか、そんな想いを抱きそうなくらいに真面目なのだろう。
奥さんの真面目さと、かりそめにも結婚まで考えてくれたこととが、素直に嬉しかった。
俺は真面目な女が好きなのだ。
その真面目な女(ひと)に、俺はこうも言わせてしまった。
――主人も愉しめるように抱いてくれるのなら・・・貴男に抱かれてもいい。
本来は、夫の前でほかの男にそんな科白を吐ける女ではなかったはず。
俺がこの女(ひと)のなにかを、塗り替えてしまったのか。
せめてもの礼儀を示そうと、俺は彼女の手を取って、王子が王女にするように、
手の甲に接吻をした。
彼女は意外なくらい優雅にそれを受けてくれて、小声で「ありがとう」と言ってくれた。

それでもこの女(ひと)が、自分らしさを失くしていないことを、俺は数分以内に思い知る。
「いけません!なにをなさるんです!?」
「あなたは・・・あなたは、無作法ですっ!」
「し・・・失礼なっ!」
奥さんはあくまでも気丈に頑張り、あくまでも女の操を守り抜こうとした。
突っ張る腕をへし折って、
抗ううなじを引き寄せて、
こぎれいなワンピースを引き裂いて、
ストッキングをふしだらにずり降ろして、
俺は親友の目のまえで、その愛妻を犯していった。

激しい身じろぎに衣擦れを身体のあちこちに作りながら、
きちんとセットした髪を振り乱しながら、
歯茎を舌で拭われながら、
たくし上げられたワンピースの奥深くを、辱め抜かれていった――

夫を愉しませるため。
そんなふうに割り切った女は、
「主人に抱かれるつもりで貴男に抱かれる」という思い込みを満面に泛べていたが、
やがて互いの身体の相性の良さを否応なく思い出さされて、
夫の前で自分のほうから、腰を激しく振り始めていた。
――すべてあなたのせいなのよ。
声で言わずとも、迎え入れた膣がそう呻いていた。
――わかっているとも。
俺は激しい射精で、女の非難を塗り消していった。

親友の目が、俺に訴えた。
――わたしの妻も、ほかの女と同じようにあしらうのか?
俺の息遣いが、彼に応えた。
――違うね、本気で惚れたんだ。
親友の目が、また注がれた。
――彼女と結婚したいのか?
俺の息遣いが、また応えた。
――違うね、彼女の意思を尊重して、きみの妻のまま犯しつづけるんだ。
親友の目が、なお追ってきた。
――ぼくたちは、共存できるというのか?
俺の息遣いが、さらに応えた。
――それがきみの望みでもあるんだろう?
親友の目に、歓びの色がよぎった。
――そういうことなら・・・妻を愛し抜いてくれ。夫としてお願いする。
俺の息遣いが、なお荒くなる。
――よろこんで、そうさせてもらうとも。
深く深く沈み込んだ一物を受け止めかねて、俺の下で組み敷かれた女(ひと)が、切なげなうめき声を洩らしていた。


結婚は、しなくちゃダメですよ。私が信用できる娘さんを紹介するから。
あなたみたいな立派なモノをお持ちの殿方が独身でいらしたら、周りの人たちが困りますから。
おすすめの子がいるの。逢ってみない?
そういって奥さんが紹介してくれたのは――奥さんの妹だった。

あたしといっしょで、堅物なの。
だから、さいしょはきちんとお付き合いしてみて。
いきなりドライブに誘って犯したりしたら、ダメよ。
そういうと彼女は、イタズラっぽくフフッと笑う。
結婚しても私のことが忘れられなかったら、いつでもいらしてね。
主人といっしょに、待っていますから――
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