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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

≪長編≫ 田舎町の吸血父娘、都会からの転入家族を崩壊させる  ~月田家の場合~ 5 嵐のあと、なにも知らない娘のまゆみ

2018年10月21日(Sun) 08:24:25

月田夫妻から血を吸い取った父娘が月田家を辞去したのは、娘のまゆみが帰宅するのとほぼ入れ違いだった。
制服姿で帰宅したまゆみは、自宅から出てきた見なれない父娘にちょっと怪訝そうに目をやったが、親を訪ねてきた客人らしいと察すると、それ以上の関心を払わずに、軽く会釈をして家の門をくぐった。
男はすれ違いざま、月田家の娘の発育のよいふくらはぎが白のハイソックスに覆われて、紺のプリーツスカートのすそからにょっきりと伸びているのに目をとめると、その瞳の奥に一瞬もの欲しげな輝きをぎらつかせて、彼女の姿が玄関のなかに消えるまで立ち止まって見送っていた。
「父ちゃん欲深ね」
少女は吸血鬼の父親の脇腹を小突いた。
「生意気言うでねぇ」
男は図星を指されながらも、娘に対して減らず口を叩いた。
「あたし誘い出してこようか」
少女はこともなげにそういったが、男は口のなかでぶつぶつと、学校さ行けばええとか、その前ぇに顔役にかけあいに行くとか、生娘を犯すとあとがうるさいからなとか、あいまいに呟いただけだった。

「小母さんと仲良くなれて、よかったね。パンストもらったでしょ」
娘は父親をからかった。ついでにポケットからはみ出していた節子のストッキングのつま先を、わざとのように引っ張った。ストッキングはポケットからすっぽりと抜け落ちて、少女の指先につままれたままひらひらと風に舞った。
「洗濯して取っとくね。いつもみたいに袋作って。あ、箱もいる?」
男は、もうなにも応えずに、娘の言いぐさを横っ面で受け流していた。


「ねぇ、どうして今夜はお赤飯なの?さっきのお客さんだれ?」
なにも知らないまゆみは、久しぶりの赤飯をもりもりと口に頬張りながらいった。
その赤飯が、母親を犯す見返りにさっきのみすぼらしい中年男が持参した手土産だとはつゆ知らず。
母親は娘の問いにはこたえずに、いつになく黙りこくって単調に箸をあやつりつづけた。
「お前はなんでもよく訊くなぁ。」
父親も苦笑交じりに、娘をたしなめるようにそういっただけで、やはり単調に箸でつまんだ赤飯を口にもっていくだけだった。
ふたりとも、鼓膜にキンキンと響く娘の声に、顔色をよけいにくすませていた。
「つまんないの」
張り合いのない両親の反応にまゆみはちょっとふくれ面を作ると、ごちそうさま、と箸を投げ出すようにして、ちゃぶ台から起ちあがった。
ジーンズ生地のスカートがはち切れそうなくらいにおっきなお尻を親たちに向けて、まゆみはふすまをぴしゃりと閉めた。
学校帰りのままの白のハイソックスを履いたふくらはぎに帯びた、たっぷりとした肉づきが、父親の目に眩しく灼きついた。
血液の喪われた血管が、むやみともの欲しげに疼くのを感じた。
娘の血を欲しがるなんて、あさましい――しいてそう言い聞かせることで、月田は自分のなかに沸き起こるどす黒い感情を、躍起になって打ち消した。
「自分のお茶碗くらい片付けなさい」
といつも口うるさく追い打ちをかけてくるのを見越したように、
「お風呂入るからー」
と昇りはじめた階段からはずんだ声が響いてきたが、それにも母親は無反応だった。
浴室からシャワーの音が気持ちよさそうに洩れてくると、はじめて母親はわれに返ったように表情を動かし、夫にいうともなしに呟いた。
「あの子もそろそろね」
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