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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

黒沓下の男。

2018年11月26日(Mon) 07:13:33

ロングホースを履くのは、ビジネスマンのたしなみなのですよ。
男はそういって、きょうもスラックスの下にひざまである丈の長い沓下を履いてくる。
貴男もお好きだとは、嬉しい限りですね。
ふつうはすね毛を見せないために履くものなのですが・・・
足許にかがみ込んでくるみすぼらしい老人のまえ、
折り目正しいスーツ姿が身をかがめて、スラックスをたくし上げた。

ツヤツヤとしたリブタイプのもの。
水玉もようの入ったもの。
しゃれたストライプ柄のもの。

この老人のために、いままでなん足履いてきたことだろう?
老人は彼の足許に唇を吸いつけて、自慢のロングホースを咬み破りながら、血を啜る。
老人は、吸血鬼だった。

都会暮らしが長かった男は、かなり高価なものもたしなんでいたけれど。
劣情もあらわに唇を這わせてくる老吸血鬼のため、すべて気前よく咬み破らせていた。
きょう、彼のために履いてきたのは、ストッキング地の、肌の透けるタイプ。
老人も、男も、もっとも気に入りのタイプだった。


さっきから。
横たわる男の足許にのしかかるようにして。
老吸血鬼は、ふくらはぎを包む薄地のナイロン生地に、舌を這わせつづけている。
なめらかな舌触りに、ひどく満足したらしい。
なん度も舌をヌメらせて、よだれを上塗りしていった。

さっきまで。
老人が自分の妻を犯していたのを、男は察している。
初めて誘い出したときと同じ喪服姿で、妻は老人の誘いに応じていった。
丈の長い漆黒のスカートのすそからのぞく足首を、ふくらはぎを、足の裏まで。
くまなく舐められたうえ、咬み破られていった黒のストッキング。
老人は、犯した人妻が穿いていたのと同じ色の沓下を、その夫が脚に通すことを望んだ。
男は苦笑いしながら、老人の嗜好をかなえていった。

ぱりぱりとかすかな音を立てて、靴下の生地が裂けてゆく。
チクチクと素肌を侵す牙の、痺れるような疼痛に酔いながら、男は軽く歯がみをした。
女房を辱められるのが悔しいのか?
老人が囁いた。
イイエ、と、男はこたえた。
家内の生き血が貴男のお口に合って、嬉しいと思っていますよ。
あんたの血も、なかなかのもんだ。
どうぞ、気の済むままに――
男はしずかにこたえながら、足許に目を落とす。
肌の透ける、なまめかしい光沢を帯びた沓下が、意地汚い唇と牙に、凌辱されてゆくありさまを。
男も目で、愉しみはじめていた――

妻の穿いているストッキングも、こんなふうにあしらっておいでなのですね・・・?
辱められる自分の脚に、妻を凌辱する唇が、想像のなかで重なり合った。
男は股間が勃(た)つのを感じた。
裂かれたブラウスのすき間から、つり紐の切れたブラジャーの胸をチラチラさせながら、帰宅していった妻。
こういう帰り道は危なくて、二次災害もよく起こる村だった。
都会育ちの人妻たちは、女ひでりの吸血鬼のために、夫とともにこの村に招(よ)ばれたのだから。
もっとも、妻に限って帰り道が安全なのも、男はよく心得ている。
老人は村の有力者で、彼が自分のオンリーだと宣言した女に、手を出すものはいなかったから。

妻は毎日、老人と逢っていた。
妻は毎日、夫を裏切りつづけていた。
きちんとした他所いきのスーツを着こなして。
老人のもっとも好む、喪服を身に着けて。
生真面目な妻は、息を詰めて老人の邸のドアを叩き、声を忍ばせて半裸に剥かれた身体をくねらせていた。
貧血で顔色のわるいときにも、妻は出かけていった。
老人の性欲を満たすために。
なるべくなら、主人が出勤した後にしてほしい。そう願ったこともあるけれど。
夫が在宅しているときも、老人の誘いは絶えなかった。
そういうとき、夫はおだやかに妻を送り出し、あの方によろしくと言づけるのを忘れなかった。
そして、妻のあとを尾(つ)けて老人の邸に赴いて、
裂けたブラウスから胸をのぞかせ、伝染を太く走らせたストッキングから脛をのぞかせながら立ち去った後、老人に抱かれた。
先刻犯された妻と同じ色の、黒沓下を履いた脚を、咬ませていった。


あとがき
しばらくぶりに描くと、まとまりのないものになることが多々ありますね。
(^^ゞ
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吸血児童。
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