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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

≪長編≫ 田舎町の吸血父娘、都会からの転入家族を崩壊させる  ~月田家の場合~ 21 教師への制裁

2018年10月28日(Sun) 23:47:25

「担任さんブラジャー没収よ」
職員室のなか、ナギは春田教諭のまえにまっすぐ手のひらを差し出した。
「な・・・なんのことですかっ」
神経質そうな色白の頬を蒼白にし、七三にきっちり分けた髪を震わせててうろたえる春田教諭に、ナギはどこまでも高飛車にたたみかけた。
「あの教室のあと始末はお願いしたけど、拾い物を自分のものにしていいなんて言わなかったよね。
あなたの役得なんて、なにもないの。早く出して頂戴」
スーツばかりの室内で明らかに浮いているはずの子供服が、冷然と目の前の教師を追い詰めていた。

朝はもっと露骨だった。
校長に呼ばれた春田はそこでナギという少女を紹介されて、部屋を出てゆく校長の背後で少女に首を咬まれていた。
痺れるような疼痛は、元々もろい彼の理性をかんたんに突き崩し、その場で言われるがままの奴隷になった。
要求されたことはかんたんだった。
旧校舎の鍵を渡すこと、受け持ちのクラスの月田まゆみという生徒を呼び出して、いまから説明する口実でその旧校舎に行かせること、ころあいを見計らってあと始末をすること、そしてそこで起きたことは一切報告しないこと。
ナギはずうっと春田の首を咬んだまま、埋め込んだ牙を通して意思を伝えてきた。
そのあまりの異常さに、春田はしたがうしかなかった。
「あなたのせいになんかならないから」
少女の言いぐさになわかな安堵をおぼえ、みっともなくその場で尻もちをついてしまったくらいだった。

春田は通勤鞄をあけるとがたがた震えを帯びた手で中をさぐった。
吊り紐の切れたブラジャーがそこから出てきた。ブラジャーの裏側にまわったかすかな血痕は、彼の目に留まっていなかった。
ナギは澄ました顔をして周囲を見回した。
「いまのとこ、だれも視てないわよ。ね・・・?」
教師たちはふたりをわざと無視することで、彼女の期待に応えた。
「よかったね、教え子のブラジャーせしめようとしたの、だれにもばれなくて。お礼を頂戴ね」
「え・・・このうえなにを」
教師は再びうろたえた。ナギは冷ややかに言った。
「あんたの奥さん連れてきて。お腹がすいた時に声かけるから。できるはずよ・・・あんたは恥知らずだから」
凶暴な目付きで春田を射すくめると、ナギは表情を一変させて普通の女の子の顔に戻って、無邪気な笑いをはじけさせた。
操作ひとつで形相一変する文楽人形みたいに不自然だった。
凍りついた男を自分のつごうで一方的に取り残し、ナギは「じゃ~ね~♪」といって背中を向けた。
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